ラヴィ・シャンカルのこと

フラメンコ、タンゴと来たので、避けては通れないインド古典に少しだけ触れておきたい。

かつて現役時代の私は、決して穏やかな性格ではなかった。

「バカヤロー」と思ったら、適当に手を抜くべき個所のことで現場監督と怒鳴り合うことが少なからずあった。

まさにテレビドラマの『マッサン』で、「オレのウイスキーだ」と言うと、社長から「お前のウイスキーなどどこにあるんや。これは会社のもんだ」と言い返される場面に相当する。

返す言葉がないのだが、悔しくて悔しくてたまらない。

その日の帰りは決まってヤケ酒だった。



そんな私の姿を見た先輩が、一本のビデオを貸してくれた。

「腹が立った時に見ろ。気分が落ち着くぞ」と言って。

それはインドの古典音楽を現代風にアレンジした、シタール奏者のラヴィ・シャンカルのミュージックビデオだった。

独特の音色が延々と続く。

決して穏やかなテンポではないのだが、心がすっと落ち着くのがわかった。

これは本物だと直感した。

知人に頼んでそのテープをダビングしてもらい、何かあるたびにそれを聞いた。

ラヴィとは『師』という意味だそうで、簡単に言えば『シャンカル師』ということになる。

まさに私の精神的な師匠だったような気がする。



その時の先輩の奥さまから、昨年暮れに喪中葉書が届いた。





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