中央構造線の上に建つ原子力発電所

今回の熊本地震で熊本城の石垣が大きく崩れている様子が空撮によって報道された。

管理者である熊本市(所有者は国だが市が管理を委託されている)の担当者は『こんなことは初めてだ』と発言した。

熊本城とは加藤清正が1600年に築城したもので、つまり400年以上こんな自然災害はなかったということになる。

今回の揺れの原因は断層の『横ずれ』とされているが、これらの断層群は中央構造線に沿っている。

日本列島をはるか上空から眺めれば一目瞭然なのだが、西は天草に至っている中央構造線は九州を東西に横断して四国山脈に連なる。

中央構造線


それは愛媛県から大分県に向かってトゲのように伸びている佐田岬半島をかたちづくっているのであり、中央構造線そのものだと言うことができる。

その『トゲ』の根元にあるのが伊方町でありここには四国電力の原子力発電所がある。

伊方原発


選りにも選ってなぜこんな危険個所に原発を建てたのかと信じられない思いだが、実は計画当時は原発の安全神話というものが政官学の主導のもとに強力に推し進められていたのであって誰も異を唱える者はいなかった。

もっとも伊方町の町政が当時、交付金目当てにどのような誘致活動を展開したのかは明らかになっていない。

四国電力の本店は香川県の高松市にあり、ちょうど九州の中心地である福岡県の隣県にあたる佐賀県に九州電力が玄海原発を置いているのと同じだ。

九州電力は副総理である麻生太郎議員の後援企業であり、その関係からか鹿児島の川内原発が全国最初の再稼働を果たした。

だからなのか再稼働を求めていた佐賀県の玄海原発は、九州電力の『切羽詰まった状態』を脱したことから再稼働の機会を失った。

鹿児島川内だとか佐賀玄海などの自治体の財政問題とは別に、電力会社自身としての財務事情が関わっている。

ところが九州電力はそれで良いだろうけれど、四国電力が火の車であることに変わりはない。どうあっても伊方原発を再稼働しなければ、原油価格に一喜一憂する日々は続くのだ。

さて、九州の熊本の中央構造線沿いで巨大地震が起きてしまった今後、愛媛県や大分県が伊方原発の再稼働に反対する声は高まることはあっても減ることはありえない。

「なぜあんな場所を選んでしまったのか」と四国電力の重役たちは頭をかかえているはずだ。

まぁ身から出た錆と言えばそれまでだから、どうなさるかを眺めるばかりだ。

ただ、ここからがちょっと難しい。

九州電力との関係で、福岡選出の麻生太郎副総理の名前を出したのだが、実は安倍総理の地元である中国地方でも似たようなことが起きている。それも山口県で。

山口県の南東にある上関町とは、いろいろな意味で興味深い『熊毛郡』にある。

そっちの情報は『田布施システム』で検索してもらいたい。

中国電力は2005年から上関町の原子力発電所建設予定地で実測調査をおこない2010年には埋め立て工事に着手したが、地元を二分する反対運動によって延期を繰り返している。

この上関町の建設予定地の(瀬戸内海を挟んだ)対岸が、前記の愛媛県の伊方原発なのだ。

上関原発予定地


この両方の地区の間にある瀬戸内海の海底を巨大断層が走っているという学説(数十メートルの海底ガケが確認された)があり、「危険すぎる」という意見の根拠になっている。

しかも広島県の呉には海上自衛隊の基地があり、そこには潜水艦隊群の基地もある。だから海底の地形を詳細に把握しているのが海上自衛隊なのだ。海底断層があるかないかは自衛隊がいちばん知っているはずなのだ。

つまりこういうことだ。

原子力行政という問題は純粋な産業計画とは別に、補助金や建設費といった地元自治体との財政的取り引きがあったのであって、無駄な体育館やコンサートホールなどといった土建屋のビジネスにもつながっている。それが自民党や民進党などの利権になっていて、その先でしか自衛隊は動けない。

それは沖縄の海洋博覧会で建設された人工島の「アクアポリス」と同じカラクリになっていて、政治と民間利権が結びついた結果だ。そしてその先に原発が成り立っている。

これらの「原発スケベ村」が、熊本地震によってブレーキを掛けられるのは決定的であり、純粋に安全配慮が求められる時代に移ったと言えるだろう。

現に熊本の地震は、16日未明において大分県を激しく揺らし、被害は北東に拡大しつつあることがわかっている。じわじわと伊方に近づいているわけだ。四国電力が伊方原発の再稼働に積極的に動いていたことは言うまでもない。

私は別に原発反対論者ではない。本当に必要であり、改良型の安全設計であるならば、補助金などなくても原発建設はできるだろうと言っているだけだ。

ちがうかな? 四国中国両電力会社よ。

中央構造線を「舐めんなよ」。





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