政治家の蹉跌

蹉跌(さてつ)という言葉がある。「事が見込みと違ってうまく進まない(失敗の)状態になること」という説明がみつかる。

蹉とは「つまずく」という意味であり、跌とは「転ぶ」という意味らしい。

これだけを見ると非常にネガティブな言葉なのだが、竹の節のように蹉跌によって強くてしなやかな生き方ができるといった反面もある。

逆に失敗の経験が乏しい人ほど、実は「もろさ」を内在している場合が少なくない。




あまり説教臭い話にしたくないので本論へ移ろう。

ここに安倍晋三という人物と麻生太郎という人物がいる。

安倍晋三は小泉内閣から引き継いで内閣総理大臣を務めたが、(表向きは)健康上の理由で総理大臣職を手離した。

一方の麻生太郎もまた内閣総理大臣を務めたが、リーマンショックの荒波に呑まれて総理大臣職どころか政権与党の座まで失う羽目になった。この時の野党転落によって、泥船から逃げ出すネズミよろしく舛添をはじめとする裏切者が続出した。

この二人が現在は総理と副総理である。

すなわち仲間づらする揉み手擦り手の有象無象の正体を知り抜いた二人である。代議士なんて結局は地元の県連から来ている人物で、大臣とか政務官とかの経歴が付けば、引退後も地元で大きな顔ができる。うまくゆけば息子や娘に地盤を譲ることもできる。仕事ができるできないはともかく、経歴だけは是が非でも欲しい。政治屋なんてそんなものだ。(和歌山の二階のせがれはどうなっただろう)

それは外交においても言える話であって、日本に良い顔をする国とそうでない国があり、したたかな計算の裏の裏まで二人は知り抜いている。

だからアメリカとの同盟関係を維持しても、不必要には踏み込もうとしない。逆にロシアとの関係は(もう少し改善しても良いのではないか)といった思考も出て来ている。

ただし、経済危機がささやかれている中国と韓国には二人は手厳しい。

安倍総理はまだ、日中韓首脳会談などといった総合的な対処を示しているが、一方の麻生副総理は財務大臣も兼務していて通貨スワップの再開を打診して来ている韓国財界にはにべもない。

「ハナも引っかけない」とはこのことだ。

二人とも他者とは比較にならないほどの「蹉跌」を味わった。

その上で復活を遂げた以上は簡単には音を上げない。

そのことは自民党の議員は知り尽くしているはずであって、通り一遍の腹芸はこの二人には通用しない。

しかし一方では安保関連法の成立に見られるように、どんどん追い詰められた勢力が断末魔のあがきを示し始めていて、これまでだったら考えられないような手段を使って来たりする。

国会内で飛び込みを試みる議員がいたり、天皇陛下の譲位をネタ元も明かさぬままNHKが報道したりしている。

明らかな異常事態であり、この国を混乱せしめたい団体があることは明白なのだが、中枢の総理と副総理が頑として立ちはだかっている。

なぜ彼らはそこまで強いのかというと、竹に節があるからだ。

ただし、つまずき転んだ人がすべて強いわけではない。それなりの素養を身に付けておかなければならない。

その意味では、非常に教育的に良い政権になっているような気がする。




だんだんこの国が変わろうとしている。インターネットの普及によって、新聞テレビに頼らない「本当のこと」が見え始めている。

むかし吉田拓郎が歌っていた歌詞を思い出した。

「古い船をいま動かせるのは、古い水夫じゃないだろう」




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