心房中隔欠損症

あのね、あまり不要な不安を煽るつもりはないのだけれど、ちょっと気になる記事に出会ってしまった。

ソース:ハフィントンポスト(韓国語)「奇形児出産がますます増える理由は?」と題する 2016/05/08 の記事から。(主要部分を抜粋)

「我が国の奇形児出産が100人中5.5人の割合に達するほど増加しているという分析が出た。」

「2009~2010年の国内7大都市で生まれた先天性奇形児は人口1万人当たり548.3人(男306.8人、女241.5人)と集計された。新生児100人を基準とすれば約5.5人が奇形を持って生まれるわけだ。これは16年前の1993~1994年に生まれた奇形児が100人当り3.7人(1万人当たり368.3人)にすぎなかったことと比較すれば大きく増えた数値だ。」

「先天性奇形を種類別に見れば心臓異常などの循環器系疾患が1万人当たり180.8人で最も多かった。次に泌尿生殖器疾患(130.1人)、筋骨格界異常(105.7人)、消化器系異常(24.7人)、中枢神経系異常(15.6人)等の順だった。」

「研究チームは心房中格(管理人注:中隔の誤り)欠損症、心室中格欠損症、動脈管開存症などの先天性心臓奇形が大幅に増加したことについて、心臓超音波など診断技術の発展と共に交通関連の大気汚染も影響を及ぼした可能性があると推定した。」

この記事が2ちゃんねるに取り上げられると、相も変わらず朝鮮族を誹謗中傷する書き込みが集中したのだが、私は別のことに思い至っていた。

「心房中隔欠損症」という言葉で思い出したのは「チェルノブイリ・ハート」だった。




韓国紙ハンギョレ日本語版が、2016年3月10日に「韓国古里原発の放射性物質排出量は世界最多」という見出しで以下のように報じた。

「韓国の市民団体「環境運動連合」と、野党・国民の党の崔元植(チェ・ウォンシク)議員が、国連科学委員会(UNSCEAR)が国連総会に提出した「2000年放射能被爆報告書」と、韓国の電力事業者「韓国水力原子力」から受け取った資料「古里原子力発電所放射性廃棄物排出放射能量」を分析した結果」

「90年からの8年間に、世界で稼働していた原発430余機が対象で、古里原発1~4号機から排出されたヨウ素131の量は29・6254ギガベクレルだった。2番目に多かった米ジョージア州のハッチ原発の1~2号機が19・91ギガベクレルで、3番目というウクライナのダンジネス原発1~2号機が13・608ギガベクレル。日本の原発では、小数点以下6位までまったく排出されなかったと記事にはあるから、その突出ぶりには驚くしかない。」

「ヨード131が小数点以下6位まで全く排出されなかった日本の22機などに較べて2962万倍も多かった。 古里原子力発電所1~4号機を別にすれば、ヨード131を1ギガベクレル以上排出した原発は、蔚珍(ウルチン)1~2号機など58基あった。」

「年度別に見れば、1992年古里原子力発電所1~4号機のヨード131排出量は、世界で最も多い16ギガベクレルだった。 小数点以下6桁まで排出されなかったドイツの原子力発電所4機などに比べれば1600万倍多い。 同じ年に世界で1ギガベクレル以上排出した原子力発電所は21基あった。1993年にも古里原子力発電所1~4号機は世界で最も多い13.2ギガベクレルを排出した。 2位は米国のハッチ1~2号機で9.25ギガベクレルだった。 3位はウクライナのダンジネス1~2号機で6ギガベクレルだった。同じ年に小数点以下6桁まで排出されなかった原子力発電所に比べて古里原子力発電所1~4号機の排出量は1320万倍も多かった。




