韓非子

このところイオンやサントリーや日本マクドナルドなどの失策をあげつらって来た。
それは韓国の李明博政権や朴槿恵政権の失策への指摘とも共通している部分がある。
もっと言うならば日本のメディアにも似たようなことがたくさん起きている。

これらに共通するのは何だろうかと考えた。

若い頃に読んだ一冊の本があることを思い出した。
本棚で埃まみれになっていたのを取り出して来た。
引っ越しの際に段ボール箱から移動させられて、そのままになっていたものだ。

題名は「韓非子」、カンピシと読むが韓国の書物ではない。
秦の始皇帝の時代の、戦国時代の中国古典だ。
原本は五十五編もある膨大なもので、我が本棚にあるのはただの入門書でしかない。

この韓非子の全体を形造っているのは「人間は利益によって動く動物である」という哲学だ。
この書物に一貫している思想は、現代の中国社会を理解する時に非常に参考になる。

しかし人間の基本部分に触れたこの哲学は、現代の日本人にも韓国人にも共通していると言える。

ここにこのような一文がある。
「貪愎(たんぷく)にして利を好むは、則ち国を滅ぼし身を殺すの本(もと)なり」と。

現代語訳するならば、欲に目がくらんで利益ばかり追求すると、国も自分の身も滅ぼすことになる、といった意味になる。

「人間は利益によって動く動物だ」と言った割りには、何故か謙虚ではないか。
ところが韓非子が言うには、本当の利益とは持続性を持たなければ意味がないと言うことを教えている。

株式会社の決算報告は、年度ごとに出されるものであって、韓国の大統領の任期でさえが5年と決められている。
その限られた期限で「結果」すなわち「利益」を出す必要に迫られている。

ところが韓非子は「それではいかん」と言っている。

この書物は奥が深すぎて、到底私ごときの手に負えるものではない。
ただ、道元禅師の「正法眼蔵」のように、香りだけでも触れる価値があるように思う。

今宵は、懐かしくこの本を開いてみようと思う。

『人を雇って野良仕事をさせるとき、主人が雇い人に出す食事や報酬を惜しまないのは、別に彼らを愛しているからではない。そのようにすれば、雇い人が鍬打ちや草刈りに精をだし、能率良く働いてくれるだろうと思ってするだけの話なのだ。
 また、雇われた側のものが仕事に精をだし、せっせとあぜ道を直したりなんぞするのも、別に主人を愛しているからではない。そのようにすれば、与えられる食事や報酬がよくなるだろうと思ってするだけの話なのだ。
 このとき、主人が雇い人を使うのに親子のような恵みがあり、しかも雇い人の方も与えられた仕事をしっかりこなすのは、それぞれそうすることが自分のためになると思っているからである。
 だから、人が何か事業を行ったり施しをする場合、相手にも利益があるようにと思ってやれば、親しくないものとでもうまく付き合える。
 しかし、相手に損害を与えてでもと思ってやれば、親子のように親しいもの同士でも仲たがいし、うらむようになる。』


皆さん、お休みなさい。またね~



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