台湾 日本食品を全面拒否

今日はこの話題に触れてみたい。

公的にも私的にも専門性が高い知識人は数多いので、核物理学的に突っ込んだ話は避けるけれど、政治的な背景が透けて見えている。

台湾当局は、福島第一原発の事故後に日本食品の輸入規制を継続していたが、日台双方の窓口機関の協議が物別れに終わって、明日15日からすべての日本食品が輸入禁止になった。

これまで台湾当局は、福島など5県の食品の輸入を禁止していたが、それに加えてすべての食品に都道府県別の産地証明の添付、ならびに指定品目での放射線検査証明などを求めて規制強化を主張した。
これに対し日本の農水省や経産省などが科学的根拠に欠けるとして撤回を求めたが、協議は物別れに終わって明日からの全面禁止の運びとなったものである。



さてこの問題、私流に考えれば大きく分けて二つの側面があるように思える。


ひとつは政治的な圧力といった側面だ。
ご存知のように台湾とは本省人と外省人とに大別されている。
全人口の2%が原住民であり98%は漢民族だ。その漢民族は、明末から清初期に台湾へ移住していた部族が本省人であり、国民党と共産党に分かれて争った内戦に敗れた蒋介石が率いる国民党軍と共産化を嫌った人々が移住して来たのが外省人である。

したがって日本統治時代を経験しているのは本省人と原住民であって、外省人らは反共ではあっても日本の恩恵を受けていない。
むしろ国民党軍は日中戦争で日本と戦った相手なのだ。
日本の敗戦後に毛沢東率いる共産党軍(人民解放軍)に敗れて台湾まで逃げたわけだ。
現在中国(中華人民共和国)は「戦勝国」を名乗っているが、実際に日本軍と戦ったのは中華民国の国民党軍だった。
共産党軍(人民解放軍)は国民党軍の後ろで息をひそめていただけで、中華人民共和国という国家も戦後に創ったものである。中国が「戦勝国」であろうはずがない。

大日本帝国がポツダム宣言を受諾し無条件降伏をしたのち、蒋介石率いる国民党が戒厳令下で新規政党の結党を禁止したのが1948年のこと。
つまり国民党(外省人)の一党独裁が継続されることになる。

ところが国民党の一党独裁に反対する集団が1986年、民主進歩党(民進党)を立ち上げ、これを当時の中華民国総裁だった蒋経国がこれを黙認し、1987年の戒厳令解除に併せて野党としての民進党を合法化させる。
西暦2000年の5月、民進党の陳水扁が選ばれるまで戦後の台湾の総統はずっと中国国民党だった。
蒋介石から始まって李登輝まで続いた。
しかし2008年5月の選挙で、再び国民党として総統に選ばれたのは馬英九だった。
馬は中華人民共和国とのつながりを強化する政策を推し進め、日本による戦争犯罪などを主張している。
これに対して台湾国民からは不満が出ていて、学生らによる議会占拠事件などが起きた。
外省人とは本省人の5分の1もいないのである。
日本統治時代を知る高齢者たちは、規律正しい日本軍と、乱暴で粗悪な国民党軍をよく比較に出して外省人を非難する。

米国のマイク・ホンダは台湾の馬と面会し、慰安婦像の建設への協力を求めている。

そういった背景で今回の日本食品の全面輸入禁止措置というものを見れば、これが政治的な色合いをどれだけ見せているかが伺える。
中華人民共和国は現在、尖閣諸島を言い掛かりとして日米同盟の強化をあの手この手で錯乱せしめようと躍起になっている。
沖縄の県知事の言動もすべてはここに関連している。
揺さぶりをかけているわけだ。



もう一つの側面をご紹介しよう。

私が欠かさず訪問しているあるブログがあるのだが、そこでは福島第一原発事故に関連する様々な事象をデータ化して緻密な文章とグラフ類が載せられている。
よくここまで毎日書けるものだと感心させられるので、ひょっとしたらこれは個人のものではなく、どこかの団体によるものなのかも知れない。
だからあえてブログ名は省略しておく。

このブログが目に止まったのは、毎回必ず載せられる写真があるからだ。
福島県内の様々なスーパーの折り込み広告がピックアップされた写真である。
それは生鮮食品などの商品で、「秋田産あきたこまち 10kg \2,473」だとか「宮崎産きゅうり1本 \38」あるいは「山形産アスパラガス1束 \198」といった具合だ。
4月21日の記事では、福島県内で捕獲されたイノシシの肉から1kgあたり最大 9,800ベクレルの放射線が検出されたとも報じている。
東京をはじめとする大都市各地で「福島デー」を開催して福島産の食品の安全性を広めているが、当の福島県民は県外の食品を買い求めているではないかという主張だ。
これは折り込みチラシが読める地元でなければ書けない記事だ。

何が安全で何が本当なのかは、実際には一般庶民には知らされていないらしい。
だから台湾や韓国などの政府機関が判断することと、日本の農水省などが主張するデータに乖離があっても不思議ではないのかも知れない。

「風評」という言葉が福島の事故によって一気に広がった。
箱根の町長までが「風評被害が心配だ」とまでふざけた発言をしている。

「君子危うきに近寄らず」
これが鉄則なのだ。


皆さん、ご機嫌よう。




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