では「チェルノブイリ・ハート」とは何だったかを振り返ってみたい。

これは2011年8月に日本でも劇場公開されたドキュメンタリー映画のタイトルで、作品の宣伝文句が以下の通りだ。

「チェルノブイリ・ハートとは、“穴のあいた心臓”、“生まれつき重度の疾患を持つ子供”の意味である。ベラルーシでは現在でも、新生児の85%が何らかの障害を持っている。1986年4月26日、旧ソビエト連邦(現ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉が爆発事故を起こし、放射性降下物はウクライナ、ベラルーシ、ロシアを汚染した。2002年、ベラルーシ共和国。原発から半径30キロ以内の居住は禁止されている。さらに北東350キロ以内に、局所的な高濃度汚染地域“ホット・ゾーン”が約100ヶ所も点在している。ホット・ゾーンでの農業や畜産業は、全面的に禁止されている。そんななか、ホット・ゾーンの村に住み続ける住民、放射線治療の現場、小児病棟、乳児院の実態に迫る。」

2003年のアメリカ映画で、監督はマリアン・デレオ、2004年の第76回アカデミー賞を受賞している。

だからと言って私は、この「作品」の内容がすべて真実とは断定できない。なぜならば、私はその場に立ち会っていないから。

同様の意味で言えば、完全否定することもまたできない。

ただし、ナガサキ被爆者の健康調査を続けていた長崎放射線影響研究所(元ABCC)に関係する人物が原発事故に遭った福島に出向き、「健康被害はありません、自然放射能のレベルです」とやらかしたものだから、どうも科学者は政治的な言動をしかねないぞと危機感を覚えていた。

時の官房長官だった枝野も繰り返し言っていた。「すぐには健康に影響はありません」。

逆なんだ。

わずかでも危険性があったならば「0.0数%ですが、このような障害が起こる危険性は否定できません」と言っておいたら民衆から信用されていたかも知れない。

それを「危険性はゼロです」と言ったのでは、目隠しして駅まで歩けと言われたようなもの。とてもじゃないが信用できない。




福島原発事故のことを「もう5年も過ぎた」と言う人がいるが、科学の何たるかがまったく理解できていない。放射性物質にとっての5年など「もう」ではなく「まだ」なのだ。

津波災害にせよ原発事故にせよ「もう」などと政治家やマスコミが言ってはダメだ。

これから予想もしなかったような疾病が出始めても、何も不思議ではない環境に我々は身を置いている。

5年分の雨や雪が、放射性物質を川へ運びそして東京湾に集めているだろう。葛西臨海公園で子供さんを遊ばせて、本当に大丈夫ですか?

自己責任で行きましょう。




だから「チェルノブイリ・ハート」(心房中隔欠損症)という先天性障害が韓国で起きても全否定はできないだろうな、と思っていた。

東京電力福島第一原発事故が放出した放射性物質がどうだとかこうだとか、科学データは持ち合わせていない。だから福島の事故と「チェルノブイリ・ハート」を直線で結びつけるつもりは毛頭ない。

ただ、今回の韓国における奇形児出産の急増がひっかかるのだ。

首都ソウルの道路に使われたアスファルトから高濃度のセシウム137が検出されて大騒ぎになったのは2011年の11月だった。

これは同年3月の福島第一の原発事故を受けて危機感を持ったソウルの住民が計測したことから明るみに出たものだった。

ソウル市は緊急のアスファルト撤去を作業し、専門家も「住民の安全に問題はない」と発表したものの、その後甲状腺がんを発症する市民が急増している。(人口比率世界一)

しかし撤去されたはずのアスファルトがどこへ運ばれたのか・・・




台湾にしてもそうなんだが、工業化を進めようとするとどうしても安定電力が必要になるために原子力発電を増やさなければならなくなる。

原子炉構造そのものは近代化するごとに安全性は高くなるかも知れない。

しかし人類はまだ、使用済み核燃料の無害化を実現していない。原発が増えるということそのものが危険性につながらなくても、使用済み燃料は確実に積みあがるのだ。

朝鮮半島の南東に位置する古里原発が、日本のどこに向いているか知っておこう。偏西風も吹いていることだし・・・




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