「師」が「員」になった日

広島県安芸郡府中町緑ヶ丘にある、府中町立緑ヶ丘中学校(生徒数632、クラス数20)で3年男子生徒が自殺した。

これまでも全国あちこちの学校で生徒の自殺が相次いでいるが、この「事件」はあまりにも酷すぎる。

生徒が1年生だった頃、校内の別の生徒が万引き事件を起こしたことがあった。

それを教員が別の教員に「口頭で」生徒の氏名を報告し、報告を受けた教員がサーバーに誤って自殺した生徒の氏名を入力した。

教員同士の生徒指導会議の際に、そのデータをプリントアウトして配られたが、その印字が誤りであることを指摘されてその場で資料の内容を訂正された。

がしかし、サーバーに入力された元のデータは訂正されないまま放置された。

生徒が3年生になり、高校進学のために校長推薦が必要な希望校を提示したところ、1年時の非行記録があることを理由として「推薦はできない」旨を本人に伝えた。

12月に入り、「(推薦はできない旨を)両親に伝えたか」と担任教員から尋ねられた生徒は、3者面談の席に現れることなく12月8日、自宅で自殺していた。

学校は自殺の連絡を受けて万引き事件の内容を再調査した結果、別の生徒と取り違えていたことが判明。

しかし他の生徒の動揺を避ける目的で病死と説明していた。

学校側(坂元弘校長)と府中町教育委員会(高杉良知教育長)は公立高校の選抜試験終了を受けて、今年3月8日に保護者会および記者発表などをおこない事実関係を認め陳謝した。

本日(9日)午前には全校集会を開き生徒らに経緯を説明すると伝えられている。



順を追ってみた場合、万引きがあったのは2013年10月であり生徒指導会議の際に配られた印刷物に記載されている生徒名に間違いがあるのを他の教員が指摘してその場で訂正された。

しかしデータの誤入力をした教員は、他の教員から口頭で聞いた際にメモなどを取っておらず「なぜ間違えたのか覚えていない」と話している。

また、同様の事案の場合は生徒本人の反省文や保護者の意見などを記録することになっていたというが本件ではそのような記録が残されていなかった。

3年になり生徒本人の進学志望校を最初に聞いたのは担任教員(教師ではない)だった。

この者が素行記録を見るためにサーバーに残っていたデータを開いてみるとそこにあったのは1年時の万引き事件だった。

そこで自動的に「校長推薦は不可能だ」と解釈している。事実この学校では長年の習慣になっていた。

それを教室前の廊下で生徒本人に指摘するが生徒は「え?」と聞き返したので「3年の時ではなく1年の時だよ」と確認した。生徒は「はい」と答えたが、これを教員は肯定したと受け取ったという。




この場合の懲戒処分の対象者をどこまでとするかが悩ましいところだし、処分内容がどれほど重いものになるのかもこれからだ。

誤入力した者、3年時の担任、病死と発表していた学校長、いろいろとあるだろう。

誰もが自分に降りかかる火の粉を払おうと必死になるかも知れない。しかし一人の生徒の将来が終わった事実は変わらない。

「師」とは何なのかをあらためて考えてみたい。






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