優れた日本の文化

厄年とは数えで男性の場合が25・42・61、女性だと19・33・37・61歳となる。
間違いやすいのはこれらは数え年であって実際の年齢(満)と食い違うという点だ。

これらの年齢を「本厄」と呼び、その前年が「前厄」、「本厄」の翌年が「後厄」となる。
「厄」というのは「役」が転じたものであって、寺や神社の「役」を務める年齢に達したことを意味していた。

寺や神社などといった宗教施設の仕事をすることから、ひいては「災難や病気から守護してもらう為」という理由づけで「厄払い」といった意味合いがついたという説があるが、これは逆だという説もある。
年齢ごとの節目に体調の変化や環境の変化が起こりやすいので、神仏に関わった方が良いとする説だ。

しかし最近では、菩提寺を持っている人は少なくなったし神社の氏子になる人も減った。
祭りバカという人種がいて、やたらあちこちの神輿をかつぎたがる輩がいるが、「氏子ですか?」と聞けば「よそ者です」という返事が返って来たりする。
「祭り」とは「祀る(まつる)」から来ている言葉で、ただの遊びではない。
ただ、芸能人の発祥が「神仏へ芸を奉納する」行為から来ていたものが、いつしか公家らの座敷遊びへと変化したことから、奉納と遊びの境目がわかりにくいものになってしまった。

今でこそ相方の頭を叩く芸風があるが、神社への奉納であんなことをやったらつまみ出されてしまうだろう。
だが、それとは別に「粋(いき)」というものがある。
今風に言えば「ダンディズム」だろうか、それとも「美学」だろうか。
これは公家にも武家にもそれぞれに見られる。
この「粋」な生き方は、ゆとりがなければできない。
しかしこのゆとりとは物質的なことではない。
貧しくても「粋」な人はいるものだ。
東日本大震災の時、避難所で配給のおにぎりをもらうために整然と並んだ日本人の行列。
あの動画を観た世界中の人々が驚愕したという。
「奇跡だ」とか「ワンダフル」だとか評価されたが、私はここに日本人の「粋」が出ていたように思う。
略奪が起きなかったり、暴動が起きなかったりする日本人は、「民度が高い」とか「行儀が良い」とか言う前に、「粋」を知り「恥」を知っているからだろうと私は思う。
スーパーのレジの行列の中で、商品のポテトチップの袋を破って食べながら待っているどこかから来た観光客。
彼らに「恥」という意識は皆無だ。

「厄年」の話に戻ろう。
様々なサイトが厄年について解説をしているようだが「25歳の男性は会社勤めに慣れて来て、無茶な行動に出やすくなる」だの「満の60は定年の歳だから収入や生活環境が変化する」だのと知ったかぶりで書いてあるものがある。
しかし考えてみよう。年齢を数えで表現するような時代の日本人が、「25歳のサラリーマンはどうだ」の「60で定年だからこうだ」のと言っていただろうか。
奈良時代頃から始まった男子の成人式を元服と言ったが、おおよそ数えで12歳から16歳のことだった。
この頃の新生児の死亡率は高く、子供が順調に育つことは喜ぶべきことだった。だから七五三という儀式が残った。
その延長で考えると、人間が60歳(数えで61)まで生きることは非常に長寿だとされていて、サラリーマンが定年を迎えるようなレベルのことではなかったのである。

過去に還暦の話題に触れた記事を書いたことがあるが、子丑寅卯・・・と続く十二支(じゅうにし)と、甲乙丙丁と続く十干(じっかん)を組み合わせてゆくと数えの61歳で生まれた年の十干十二支に戻ることから「還暦」と呼ぶようになった。
甲乙丙丁・・・というのは「こうおつへいてい」とも読むが、「きのえ・きのと・ひのえ・ひのと・・・」とも読む。
ここで「え・と・え・と」と続くので十干のことを「えと」と呼ぶようになった。
「ね・うし・とら・う」という十二支のことが「えと」なのではない。
ちなみに2015年である今年は「乙・未(きのと・ひつじ)」である。
兵庫県西宮市にある阪神甲子園球場、あれは1924年に竣工したものであって、その年が大正13年で「甲・子(きのえ・ね)」だったことから「甲子園」の名がつけられた。

さらに12種類と10種類の組み合わせができるのならば、120種類になるではないか、どうして120ではなく60で還暦なのかという疑問が浮かぶ。
これは12と10の最少公倍数が60だからだ。

そして「61歳で一巡するはずなのに、どうして60歳が還暦なの?」という疑問は簡単だ。
数え歳だと人は1歳からスタートするが、満年齢だと人は0歳からスタートする、ここに1歳というズレが生じることになるわけだ。
1階ホールからエレベーターで4階まで上っても、それは3フロア上ったことにしかならない。
4フロア上がって4階に着くためには地下1階からエレベーターに乗る必要がある。まぁそんなことだ。

おやおや「厄」の話からまた逸れてしまった。
別の機会にしよう。


皆さん、ご機嫌よう。





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