火事場泥棒

自然災害によって避難勧告などが発表され、体育館をはじめとする避難所へ地元の人々が集まって来る光景は、次第に増えて来ているような気がする。

記憶に残る災害を指折り数えてみよう。



1991年6月:雲仙普賢岳の火砕流災害

1995年1月:阪神・淡路大震災

2000年3月:北海道洞爺湖有珠山噴火

2000年8月:三宅島噴火災害

2007年7月:新潟県中越沖地震

2011年3月:東日本大震災

2016年4月:熊本大地震



もちろんこれらの間でも様々な災害は起きているけれど、噴火や地震というものはいつ収まるのか誰にも分らないという不安がある。

上記の時系列をながめると、約5年に1度は何がしかの大きな災害が起こっていることがわかる。

雲仙の火砕流災害のあと、梅雨に入って長雨が降り、土石流が発生した。火砕流の流域にあたる地域は避難命令がだされていたので無人になっていて、それらの二階建て家屋の二階のベランダまで土砂に埋まった。

住民らは全員、周囲の避難所に移動していたのだが、ここへやって来たのが空き巣だった。

そもそも火砕流災害で命を落とした人の中には消防団員が少なくなかったが、彼ら団員は何のために危険地域に出向いたのか。

取材に来ていた報道陣の記者が、無人になった家屋へ勝手に入り込んで充電などのための電気を使っていたのだという。電話も勝手に使っていたらしく、通話記録によってどこの記者なのかは特定されたが本人が焼死したことから大きく取り上げられることはなかった。

それで防犯上の警備のために消防団が同行するようになり火砕流に巻き込まれた。

「住民避難」と「空き巣」はセットになっている。

日本人は秩序正しいといった評価がされているが、実際には全国各地の被災地でこうしたことが起こっている。在日だ中国人だと言いたくなる気持ちはわからなくもない。しかし雲仙普賢岳の場合はれっきとした報道陣がやらかしたことだったのである。

だいたい現場で取材をする下請け孫請けのプロダクションのスタッフは、他社を出し抜く使命を帯びていて、平時から乱暴で違法なことを平気でやる。周囲から白い目で見られようが嫌われようが「撮った者勝ち」という世界なのだ。




体育館などの避難所では避難者各自が貴重品を持ち込んでいるために管理が大変になる。現金はもとより、貴金属や有価証券、権利証や預金通帳などだ。

仮に小さな子供や老人などを連れていた場合には、持ち物の管理までするのはきわめて困難になる。

そこで避難する人々が一斉に殺到するのが銀行の貸金庫だ。

貸金庫と言うと、何か大きな銀行でなければ設備されていないように思われるが、実は日常利用している小さな銀行や信用金庫などでも貸金庫はある。

それぞれの協会ごとに基準があって鉄筋コンクリートの厚さが決められており材質も細かく決められている。銀行店舗が倒壊したり焼け落ちたりしても金庫室は最後まで残るように規定されている。

現に阪神・淡路の震災時にも銀行店舗は倒壊したが、金庫室がつぶれたところは一つもなかった。

だから銀行店舗建築の経験がない設計事務所や工務店などは、知識が間に合わない。防盗性能とともに耐火性能を確保しなければならないからだ。コンクリートは水分を含んでいて、それが火災時の庫内の温度上昇を緩やかにする。だから乾式工法での金庫室は造られないのだ。(「5年保管の書類庫は壁厚何cm」と決められているのは壁が持つ水分量による。ただし火災時にはコンクリート中の高アルカリが放出されるために、人的避難は危険だ)

金庫室とはそのコンクリートの箱の出入り口に金庫扉を付け、扉が開かなくなった場合の鍵付きマンホールを設置して出来上がる。(このマンホールは人が閉じ込められた場合の空気穴・ベンチレーターの役目も持っている)

その金庫室の中に、スチール家具のような材質の「簡易型貸金庫」を設置すれば良い。これは引き出しのひとつひとつに鍵がかかっているキャビネットのようなものだ。

ほとんどの銀行支店には置いてあり増設も簡単だ。

ただし金庫室のスペースは限られているために、その店舗の上客をメインとして貸し出されていて、一般客はあまり知らない。

上記のような自然災害によって避難を余儀なくされた人々はこの貸金庫に殺到するわけだ。

貸金庫だけを借りることはできない。年間使用料は口座から引き落とされる仕組みになっていることから、その店舗に口座を持っていることが大前提となる。

そしてただ口座を作っているだけではなく、ローンを借りたり返済したりする「優良履歴」が必要になって来る。

そうした顧客から順番に貸金庫は埋まって行き、避難所生活をするような地域の金融機関の貸金庫は例外なく空きがない状態になる。

詳しいでしょ? でも私、銀行員だったわけじゃありません。

余談だけど昨年4月に発生したロンドンでの貸金庫盗難事件。あれは壁に穴を開けて侵入してるんだけど、あんな壁の設計では保険会社は却下することになっている。ロンドンの古い基準の貸金庫だったんだよね。古い基準は危ないと思った方が良い。




日本列島にはこんなに自然災害が多いのに、どうして何千年もの歴史があるのかといった疑問が世界中から上がっているそうだが、私なりに考えた場合、災害が多すぎるからこそ余計な争いをやっているヒマがなかったのではないだろうかと思う。

団結しなければ生きて行くことができない島国だからではないだろうか。

ドロボウはやめようよ、ドロボウは。

熊本・大分の被災地には、九州各県の警察が覆面パトカーを派遣して警戒しているというから、捕まって恥をかくのがオチだ。

「市中引き回しの上、火あぶりの刑に処する。お立ちませーい!」



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