新幹線は幸か不幸か

高崎と金沢を結ぶ北陸新幹線が開業したのは今年(2015年)の3月だった。

2022年には金沢から敦賀までを開業させ、最終的に大阪までつなげる計画だ。

すなわち金沢は、今でこそ終着駅(新幹線として)ではあるが将来的には大阪へ通じる「通過駅」になることが決定している。

東京駅と新青森駅をむすぶ東北新幹線における仙台駅のような立ち位置になるわけだ。

もちろん終着駅とは言っても、そこから在来線に乗り換えればどこへでも行けるのであって、北陸新幹線が金沢まで届いたということが実質的な日本海沿岸部の(たとえば東尋坊だとか永平寺などの)観光地へのアクセスを良くしたことは大きな功績だと言えるだろう。

だから「通過点」になるポイントを得るということが大事なのだ。

だから東海道新幹線が博多まで届いたことによって、福岡経済は飛躍的に発展した。九州を目指そうとする人々は、博多まで行けばその後どんなルートも選べるからだ。

また、九州各地の人々も博多まで出ることによって大阪や東京への道が広がることになる。

九州の各都市が営業所もしくは出張所経済だったのに対して、福岡は支店経済を確立することができた。

新幹線を利用して街を発展させようと考えれば、「通過点」になれるかどうかが重要なポイントだと言うことができる。



ここに失敗例がある。

2004年に開業した九州新幹線鹿児島ルートのことだ。

鹿児島県の生産人口ならびに年少人口は減り続けている。増加しているのは老齢人口のみだ。

あれだけ開業に大喜びしてお祭り騒ぎだった鹿児島が、今ではひっそりと静まり返っている、なぜだろう。

終着駅に過ぎないからだ。

高速鉄道が開業したことで、鹿児島市に営業所を置いていた企業が「日帰りが可能になった」という理由で博多の支店に吸収させた。つまり鹿児島営業所の閉鎖だ。

ビジネスなら新幹線を利用した「出張」で間に合うから、営業所経費を削減することが可能になった。

鹿児島市内の若者が、大学進学や買い物、あるいは就職などで熊本や福岡へ出るケースも増えている。

確実に鹿児島経済は縮小している。新幹線が来たばかりに。

背に腹は代えられないと、鹿児島知事は川内原発の再稼働を認めた。

貧すりゃ鈍とはこのことであって、何でもかんでも新幹線を引っ張って来れば発展するなどという幼稚な考えで地方行政をおこなうから失敗する。




この前例を素直に見なければならない自治体がある。

整備新幹線を実現させようと中央へ陳情しているのが長崎だ。

すでに諫早までのルートは着工しているが、最終的に諫早から長崎まで通したいと地元商工会などが奮闘している。

しかし彼らには鹿児島の衰退が見えていない。

ただ「新幹線さえ来れば」という幼稚な皮算用しか持っていない。

九州新幹線長崎ルートが開業することによって誰がいちばん得をするかと言えば佐賀県である。通過駅なのだから。

佐賀には未開発の農地が広がっていて、大規模な医療施設であろうと商業設備であろうと教育施設であろうと造りたい放題になっている。

長崎ごときの経済を吸い上げるのはたやすいだろう。



偶然なのか九州の原発立地の両県の話題になってしまった。



皆さん、ご機嫌よう。






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