電気がもつ側面

人件費は別として、あらゆる製造物の最大の製造コストは何だろう。

鉄鋼製品であれば鉄鉱石だろうか、あるいは畜産農家であれば飼料だろうか。サービス業なら何だろう。

東京電力が原発を失って計画停電に走った際、「止めたり流したりされたのでは仕事にならん」と言って操業を停止させたのは川口の鋳物工場だった。

ほとんどの製造業も似たり寄ったりだったはずだ。

製造業やサービス業のコストの多くを電気が占めている。

家庭用の照明や冷暖房などではなく、電気を使って製品を作っている業界が圧倒的に多い。

つまり日本の製造業が世界的に強いのは、電力の安定供給が大前提になっている。

停電が頻繁に起こる国で製造業が発展するはずがない。

「鉄は国家なり」と言った政治家がいたが、現代は電力こそが国家なのだ。

関西の製造業を維持するために黒部ダムが造られた。

その工事に参加したのが熊谷組だった。

福井の熊谷組は原発銀座でゼネコン大手の座を得た。ろくに働きもしない「もんじゅ」に1兆円をつぎ込んだのは中曽根科学技術庁長官だった。

日本の核エネルギーサイクルはストップしたままだ。




インドネシアが高速鉄道を欲しがっている。

安さが売りの中国が商談に勝ったが、これは中国国内の過剰在庫となった鉄鋼製品を売りさばきたいからだ。

ところが高速鉄道とは鉄だけでできているものではない。

インドネシアは韓国のポスコから騙されたばかりではないか。

ましてや停電が相次いでいるインドネシアが高速の電車を構築したところでまともに運行できるはずがない。

国家の成長には順序というものがある。

姪がインドネシアに嫁いだが、水洗トイレは流れず腸チフスやマラリアなどに続いて感染している。

いきなり高速鉄道に手を出す前に、すべき仕事があるはずだ。

同じことはインドネシアに限らず、これから発展しようとする多くの途上国に言えている。




電力の安定供給というところから入ったが、別に原発の是非を問うつもりはない。

原子力が良いか悪いかではなく、どのような運用をするかということと、廃棄物処理を政府がどのように計画しているかだ。

つまり結論を出す段階に至っていないということである。

安全神話という詐欺のような話で国民を騙していた者どもは消えてなくなれば良い。

しかし原発を否定することとは話が別だ。

現在世界的な原油安で火力発電の負担が抑えられている。

だから電力各社も、原発再稼働を言い辛くなっている。

アメリカのシェール・オイルは1バレル60ドル台でなければ採算が合わないと言われているが、中東オイルは30ドル台前半になっている。

このままでは日本の原発は再稼働する意味を失う。

電気事業連合会は次々と赤字決算を余儀なくされている。

そこに関わって来るのが中国の南シナ海進出だ。

シーレーンが不安定になれば原発を再稼働させておこうといった圧力に利用することができる。

中東が不安定になることで1バレル当たりの原価が上がれば、アメリカもシェール開発を再開することができる。

ロシアのプーチンもひと息つくことができるだろう。

中国の軍事的進出は、だれにとっても魅力的なのだ。




そういう面もあるということだけ知っておこう。




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