渋谷の再開発

渋谷の東急プラザビルが近く閉店するという。
理由は売り上げが下がったからではない。
渋谷は大規模な再開発を進めている。

増築を繰り返した古くからの老舗旅館の廊下に似て、非常に路線の乗り換えが迷路状態になっている。
4社8路線がひしめき合っていて、通勤通学の乗客が大混雑している。
「よそ者は来るな」と言っているに等しい。
地元の者でさえが、山手線から東急東横線に乗り換える方法がわからなかったりする。
商業施設が集まる渋谷にとってこれは早期に解決しなければならない問題ではあった。

しかし、NHKで放送されていた「ぶらタモリ」でも取り上げられていたが、この土地はその名が示す通り「谷」である。
多くの下り坂が集中する場所が渋谷だ。その落差は半端じゃない。
渋谷駅から明治神宮までの登り坂を散歩がてらに歩こうものなら、けっこう良い運動になる。
谷底の土地だから広い場所が確保できなかった。
商業施設はバラバラに集まったが、総合開発は他の街よりも遅れた。

神奈川県の人口が増えたのも東京のベッドタウンとしての発展だったからであって、それらの通勤者はほとんどがこの渋谷を乗り換え駅とした。
しかし同じ駅舎の中での乗り換えはできず、地下街通路などへ通勤客があふれた。
しかも神奈川圏内の若者が夜遊びしようとする場合、帰路に乗り換える必要がない渋谷近辺で遊ぶことになった。
俗な言い方をしよう。「新宿はオカマの街。六本木はチンピラの街。そして渋谷はガキの街」なのだそうだ。
新大久保や池袋が何の街かは言うまでもない。

いま渋谷界隈は大規模な工事の真っ最中だ。
有名なゼネコンの看板が集まっている。
完成は2027年とかで、新たな商業施設の高層ビルが立ち並ぶ。
しかし、東北の被災地が取り残されている状況と比較すると、どのような評価になるのだろう。

特別措置法による所得増税までやって集めた復興予算は、何兆円も遣われないまま積み残されている。
人手不足と資材不足なのだそうだ。
(ウソを言え。だったら渋谷のあの光景は何なのだ)そんな声が聞こえて来そうだ。
当初の復興計画での見積もり金額がすでに現実的ではないことになっている。
50億円の予算が付いた新設居住区が、すでに倍額でも足りなくなっているとか。
被災地の自治体は、入札をやり直すべきか当初予算で踏ん張るかの選択に頭をかかえている。

JR東海がリニア新幹線を急ぐ理由は、東南海地震によって東海道新幹線がストップした場合には日本の動脈が止まることを意味していて、品川を出たリニアは相模原・甲府・飯田・中津川・名古屋へと続く。
つまり東南海地震の際のバイパスを用意しておこうという意味である。
今回の北陸新幹線も同じような意味合いを持つ。
だからいつ来るかも知れない地震を相手にする以上は「待ったなし」の状態なのだ。
「長野を経由せよ」だの「大阪まで延ばせ」だのといった悠長な商業目的ではないということをはっきりと認識しておく必要がある。

しかし渋谷の再開発と東北の復興のどちらが急ぐ話なのか。
渋谷の再開発の先には東京オリンピックの開会式場である国立競技場の建設が始まるだろう。あちこちに各種競技場も建設されるはずだ。
いつになったら被災地の順番が回って来ると言うのか。

施主が都道府県だとか市区町村だとかで、責任が無いという声も上がっているが、人手不足や資材不足を招いているのはそうした自分勝手な市区町村があるからなのかも知れない。

浮かれるだけで本当に良いのか、ガキの街、渋谷よ。




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