ある日のできごと

近所に閉店が決定しているスーパーがある。

すでに生鮮食品などの仕入れは停止され、家庭雑貨などが残るのみだ。

調理用の油や香辛料なども姿を消した。

ほとんど商品棚は隙間だらけになっている。

そこで営業日を残すところ数日になった経営者は、半額の閉店セールに打って出た。

するとどうだろう、近くにある大学の中国人留学生がそれを聞きつけて、大挙して押し寄せたというのである。

とは言え、彼らが欲しがる物などほとんど残っていないと思われた。

ところが彼らはレジに行列して、例によって大声でわめき合ったという。

何故だか理由はわからないが、飛ぶように売れたのはゴム手袋だった。

それも箱入りの100組入りとかいうタイプ。

しかしラテックス・アレルギーとかの理由で、様々な種類に分かれていて、しかもS・M・Lにサイズ分けが施してある。

それぞれに少しずつ値段が違うのだ。

挙句にはキッチン用の1組だけのゴム手袋もあって、使い捨てにはなっていない。

それをレジに持って来て、どうしてこんなに値段が違うのか、間違いではないのかと聞いて来る。




店員はすでに最小限に減らされていて、中国人などにかまっていられない。

すると今度はプラスチック製のしゃもじをレジに持って来る者がいる。

これもまたメーカーによって価格にわずかな違いがある。

半額セールなのだからその差はわずかであるにも関わらず、中国人は食い下がって来る。

最初は店員も「高級品」とか「低級品」とかの漢字を使って対応していたが、しまいには「出て行け!」と怒鳴った。




それまで叫び合うように騒然としていた店内が、水を打ったようにシーンとなった。

「躾の悪い犬は、怒鳴るに限るね」

台所用洗剤を買いに行っていた我が女房どのが言うと、店員はやっと笑顔になったそうだ。

映像が目に浮かぶようだった。



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