個人情報という商品

私は男女共学の高校を出た。

その卒業アルバムの付録のようにして卒業生および教員全員の住所録が印刷された。

今でこそ考えられないことだが、住所だけではなく電話番号から生年月日まで載っていた。

その後私は進学したのだったが、夏休みの際に帰省し同じクラブだった女子に会う機会があった。

すると彼女は「男子のところには来ない?」と聞くので「何だそりゃ」と返事した。

話はこうだ。

成人式を控えた19歳の女子生徒の自宅に、振袖のダイレクトメールが山のように来るのだとか。

私は実家を離れていたから気付かなかったが、紳士服の専門店からスーツの広告が送り付けられていたのかも知れない。

「どうしてわかったのかな」と私が言うと「卒業アルバムだと思う。名簿屋とかいう商売があって、高くで売られてるそうだよ。生年月日まで載せるかなー、えらい迷惑なんだけど」。

それを聞いてから、自宅に戻った私は母に聞いてみた。

「誰かオレのこと訪ねて来んやった?」

すると返事はこうだった。

「いっぱい電話が来たばい。同窓会がどうだのこうだのと言ってお前の連絡先を教えろ、だってさ」

「知らねぇぞそんなの、教えたとや」

「断る理由がないだろう、教えたさもちろん」

住所はおろか大家さんの電話番号までしっかりと。

その時、母にはしっかりと釘をさしたから、就職先までは口外しないようになったが、恐ろしい世の中になったもんだと思った。

振り込め詐欺とかで高齢者が騙されているらしいが、どうやって社会人の息子がいることをピンポイントに知るんだろうと不思議に思っていたが、そっち方面のデータも売買されているのだろう。昨今は熊本で家が半壊したお宅にリフォーム業者を装った詐欺が来るのだとか。どうやって知るの?

むかし近所のビデオレンタル店で会員になる際に免許証のコピーを取られたが、その店は数か月でつぶれた。私の免許証のコピーがどうなったのかは知りようがない。

最近の病院の入院病棟では、部屋の入口に名前を書いて良いかと聞いて来る。面会時間は無関係な人間も出入りが自由だから。




日本マクドナルドの凋落の原因を作った原田なにがしが、進研ゼミで個人情報を大量に流出させた挙句にベネッセホールディングスの代表取締役会長職を6月25日付で退任すると発表した。

どこかの知事じゃないけれど、辞めれば済むという話ではないのだが。







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