チャイナ・シンドローム

どうも変だぞと思っていた。
南沙諸島での中国の埋め立て工事のことだ。
これに東南アジア諸国を始め、アメリカなどが激しく反発している。
そりゃそうだ。誰がどう見てもおかしい。道理が通る話ではない。

日本では中国軍艦からレーダー照射を受けたり戦闘機の接近を受けたりもした。
作戦の責任がどこにあったのかはいまだにはっきりとしていない。
日本はいま、尖閣諸島での戦闘危機からいったん離れたことでもあって、どこか他人事のように扱われているが、とても他人事では済まないような話なのだ。

南沙諸島で埋め立て工事をやる中国に対して米軍があからさまに反対していて、航空機などで監視活動に専念している。
ところが中国側は、領有権を主張していて、撃墜もあり得るとの挑戦的な発言に終始している。
さらにフィリピンが自衛隊の基地利用を容認したことから、日本の海上自衛隊の大型護衛艦「いずも」が来るようであれば撃滅するとまで煽って来ている。
ここまで挑戦的になる理由はどこにあるのか。

ここに重要なヒントが隠されていた。

主席である習氏が反汚職運動を進めることによって人民の支持を確保しようとしていたことは有名だ。
「トラもハエも捕まえる」と宣言した習氏は、汚職にまみれた役人たちを次々と逮捕して行き、終身刑や死刑に処して来た。
そのことによって近年になく人民の支持率は高まった。
ところが昨年末頃から習の矛先は人民解放軍およびそのOBにまで手が延びている。

膨大な予算を与えられる軍部には、無数の贈賄がからんでいてそれはこれまで触れることが許されないアンタッチャブルの世界だった。
いわゆる「聖域」というヤツだ。
習はそこにもメスを入れた。これまで誰も入れることができなかったメスだ。
今年に入り、楊宇軍・国防報道官は記者会見の席で、人民解放軍の反汚職運動の多くの新たな展開について可能性を示唆した。
つまり国家主席のメスは確実に解放軍内部に至ることを認めた格好になった。

莫大な利権で成り立つ解放軍は、兵糧攻めに遭おうとしている。
特に解放軍への影響力が強いOB組が浴している恩恵は想像を絶する巨額の富を、中央軍事委員会規律委員会が汚職を追求する中央規律委員会と敵対する格好になった。
いわば利権対利権の構造だ。いかにも中国らしいと言えば、そうかも知れない。

その上で人民解放軍を束ねているとされていた習国家主席がアメリカとの外交を重要視しようとしていることに対して、人民解放軍が独自の動きに出始めたという形になっている。
つまり南沙諸島で埋め立て工事を進め、一説によれば自走砲まで持ち込んでいるとされた解放軍は、習主席の意志が反映されているとは限らないという推測が出て来ているわけだ。

仮に単発的な軍事衝突が発生したとしても、彼ら解放軍は習主席のスローダウンが目的なのだから手加減はしないだろう。
それによって国際社会から中国が孤立し習体勢が弱体化すれば、それは軍事利権を持っている解放軍の思惑通りというわけだ。

ただはっきりとしていることがある。
人民解放軍というのはあくまでも陸軍兵力が主体であって、空軍力や海軍力はインドにも追いついていない。
もし仮に南沙諸島でアメリカ海軍を相手に一戦交えようとすれば、人民解放軍は100%敗退する。
アメリカ軍は射程の外から衛星誘導のトマホークミサイルを撃てば良いのだから。
人民解放軍のレーダー設備などは原潜搭載型のSLBMが処理するだろう。

そうすることで習国家主席はクーデターから生き延びることができる。
大規模な粛清を進めれば良い。

現在のスプラトリー岩礁で起きていることは、習主席の思惑だとは決めつけない方が良い(かも知れない)ということだ。

「誰の利益か」と考えよう。


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