TPP交渉とツマアカスズメバチ

中国原産の「ツマアカスズメバチ」が、韓国や欧州で人的被害や生態系への影響という大きな問題になっていることを日本のメディアはほとんど報じて来なかった。
非常に攻撃的で、刺された人が死亡する例も報告されている。また肉食性であるためにその餌となるミツバチなどの在来種を減少させているのが実態だ。
2004年ころにフランス南部で確認されて以来、急速に分布域が拡大。ミツバチの減少によって穀物や野菜・果物などの生産に深刻な影響を与えている。
このスズメバチは2003年ころから韓国でも確認されており、農村部だけではなく都市部にも広がりを見せている。

この害虫が2014年3月、長崎県の対馬で確認された。
対馬には韓国間に定期航路があり、それらの船に紛れ込んで渡って来たのではないかと見られている。
九州大学の上野准教授は「本土に侵入したら分布域が急拡大する可能性が高いことから、早めの駆除対策が必要だ」と述べているが、高い木の上や崖の上などに営巣することが多い現状では駆除が困難になる場合が予想される。
対馬ではすでに養蜂用のニホンミツバチが捕食されていることも確認されている。

世界的な農産物の減収の原因にミツバチの急速な減少が挙げられているが、この「ツマアカスズメバチ」が理由のひとつとされている。
植物の受粉を助ける働きをしているミツバチが世界規模で減少している現状では、食糧不足の可能性が指摘されている。

それとは別に、交渉が進められている環太平洋パートナーシップいわゆるTPPだが、この条約が成立した場合、日本国内で「遺伝子組み換えではない」という表示ができなくなる可能性が高い。
世界各国にまたがって数社のバイオケミカル企業があるが、その中でも最大なのがアメリカのモンサントである。
この会社、ベトナム戦争時に「枯葉剤」と称してダイオキシンを大量に生産し米軍に納品するなどの札付きの歴史を持っている。
まさかアメリカが敗北するとは思わなかった米軍は世界各国の駐留米軍基地に大量の「枯葉剤」を備蓄したが、米ソ冷戦の終結と同時に国防予算の削減に迫られた国防省は海外の基地を次々と返還して行った。
その際、基地内に保管していた「枯葉剤」はドラム缶に詰めて地中に投機された。
だから返還後の米軍基地からは膨大な量のダイオキシンが掘り出されている。
恐らくは普天間基地でも同じことが起こるだろうと言われている。

だが、本題は「枯葉剤」のことではない。
「枯葉剤」を製造して莫大なアメリカ国民の税金を着服したモンサントのことである。
このモンサント。除草剤としてラウンドアップという農薬を製造した。
これを使えばすべての植物を枯らすことができる。まさに「枯葉剤」だ。
しかし、このラウンドアップの環境下でも生育できる細菌が見つかった。
早速その細菌の遺伝子情報を解析し、ラウンドアップの毒性に耐えられる部分のDNAを抽出した。
そのDNAを大豆やトウモロコシや菜種(キャノーラ)などの農産物の遺伝子に組み込んだ。
するとラウンドアップ耐性作物だけが畑で生き残るようになった。

それだけではない、作物の敵は雑草だけではなく害虫の対策も考えなければならない。
そこで、昆虫に致死的被害を及ぼす土壌細菌を選び出して、その細菌の遺伝子から昆虫に対する毒性の部分だけをDNAとして抽出し、作物の遺伝子に注入した。
すると除草剤にも強く、害虫も寄せ付けないパーフェクトな種を生み出すことができた。

モンサントは考えた。
いくらパーフェクトな種を作っても、それらの作物から得られた種を来季用に保存されたのでは商売にならない。いっそ種が発芽できないように遺伝子加工をしてしまえば、永久にモンサントの種が売れることになる。
だから子孫を作れない麦をいくら生産しても、来年の種はまた買わなければならない。
そこまでは資本主義の考え方だった。
ところが自然科学の面で言えば、この遺伝子は「自殺種」と呼ばれて危険視された。
つまりこういうことだ。
広大なトウモロコシ畑があったとして、そこで生産されるのはラウンドアップの耐性と害虫への毒性と発芽機能を奪われた品種だったとする。
その畑から、一定の季節が来ると一斉に花粉が飛ぶ。
その花粉には様々な人為的加がなされた遺伝子情報が詰め込まれている。
その花粉は畑の外のあらゆる植物に付着する。
何年かするうちに、農産物とは無関係な自然の植物も発芽機能を失い始める。
子孫が残せないのだから、世界的な砂漠化が始まる。
それと同時に昆虫の激減が始まる。

TPP交渉と冒頭の「ツマアカスズメバチ」は一見すると無関係のように見える。
しかし人類が世界規模の食糧難に近づきつつあるという意味で言えば、根っこの部分は同じところから出ているということがわかる。
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