台所用ラップの危険性

前回の記事で、食品用ラップフィルムには多くの化学添加物が用いられている事実を書きました。

身近な話題なので、今回もこのテーマを掘り下げてみたいと思う。

この工業製品に用いられている化学物質は主に「アジピン酸エステル」「クエン酸エステル」「セバシン酸エステル」などが可塑剤として使用されているわけだが、メーカーごとにフィルムそのものの素材もまた違っている。

例えば旭化成ケミカルズが製造している「サランラップ」や、クレハ化学が製造している「NEWクレラップ」などはポリ塩化ビリニデン(PVDC)という素材でできている。

三菱樹脂の「ダイアラップ」や理研テクノスの「リケンラップ」、日立化成フィルテックの「ヒタチラップ」、信越ポリマーの「ポリマラップ」、デンカポリマーの「デンカラップ」、三井化学ファブロの「ハイラップ」、日本カーバイドの「ハイエスソフト」、などはポリ塩化ビニル(PVC)でできている。

ダウケミカルの「サランプレミアムラップ」、宇部フィルムの「ポリラップ」、シーアイ化成の「NEWローズラップ」、などはポリエチレン(PE)でできている。

つまりひと口に「食品用ラップフィルム」と言っても、素材も添加物もさまざまだということがわかる。

そして、ラップそのものを選んで買うことはできても、コンビニ弁当やスーパーの惣菜、または肉や魚などをトレーに小分けして販売する際のラッピングなどに、どのような業務用のラップが使われているかは誰も知らないし気にすることもない。

特にコンビニ弁当などの場合、よく店員が「温めますか?」と聞いて来る。「はい、そうして」と頼めばラップごと電子レンジに入れて加熱するわけだ。

ところがラップは素材ごとに耐熱温度が違う。

そして添加物(可塑剤)が食品中に溶出し人体に影響を与えるという報告があり、食品製造時の手袋の使用に制限がかけられた。

ゴム手袋から有害物質が溶け出るためだ。ところがラップについての規制はかけられなかった。




かつて大阪大学理学部の元講師だった植村氏が、市販のラップを丸めて金魚が入った水槽に投げ込んでみたところ、その金魚が死んだという発表があり大問題になったことがある。

原因は界面活性剤として配合されていた「ポリオキシノニルフェニルエーテル」が原因ではないかとされ、各メーカーは代用物質に変更したが、それが何であるかは正式に公表はしていない。

また、日本消費者連盟などの市民団体が調査したところでは、市販されている塩素系ラップから内分泌かく乱物質の疑いがある「ノニルフェノール」が検出された。

化学物質の安全性を優先しようとすればポリエチレン製が良く、その中でも「無添加ポリエチレン」が優れている。

しかしこの製品は密着力が低く、切断性も悪い。

ちなみに最近、海外取材番組が増えて来たが、外国では使い勝手の悪いラップが多いらしく、日本製の優秀さをさかんにアピールするシーンが多いようだが、ひょっとすると安全性は逆なのかも知れない。




とは言え、現代生活においてラップは必要不可欠になりつつある。

そこで、せめて自宅のキッチンだけでもラップから解放される方法はないかと考えた。

それが「シリコン・ラップ」である。

シリコンと言えばLSIなどの半導体素子を作る金属を思い出すが、あれは金属シリコンであってシリコン樹脂とは別のもの。

シリコン・ウエハなどに用いられるケイ素の結晶は silicon だが、医療品などに使われる柔らかい素材は silicone という別構造のもの。

心臓の人工弁やカテーテルなどといった医療用具にも使用されるほどその分子構造は安定しているが、100円均一などで安売りされる台所用品には中国などの後進国で製造された物も多く、2012年には台所用品や乳児用の玩具やおしゃぶりなどからホルムアルデヒドが検出される騒ぎも起きている。

台所用品で人気が出ているものにシリコン系のスパチュラや、レンジ対応の食器などがあるが、安ものに手を出すと危険な添加物が漏れ出て来ることがある。

安くても良いが、せめて作り手の顔が見える範囲で生活したいものだ。




私がかつて金融機関相手のセキュリティを担当していた時のこと。

企画開発部の上司がこんなことを言っていた。

「利便性と安全性は反比例するものだ、忘れるな」と。

さてさて、女房どのが置いて行った惣菜屋のコロッケ。このラップはどこのメーカーのものだろう。



皆さん、ご機嫌よう。






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