離島防衛

今日は少し「空想科学」めいたお話をしようと思います。

長崎県の五島列島に海上石油備蓄基地があることはあまり知られていません。
正式な所在地は、長崎県南松浦郡新上五島町青方郷であり、この沖合にある折島と柏島を防波堤でつなぎメガフロートと呼ばれる世界初の洋上タンク式原油備蓄を建設しました。
名称は「上五島国家石油備蓄基地」ですが、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構が所有した上で、上五島石油備蓄㈱が依託管理操業の業務をおこなっているものです。

貯蔵量は最大で440万キロリットル。日本国内の石油需要量のほぼ7日分に相当します。
浮式防油堤に囲まれた海域に5隻の貯蔵船を係留し、タンカーによって運ばれた原油は折島にあるシーバースからパイプラインで貯蔵船に移送される仕組みになっています。
この貯蔵船は1隻ずつ切り離すことができる構造になっていて、定期的に長崎市内のドックまで曳航されて定期点検を受けています。

ところが、折島と柏島という二つの島には緊急用のヘリポートが無く、対岸の青方港近くにのみ緊急用のものがあるだけです。
またこの地域の直近の空港と言えば上五島空港がありますが備蓄基地から直線で約15.5kmも離れている上に、この空港の滑走路は700mしかなくて小型のプロペラ機がやっと利用できる規模でしかありません。
しかもこの空港、岩山のような島を削り取って滑走路を建設したために、上空から見ると航空母艦のカタパルトのように見えていて滑走路の標高は約75mもあります。
もしオーバーランでもすれば断崖絶壁から真っ逆さまに海へ墜落する構造になっている非常に危険な空港なのです。

折島と柏島の東側に備蓄基地は建設されていて、西側は民家もない波打ち際になっています。
グーグルアースで見たほとんどが切り立った断崖になっていますが1か所だけ上陸しやすい場所があってそこから備蓄基地までは簡単な道路が出来ています。

私が何を想像しているかと言うと、この施設を特定のテログループが狙ったとしたら非常に簡単に制圧されるだろうということ。ここには海上自衛隊や海上保安部などの防御は一切ないからです。
しかも陸路でつながっているわけではなく、目の前のヘリポートまでも海を渡る必要があるんですね。
ヘリポートなどなくても緊急時にはある程度の面積さえ確保できればヘリが強行着陸することは可能だと思うのですが、相手がRPG(対戦車ロケット砲)などを装備していたとすれば近づくことは無理です。

そしてグーグルアースの画面を縮小してみると、ここが韓国の済州島の目の前だということ。
そして日本と韓国と中国が互いに防空識別圏を主張し合っている重なり合った空域に非常に近いということがわかって来ます。
韓国では済州島に一大海軍基地を建造するという案が昔からあるようですが、これは明らかに北朝鮮を仮想敵国としているのではなくアメリカもしくは日本を仮想敵国にしている構想だと言わざるを得ないでしょう。
もしかすると済州島に軍事拠点を置きたいのは韓国というよりも中国なのかも知れません。

五島列島という存在は、実は佐世保にあるアメリカ海軍基地ならびに海上自衛隊佐世保基地の強固な防波堤の存在になっているわけです。
在日米軍の佐世保海軍基地とは原子力空母や潜水艦が頻繁に出入りしている前線基地なのです。
あるいは佐世保の郊外にある陸上自衛隊相浦駐屯地は西部方面混成団の本部になってもいます。
万が一朝鮮半島で紛争が起こった場合、これらの基地はまさしく最前線基地になる可能性が高いんですね。
(もっとも南北朝鮮が戦闘状態になった場合は、在韓米軍は韓国に居住する邦人の安全輸送に専念すると言われているので、戦闘要員の派兵よりも民間人の輸送が優先されるでしょう。その際の臨時の宿泊施設がハウステンボスだといううわさを聞いたことがあります。)

オスプレイの国内配備が始まった際に国内の自衛隊基地があちこち候補に上がりましたが、海兵隊の主力輸送手段として活躍するオスプレイであれば離島を多く抱える長崎県は筆頭に上げられるべきです。
オスプレイは垂直離陸あるいは単距離離発着が可能なので各地にある陸上競技場や野球場、あるいは輸送船「いづも」の甲板からも発進することができます。
まるで離島防衛を担う長崎県のために開発されたような機体です。

そうした地政学上の重要な土地に石油の洋上備蓄基地を置き、しかもろくな防備もしていない。
それでは「平和ボケ」呼ばわりされても仕方ないでしょう。
そういえば防衛庁が防衛省に格上げされた際の初代大臣は長崎選出の久間さんでしたね。
なかなかとぼけたオジサンでしたが、離島防衛に関しては素人のようでした。

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No title

僕も今、備蓄基地が攻撃(弾道ミサイル、巡行ミサイル諸々)されたときになんもできないんじゃね?→自衛隊駐屯させんばじゃね?と思って、調べていたらこのブログを見つけましたw
一刻も早い対応が必要ですね。

Re: No title

弾道ミサイルに関しては佐世保の海自および米海軍のイージスなどがミサイル防衛できるし、空自のPAC-3もあります。
しかし弾道ミサイルではなく艦対地ミサイルの巡航型だった場合はなかなか捕捉することが困難でしょう。
発射艦はレーダー捕捉されないように水平線の外から撃ち出すと思いますが、深夜にゴムボートなどで上陸された時の方が危険度は大きいと思いませんか?
せめてアサルトライフルで武装した一個小隊くらいは配備すべきでしょう。

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