ボンベイ・サファイア

となりのせがれがやって来た。

バイトの給料が入ったので「おじさん、これやるよ」。

手渡されたのは、洋酒のビンが入った手提げ袋だ。

中身を見たら、さわやかな青いボトルが入っている。

「これ、おいらの好物じゃねぇか」

イギリスがインドを植民地支配していた頃に生まれたジンのブランドだ。そんなに高額な酒ではないが一級品としてファンは多い。「よく知ってたな」。

ジン特有の苦臭さが抑えられていて、飲み口が上品な酒だ。

「酒屋で電話したらおばさんが出たのさ。そんで、おじさんの好きな酒は何かと聞いたんだ。店の人が『未成年者には売れないんだよ』と言うからおばさんが代わって説明してくれた」

なるほど、女房どのは気を使ってあまり高価な酒を教えなかったらしい。たぶん千円台で手に入る。

せっかくバイトの給料が入ったんだから、自分の好きな物に遣えば良いのにといじらしくなった。

お礼かたがた奥さんに電話したら「頭を金髪に染めてた頃を考えると、夢のようです」と鼻声になっていた。母親にはスカーフを買って帰ったらしい。まだ暑いのに・・・





専門学校の新学期が始まる。

夏も終わるのか、せっかく美味いジンが入ったのに・・・






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