急加速するアジア情勢

菅義偉官房長官は2014年5月28日午後の衆議院予算委員会において、日本維新の会の山田宏氏への答弁として従軍慰安婦制度への旧日本軍による関与の事実とする河野談話の作成過程を検討作業に着手すると明らかにしました。
ただし談話自体を見直す考えがないこともあらためて強調したようです。

これが28日午後の報道です。

冷静に観察しなければいけない点は、アメリカのオバマ政権が河野談話の見直しを断固拒否していることであって、前国防大臣だったアーミテージすらも河野談話の継承を求めている点。
それは旧日本軍が従軍慰安婦を強制連行したかどうかという事よりも、現在の東アジア情勢を優先しているということに他ならないのであって、古い日本軍の名誉だとか現在の日本人の名誉だとかはどうでも良いと言っていることに他ならないのです。
それで、日本の自民党政権とすればアメリカの意向には逆らえないのですが、一方で国内からの突き上げが次期地方選挙に影響を及ぼす恐れも出て来たんですね。
いつになく日本人は韓国のウソや中国の危険性を知ったので、ものすごく右傾化しているのが現状です。
言わば自民党は板挟みの状態であって、両方へ良い顔を見せる必要が出て来たわけです。それが今の自民党のお家事情。

ところがここへ来て29日に重大ニュースが飛び込んで来たんですね。
それは何かと言うと、日本と北朝鮮との間に放置され続けていた拉致問題が一気に流動化しそうな気配になったのです。
北朝鮮は拉致被害者の捜索をあらためてやり直す計画があるとして、日本政府もそれならば制裁の一部解除を検討しようではないかといった話し合いがあったようです。

日本人はとかく、報じられるニュースを額面上に受け止めるクセがありますが、この場合は日韓の外交状態がどうだとか、あるいは北方領土に関した日露外交がウクライナ情勢によってどのように変化したのか、または南シナ海における中国海軍の動向に対して日本政府はどのようなスタンスに立っているかなど、あらゆる世界情勢を加味して考えるべき問題なのです。
北朝鮮が態度を軟化させて来た理由の一つには朝鮮総連ビルの売却問題も含まれているだろうし、韓国の朴政権が中国に近づこうとしている事情もあるだろうと思われます。
つまり東アジアは流動化の時代に入ったと見るべきでしょう。

額面通りに北朝鮮が拉致被害者を帰国させるとは思わない方が良いかも知れませんが、彼らの目的はあくまでも国家としての存続なのだから世界中を敵に回すような愚行をするわけにも行きません。
愚行と言えばまさに南沙諸島などで乱暴狼藉をはたらいている中国が世界の嫌われ者になっているのであって、プーチンを味方に付けようと必死になっているのが習主席です。
韓国の朴政権は自国民からの批判の嵐にもまれながらも習主席のたもとにすがろうと、これもまた必死です。
北朝鮮の金第一書記はこれらを冷静に観察しているんですね。

それが28日の菅官房長官の「河野談話の作成過程における検討作業に着手した」という発表であり、その翌日の29日に北朝鮮と日本の間の拉致問題の再調査への合意だということです。
これらは個別なものではなく、すべてつながっているんですね。
そしてアメリカのアーミテージが発言したように、河野談話が確定した東アジアというものをもう一度掘り返したいという日本の狙いまでも北朝鮮はしっかりととらえているということです。
そこに中国やロシアといった大国の存在が関わって来ていて、しかも中国は沖縄の在日米軍基地を崩壊させたいとする狙いさえも北朝鮮は認識しています。

だからここ数年の間は、東アジアの情勢を他人事(ひとごと)のように見てはいけなくなって来ているんです。
極論を言えば、明日何が起きてもおかしくないのが現状なのです。
平和憲法だけでこの国が存続できればそれに越したことはないのですが。



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