危ない会社

三菱自動車が燃費データをごまかしていた問題が表面化していて、『三菱グループの末っ子がまたも問題を作った』として叩かれている。

過去に死亡事故をともなう欠陥部品をユーザーの整備不良に原因があるとしてリコール逃れをした前科二犯があるだけに、今回の日産自動車を巻き込んだ問題は多少の対応では済みそうにない。

三菱重工や三菱東京UFJ銀行などがいかに強力にバックアップしても、資金力で技術が買えるわけではないからだ。

トップスリーであるスズキとダイハツとホンダの後を追おうとして、テストでカンニングしたことが仲間である日産から漏れてしまった。

新車販売だけではなく、下取り価格にも影響するために中古車市場への影響は避けることができないだろう。

もともとこのメーカーの製品は、新車に限って評価されていた面があって、中古車になれば二束三文だと言われていた。少し古くなっただけで、あちこちの部品に寿命が来ると指摘されていたからだ。

「世界に冠たる三菱に限ってソレはないだろう」と思われるかも知れない。それは三菱重工と三菱自動車を混同しているためだ。

そして三菱自動車販売のセールスマンは、三菱重工のリストラによる従業員の増減の受け皿にされていた。つまり、去年まで造船所で溶接をやっていたようなお父さんが、ネクタイを締めて「コロナはいかがですか」とやっているのだ。そういった労働組合が民進党の支持母体にもなっている。

そのおかげで三菱重工はうまく社員整理ができて来たものの、三菱自動車は一向に売れない。売れなくても経営陣に差し迫った危機感はない。UFJが資金供給をするからだ。

ただ、今回の燃費データのごまかしはOEM供給している日産自動車にまで及んでいることから、簡単に終わることはないだろう。

下手すればバス・トラック部門だけ残して乗用車生産から撤退することもありうるかもしれない。かつてのいすゞがそうだったように。

ところが、気を付けなければならないことがある。三菱自動車はプラグイン・ハイブリッドの技術開発を進めていた。

水素燃料などの燃料電池車とは違った家庭電源による充電だ。

そもそも水素燃料にしてもプラグインにしても、どこかの時点で大量のエネルギー消費を伴うので、マクロで見ればエコロジーではないのだがそこに「原発再稼働」の前提があるのかも知れない。

まだ、ホンダの低燃費性能やマツダのスカイアクティブ技術の方が正道だろうとは思うのだが、それはそれ、今回はそっちには進まない。




三菱自動車の乗用車部門が売りに出されたとして、買い付けに来るのはどこだろう。

シャープを買収した台湾のホンハイか? そうではない。

すでに三菱自動車は2010年に中国の広州汽車集団と合弁事業を締結している。合弁会社は2011年6月に設立されて手始めの製品としてSUVの開発を目指している。

出資比率は広州汽車集団が29%、長豊集団が約22%、三菱自動車が約14.6%、その他だ。

中国は2010年前後に、アメリカGMのハマーブランドを買収すべく騰中重工が動いていたが途中で契約が白紙撤回された経緯がある。

三菱も陸上自衛隊に4輪駆動車を納入するなどの技術を持っているが、電気自動車技術の方が付加価値は大きいだろう。

その技術的資産は、経営陣の無策によって中国へ流出しようとしている。

本来であれば「技術は開発するのではなく、買ったり盗んだりするものである」という信条の韓国が欲しい技術なのかも知れないが、蓄電技術は盗んだだけで完成するものではない。

だいいち、今の現代自動車の技術者がどんどん中国によってヘッドハンティングされている。今後数十年は韓国の生産業は衰退の一歩をたどるしか道はない。

だから自動的に三菱自動車の乗用車部門は中国に流れ出す可能性(危険性?)が相当に高い。

まぁ、韓国の現代自動車が三菱をベースに発展したように、中国の広州汽車集団が三菱車をベースにした製品を開発しても日本車の脅威になる見込みはゼロに近いだろう。

ただし、新興国への売り込みという部門ではかなり手ごわい相手になるだろうことは事実だし、電気自動車の普及を加速させるために中国は原油価格の高騰を画策するかも知れない。

イギリスへの原発輸出がその後どうなったかは知らないが、電気自動車と原発建設がセットになる可能性も高い。

今回の三菱自動車のスキャンダルが、中国の今後の中長期的戦略に深く関わる可能性はあるだろう。

まさか傾いた東芝まで抱き込むようなことにはなるまいな・・・・




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