あしたプロがいない

孤児を扱ったあやしいドラマを作ったプロデューサーがスポンサーから嫌われたことがあったが、素浪人は絶好調である。

なぜ世界中の消費者が中国製品を嫌うのか。危険な成分の材料を次々と使って利益をあげようとするからだ。残留農薬にせよ、偽装材料にせよ、安全基準の無視にせよ。古タイヤで作ったタピオカなるものまで登場した。
なぜこうも中国人が作る物には偽物が続くのか。
それは中国の製造現場にプロがいないからである。

かつて毛沢東が大失敗をやった大躍進政策によって、中国の工業と農業は壊滅的な被害を受けた。
第二次世界大戦の終結後に蒋介石率いる国民党を駆逐した毛沢東は、ソ連の後に続こうとして米英の産業力を追い抜くために人民に過度のノルマを強いた。

しかし基礎的な工業の教育も受けておらず、近代農業の知識もない人民が何をやったか。

まず鉄鋼産業だが、原始的な溶鉱炉しかなく金属工学の知識を持った人材も不足する中で、製鉄の大増産という厳しいノルマがのしかかった。
燃料や原材料を運ぶ鉄道などのインフラ整備さえままならない状態で、木炭を主な燃料にしていた人民は山林の木々を大量に伐採しなければならなかった。

また石炭からコークスを得る必要がある場合も、コークス炉を設備していない中国は地上でそのまま石炭を焼くという方法をとったことから必要以上の石炭消費と大気汚染を引き起こした。つまり識者もいなければ設備もない状態で、ただ中央政府からの重いノルマが一方的にかけられたのである。

これは鉄鋼業に限った話であって、同様の失策が各方面でおこなわれた。医薬品でも、建材業界でも、食品業界でも、衣料業界でも。
これらと同じことは農業も同様だった。
とにかく生産量を増やせという命令で、近代農法も知らない人民が害虫・害鳥獣の一斉駆除と密集作付けをやったことから、予想もしなかった生態系の狂いと連作障害を引き起こしてしまった。
さらに鉄鋼製品の増産のために、農具や鍋釜などを拠出させたことから、農産物の生産能力は逆に低下した。

つまり毛沢東は、近代化するプロセスで必要になる教育というものを省いて、目先の果実だけを得ようとした。
これが大失敗に終わり、戦後中国の経済は大混乱に陥り、3~5000万人もの餓死者を出してしまった。
この「大躍進政策の失敗」と「文化大革命の失敗」を混同している人が少なくないが、どちらも毛沢東がやらかした失策ではあるものの個別の事件である。

つまり中国共産党は人民にプロ教育を施して来ていない。
中国人が先祖を通して知っていることは二つ、商売と原始的な農業だ。
「農民工」と呼ばれる地方の農村出身者は、適切な教育も受けないまま、ただ労働力があるというだけで都市部へやって来る。そして商売人のもとで単純労働を提供する。混ぜる者は混ぜるだけ。運ぶ者は一日中運ぶだけ。それが何になってゆくのかなど誰も知らないし知る必要もない。

中国は毛沢東の時代も現在も、本質的に何も変わっていない。
人民の労働力は無限であり、量が無限である限り質を引き上げる必要はない、と考えている。つまり教育はほったらかされていて、道徳とか常識とか人間性とかマナーとかを中国人に求めることが基本的にまちがいなのである。
何千年の歴史があるかは知らないが、人民が適切な教育を受けた歴史は一度たりともない。
今さらディズニーランドの花壇でウンコをするなと言う方が無茶なのだ。

プロが育っていないのが中国であり、育てる必要もなかったのだ。
幼児向けの玩具に鉛などの危険物質を使ったり、下水から回収した油を精製して食用油を作ったり、メチルアルコールで酒を作ったり、とにかく出鱈目なことしかしないのは、適切な教育がおこなわれていないことと、急速な経済発展によって拝金主義が過剰なまでに高まったことが原因している。

似たような状況にあるのは韓国も同じで、朝鮮戦争が休戦になった後から急速な経済発展を遂げたが、ここでも正しい教育を受けていない技術者らが欠陥品ばかりを造り続けた。いまだにロケットを飛ばせないのだから、北朝鮮との技術格差は開く一方だ。



ただ、笑ってばかりもいられないのが我が日本である。

あちこちの建設現場でクレーンが倒れ、トレーラーは横転し長距離バスは事故を起こす。電車はベビーカーを引きずり、医者は患者を死なせ、教員は生徒を自殺させ、介護士は入所者を投げ落とし、産廃業者はゴミになった加工食品を横流しする。
ソーラーパネルを屋根の上に取り付けてもらったところ雨漏りし始める。
シロアリ業者に見積もりを頼んだところ鉄骨住宅なのに「深刻な被害」と言われ、分譲マンションを買ったらドアが閉まらなくなり、自動車の燃費が偽装され、政治家はネットオークションに夢中になる。

ほら、どんどん中国に似て来ているではないか。
まず学歴社会から実力社会に脱皮する必要がある。
あいさつもできない大卒者を採用するくらいなら、即戦力の派遣社員が何倍もマシだということになって来る。
そしてこのことは霞が関の切実な問題になりつつある。試験勉強だけで官僚になった人材が、外交や財務などの政策に関わって来ると、国家的な危険を招く恐れさえも出てくることになる。

ほら、あの国この国から、どんどんプロが減っている。



皆さん、ご機嫌よう。







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