メタルカラーの時代

前回の「Mcの悲劇」で扱った話題なんですが、タイなどの製造委託国の技術的問題と言うよりは、むしろ最終加工現場である日本国内の販売店での問題のような気がしています。

過去の記事で私は「日本から職人が消えている」と訴えました。
建設現場では、考えられないような事故が起こり、運送現場でも過去に例がなかったような事故が発生している。
建築物にしても、コンクリートの強度とか鉄筋の組み方とかが素人のような仕事に成り下がっていて、それは医療現場においてでさえ同様になってしまっている。
いわんや教育現場などにはすでにプロは存在しておらず、サラリーマン教師が居るばかり。

いつからこんな日本になったのかと言うと、バブルが弾けた後の社会経済を建て直す技量を持つ政治家が居なかったからこそのこと。
その隙を狙って、口入屋である竹中平蔵が非正規雇用の派遣労働者を増やした。
その結果、一億総素人化の国が出来上がったわけです。

わずかに自衛隊や消防士などにプロは残っているようですが、警察や司法などは絶滅危惧種の状態です。
「Youは何しに日本へ?」という番組がありますが、日本のクオリティが高く治安が良いといった認識は過去のものになりつつあるようです。
だって、Mcの商品さえ安心して食べられなくなっているのですから。

日本車の大半に使用されているエアバッグが危険性を指摘されている話は聞いたことがあるでしょう。
徐々に日本製のクオリティは下がって来ているんです。
その原因は、職場から職人が姿を消したことから始まっています。
熟練した技術者は、それなりの給与を取ります。
会社がコスト削減を図った場合、最初に見るのは人件費なんですね。
同じ大型自動車の免許を持っていれば、月50万の給与と20万の給与とでは新人を使おうとするのは仕方がないのかも知れない。
しかしその差が「安心保険料」であることを経営者は無視して来た。あるいは短期の経常利益だけを求める投資家に媚びへつらってしまった。

私は以前、技術はリレーだと申し上げた。
だから技術の継承は途切れさせてはいけないんだと。
正月の箱根駅伝に見られるように、繰り上げスタートということも出て来る。しかしそれは後続ランナーが走っていることが大前提であって、一人でもリタイヤすればその時点でチームは失格となる。
いまの日本の経済界は、どんどんこの失格チームが生まれているのではないだろうかと考えたとき、そこには派遣会社の会長である竹中平蔵のほくそ笑んだ顔が見えて来る。

私がまだ現役だったころ、通勤電車で読みふけった「メタルカラーの時代」という文庫本を本棚から引っ張り出して来ました。
あんな時代は二度と日本には来ないのだろうか。



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