マクロ経済

わかりやすいたとえ話をしましょう。

東京にある銀行が預金の利息を低く抑えていたとします。
となりの埼玉の銀行がそれよりも高い利息設定していたとします。
すると、預金者(投資者)は、高い利息が得られる埼玉(新興国)の銀行に資金を移します。
そこで資金を調達できた埼玉の銀行は、貸し出し幅が増えることから貸し出し金利を下げる。そこへ地元の企業が殺到する。
そこまではOK。

しかしこれが東京と埼玉の話ではなく、先進国と新興国のことだと考えた場合、先進国の投資家が新興国の銀行に資金を集中させている現象なわけ。
そしてそれらの資金を宛てにしてどんどん借り入れを増やしたのが、新興国の地元企業という図式。

IMFが発表した世界金融安定報告によると、主要新興40カ国の金融機関以外の企業の借入金は2014年時点で18兆ドル(2160兆円)で、10年前の4.5倍に急増している。
GDPに占める借入金の比率も48%から74%と急騰したそうです。

国別では中国のGDP比が25%増、トルコが20%増、ブラジル・インド・ペルー・タイがそれぞれ10%台、メキシコと韓国も10%に届こうとしています。

アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)や日本、EUなどはゼロ金利政策や量的緩和などの金融政策を実施したことから世界中の投資資金が新興国市場に集まったわけですが、ここへ来て米ドルがゼロ金利を解除すれば世界中に散らばっていた資金が先進国に還流することになるわけで、ドルやユーロや円が高騰する一方で新興国の通貨が暴落する危険をはらんでいるんですね。
韓国はいまだに自国の経済が悪化した原因を、日本の安倍政権による円安誘導犯人説をとっているわけですが、日銀の黒田総裁が「バズーカ」の撃ち止めを宣言して量的緩和を縮小したならば、韓国通貨はめでたくウォン安に動くことになって海外からの投資は一気に引き潮になることが目に見えているわけです。
いわゆる「外貨不足」に陥る。そして日本との間にあった「ドルスワップ」は無くなっている。中国の人民元をいくら持っていても紙くずにしかならない。世界貿易はドルを基軸としているから輸入品はドルで支払わなければならない。

インドネシアの高速鉄道を中国方式で決定したというのも、中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)を創設したために何が何でも投資先を作らなければならない必要に迫られていたからこそであり、相当の無理があったはず。
ここへ来て、環太平洋パートナーシップ(TPP)が合意に至るようなことになれば、経済的に孤立するのは中国と韓国。
これは経済界の常識として語られていることです。
中国は台湾をどうにかしない限り「環太平洋」の国とは見られないのであって、それは韓国も同じ。太平洋には接していないのです。

アメリカ格付け大手のスタンダード&プアーズは、韓国代表企業38社の平均格付けをジャンク(紙くず)と呼ばれる「3Bマイナス」まで引き下げました。
中国経済の減速を理由にして、アメリカFRBは9月の利上げを見送ったものの、年内の利上げの可能性は残っており、新興国からの資金流出が加速する見通しは続いています。

これらはマーケットの話なんですが、海外投資に無関係な暮らしをしている人にとっては他人事のように思えるかも知れません。
しかし、世界経済はつながっていて、中韓経済が急減速すると、部品輸出や食品輸入などでつながっている日本経済も無関係ではいられません。
ドイツのVW問題も無関係では済まないでしょう。
日本国内の金融を含めたマーケットが縮小することによって、個人所得が延びることは考えられなくなるし、当然消費増税も見直しが必要になって来る。
増税がなくなれば不動産売買や設備投資にブレーキがかかる。
そうした時を見越して今月からマイナンバー制度が始まり、脱税がしにくくなる。いま実施されている国勢調査は、これ見よがしの「不法滞在者」のあぶり出し。警察の戸別訪問も増えて来ている。
政治介入していた日歯連から逮捕者が出ている。歯科医になるのに国籍は関係がなかったから。
赤字が積み上がっている関西電力は、原発再稼働を止めた司法に挑むしか道が残されていない。

日本社会は大きな曲がり角に来ている気がします。


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