増税のゆくえ

そろそろ私の読みが当たりそうな気配になって来た。

そもそも公明党は、支持母体であるS学会に対して、軽減税率を選挙公約で(学会員に対して)約束していた。
そしてそれらの選挙協力で、自民党は政権を確保したと言っても差しつかえない状態にある。
すなわち公明党の存在は、政権にとったら重要だが、自民党にとったらただの他党だということになる。

しかし財務省出身である野田税調会長が主導して、増税後の還付方式をごり押しして来た。
この税制調査会とは自民党の内部組織であって、官邸の意向を反映したものではない。
どうあっても消費税10%は強行したいというのが財務省の考えだからである。
なぜ財務省が増税にこだわるのかは以前にも書いたが、地方交付金とか各省庁への予算の配分という巨大な権益を抱えている財務省にとって、分子(分母の逆)が多ければ多いほど省の力が温存できるからである。
そこに国民の幸福とかはどこにもなく、ただひたすら省益があるのみであって、彼ら財務官僚は選挙で選ばれたのではなく試験を合格することと先輩などの「引き」で入った者たちだ。
現役時代の贔屓によって天下り先も確保できる。つまり国民に税を収めさせて、その権益は独り占めにしているのが財務省なのだ。「他人のフンドシで」何とやらの見本のような集団である。

さて、その氏素性が野田税調会長だったが、菅官房長官が公明党寄りの発言をして、安倍総理によって更迭されてしまった。
税制調査会というのは、少々わかりにくいのだが、内閣府の審議会である政府税調と、自民党税調や民主党税調などがある。
野田氏は自民党の税調であって政府税調とは生まれ育ちが違っている。
かつて自民党税調のドンと呼ばれた中山貞則氏は「政府税調は軽視しない、無視する」と発言して政府税調の無力さを示したが、中山氏の影響力の衰退と同時に政府税調の存在が大きくなりつつある。
野田氏はその中山氏の遺伝子を持っていることになる。

しかし官邸は公明党との選挙協力を得なければ、来年の参院選に苦戦すると読んでいる。さらに私は衆参同時選挙を安倍総理は考えているのではないかと予想している。
今月から配布され始めたマイナンバーを、各事業所がとりまとめ、来年1月から給与に反映させる仕組みになっている。これで脱税が減る。つまり税収が増える。
給与所得者が副業で収入を得ていたり、親の扶養家族になっていながらアルバイトなどで収入を得ているような国民にも所得税が課せられるようになるからだ。
その上で衆議院を解散して同時選挙に打って出れば、憲法改正に手がとどく。
そのためには今ここで公明党の機嫌をそこなう訳には行かないのである。

だから自民党最大の聖域とされて来た「党税調」の無理やりの会長交代も辞さない姿勢を官邸は見せた。
すなわち官邸は財務省案(軽減税率ではなく還付方式)を切り捨てて、公明党案に擦り寄った格好になっている。
公明党は選挙協力を人質にして、官邸へ圧力をかけ軽減税率を求めて来た。財務省案に戻らせないようにする必死の覚悟だ。
一方の財務省も野田を切られたくらいで黙ってはいない。自分たち官僚の既得権益がかかっている。天下りで老後の生活を保障しなければならない。

自民党と公明党と官邸と。そこに主権者たる国民の都合はどこにも存在していない。
ただし、私案ではあるが、官邸内部で「増税凍結案」が密かに進められていたとすればどうなるだろう。
つまり消費税は8%を維持したままで10%へはしないという選択肢だ。
それを考えたとき、麻生財務大臣の「めんどくさい」発言と、菅官房長官の「軽減税率」支持発言という相反する両論が官邸からもたらされている不思議の謎が解けて来る。

5%から8%へしたのは1.6倍にしたのであって、8%から10%にしたところで1.25倍にしかならない。
その0.25倍のために軽減税率を採用して事業者の経理負担を増やせば、国民から不満が出て来るのは必至だ。S学会が望んだだけで終わってしまう。
子宮頸がんワクチンのサーバリックスの二の舞になることは目に見えている。

しかし官邸は公明党の選挙協力がなければならない。
つまりこうだ。
増税を前提にして、しかも軽減税率も公明党の望む通りに許しておいて国政選挙を勝ち抜く。
その上で増税の凍結を発表すればどうなるか。
S学会員も増税がなくなれば軽減税率など不要なのだから異論があろうはずがない。
S学会に異論がなければ、公明党も黙るしかない。
財務官僚の都合も打ち砕くことができる。
漁夫の利を得た安倍内閣は一気に憲法改正に着手することができるというわけだ。

その口裏合わせができていればこそ、麻生と菅が背中を向け合っているような芝居を打っている。
国民や財務省の視線をそちらに集めておきたいのではないか。

あちこちの報道番組が、この増税後の制度をしきりに解説しているが、官邸の本音が凍結だったとしたら、とんだ茶番なのである。

そして、政府の本当の目的は増税なのではなく税収アップにあると理解すれば、消費税を1.25倍にして経済を冷え込ませるのではなく、マイナンバー制度によって取り逃していた巨額の税金を効率良く回収することの方が効果的であって、普通に生活している国民には痛くも痒くもない方法なのである。

そう考えたとき、S学会員の価値観がいかに貧弱なものであるかが透けて見えて来るのである。





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