地盤を継ぐ

自民党の第48代幹事長を務めるのが、和歌山3区(旧2区)選出の二階俊博である。

彼の父親である俊太郎も和歌山県会議員であり、俊博自身も県議を連続2期務めている。

1983年に第37回衆議院総選挙に自民党公認候補として立候補し当選し現在まで連続当選を続けている。

1993年の宮沢内閣不信任決議案に賛成して自民党を離党、小沢一郎と行動を共にして新生党に参加している。このあたりは東京都知事の小池百合子と共通する部分がある。

細川・羽田政権を経て、新生党→新進党→自由党と変化した上で自自連立政権を樹立させ、小沢が連立離脱を主張したために扇千景らと保守党を結成し自公保連立政権に参加する。

保守党は扇が党首の座を降りたことから保守新党の幹事長を二階は務めたが、2003年の第43回衆議院議員総選挙において保守新党の代表だった熊谷弘が落選したことから、保守新党は自民党に吸収されるかたちで二階の10年ぶりの自民党復党が成立する。

ここまでが二階俊博のおおまかな概略。



上記の通り2代にわたる議員であり地元の有力者であることは、改名を繰り返す政党においても連続当選を果たして来た事実が物語っている。

これを3代までつなげようとしたのが、今年5月に投開票された和歌山県御坊市の任期満了に伴う市長選挙だった。二階は長男である俊樹(51歳)を新人候補として現職候補にぶつけた(自民・公明推薦)がいかんせん政策秘書としての実績しかなかった息子が現職に適うはずもなく落選している。

地元の有権者の間では、二階家の求心力が下がって来ていることを示すものとされている。

なおこの市長選では、当時自民党の政調会長だった稲田朋美や小泉進次郎らが俊樹候補の応援演説に入っていたが、それでも敗れたということは有権者の目がそれだけ肥えて来ている表れなのかも知れない。有名人の人気にあやかる手法はもはや時代遅れなのかも知れない。

そして、政界の実力者だからと言ってその息子の器量を問わず選挙に勝利していた時代も終わったということができるのかも知れない。



似たようなことが九州の福岡で起きている。

今年6月21日に十二指腸潰瘍で死去した鳩山邦夫衆議院議員の補欠選挙が福岡6区でおこなわれる。その告示が10月11日だったのだが、鳩山邦夫の次男にして大川市長や法務大臣政務秘書官などを務めた二郎が衆院選に立候補予定となった。

ところが自民党福岡県連では「福岡県政のドン」と呼ばれる蔵内県連会長(62)の長男・謙(37)を立てて公認候補とすべく、鳩山をけん制していた。

蔵内は当選8回のベテランで、昨年県連会長になるまで12年間県議団会長を務めるなどの権勢をふるっていた。つまり麻生副総理とも浅からぬ関係にあるわけだ。

ところが告示日の前日に東京都知事である小池百合子が鳩山二郎の応援に駆け付けたので大混乱におちいった。

小池と言えば「都議会のドン」と呼ばれる内田茂都議を相手に大立ち回りを演じて見せて、都民ばかりか国民からの圧倒的な支持をつかんだ人物だ。いまこの人物を敵に回すのは得策ではないと判断した「福岡県政のドン」は、県連会長の座を辞任すると表明したのである。

東京の内田の問題はこれからであって、様々な背任が明らかにされれば刑事責任も問われる可能性がある。その次には急成長を続ける福岡県政での裏が司直の手によって暴かれるようなことにでもなれば、混乱は避けられない。そしてその導火線に火を点けかねないのが小池百合子というわけだ。

まさに小池は台風の目であり、和歌山の市長選挙がそうだったように自分の息子に跡を継がせようとする前時代的な感覚の政治屋が全国にはびこっているという何よりの話なのである。

なぜ蔵内は辞任するのか。小池が敵方の応援に来てから後に辞任すれば「小池によって追い落とされた」と指摘されるからだ。

小池は政治塾を開く構想を持っており、自民党の古い体質にメスを入れようとしている。そして、二階のように小沢一郎と行動を共にしたことがあって、政治の世界の裏も表も知り尽くしている。黒子に徹して利権だけを延々と吸い続ける「ドン」の弱みもまた知り尽くしていると言えるだろう。

東京都の財政は他の自治体とは桁がちがうとされているが、福岡の県政は東アジアを商圏にしていてあなどれない。そこに県民がはかり知ることができないような巨大な利権が渦巻いているはずであり、暴力団などといった裏社会もへばりついているはずなのである。



さて、福岡6区の有権者は、和歌山御坊市長選挙のような判断ができるだろうか。このことは鳩山二郎がどうだ蔵内謙がこうだと言う以前の話として、福岡6区の有権者の民度が問われる選挙だと言えるのかも知れない。

まぁ、いずれにしても蓮舫民進党の出る幕はなさそうだが。




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