日向灘の中国原潜

14日午前6時前、九州と四国の間の豊後水道周辺海域の日本領海内を航行中の海上自衛隊イージス艦「あたご」が、潜水艦の潜望鏡らしきものを発見、追尾を開始した。
自衛艦隊司令部などで確認したところ、海自や米海軍の潜水艦でないことから、国籍不明の潜水艦による領海侵犯事案として、林芳正防衛大臣や首相官邸に連絡を入れ、態勢を整えたが、同日午前8時40分ごろ、国籍不明潜水艦を見失った。

防衛省によると、現在、豊後水道南方の九州東沖合の太平洋の広い範囲で、あたごとP3C哨戒機1機、対潜哨戒ヘリ2機による捜索を継続中、呉地方総監部から護衛艦3隻が現場海域に向かっているという。

外国の潜水艦は領海内では浮上航行が国際海洋法で決められているが、今回は領海内を潜没航行中で、意図的な領海侵犯の可能性が高いと防衛省ではみており、当該潜水艦の再発見とともに、収集した情報から潜水艦の種類、国籍の特定を急いでいる。

これは2008年9月の産経系列の報道だ。

しかし考えてみよう。日本の海上自衛隊の対潜哨戒能力は世界でも群を抜いている。
周囲を海に囲まれている国の国防は海自が担っている。
これはまだ米ソが冷戦状態にあった頃、対馬海峡と津軽海峡を封鎖すればウラジオストクの軍港から出発するソ連軍の原潜が日本海から出ることができなくなるために、アメリカの潜水艦技術が日本へ供与されたという歴史がある。
しかも原子力エンジンの場合は常時熱核装置を稼働させなければならないために、タービン音が出る。つまり探査されやすくなるのだが、日本の自衛隊は原子力化されていないために浮上時にディーゼルエンジンを回してバッテリーを充電させ、潜航時にはそのバッテリーでスクリューを回転させる構造になっている。
今で言うハイブリッド・エンジンのようなものだ。
つまり日本のディーゼル潜水艦は音探査されにくく、これを二か所の海峡に沈めておけばソ連軍の潜水艦の作戦行動がすべて把握でき、その情報を日米で共有することができたために、世界でもトップクラスの潜水艦隊を日本は保有することができたのである。
ソ連の潜水艦の行動が把握できるようになると、P2VやP3Cなどと言った上空からの対潜哨戒技術もアメリカの協力のもとで進められたのであって、今回のような国籍不明の潜水艦を見逃すはずがない。
「見失った」との発表が真実だったとすれば防衛予算は大幅に削減される恐れがある。
「見失った」との発表は本当だったのか。
私はこの発表を信じてはいない。
海自の潜水艦とP3Cとイージスが衛星でつながっている状態では、どんな国の潜水艦でも逃れることは不可能だ。

私の知人には横須賀を母港とする海上自衛隊の潜水艦乗りが居るが、その作戦行動は徹底した秘密で被われている。
彼に「艦内ではどんな仕事をしているのか」と尋ねたら、「給料の計算をしている」と笑って答えたほどだ。
つまり「見失った」のではなく「発表できない事案になった」と解釈した方が納得がゆく。

これを仮に中国海軍の仕業だと想定してみよう。
中国人民解放軍は1950年代後期(昭和30年代)から原潜開発に着手している。
中国は原子力技術を確立する前に着手したことから建造する原潜の多くが放射能漏れを起こし、乗組員が放射線障害を負ったために人民解放軍は専門の治療施設を建設したほどだった。
また「割れ鐘を叩く」と称されたほどエンジン音はうるさく、潜水艦に求められる静寂性は一向に完成しなかった。
1974年に就航した091型原潜(長征1号級)は5隻建造されたが何回となく放射能漏れ事故を起こしたため、現在稼働中なのは2隻だけとなっている。
この091型はコードネームを「漢級」と呼び、2004年11月10日に石垣島周辺海域を領海侵犯している。

当該船は青島(チンタオ)海軍基地を出港した直後から実はアメリカ軍に捕捉されていて、軍事衛星や偵察機、およびアメリカ海軍の原潜の追尾まで受けていた。
潜水艦は青島からまっすぐ沖縄本島を目指し、宮古島付近を通過しフィリピン海に抜けている。
この領海侵犯の際に日本の海上自衛隊のP-3C対潜哨戒機はパッシブソノブイ(音波受信専用)およびアクティブソノブイ(探信音送受信)を投下して潜水艦の正確な位置情報を収集した。
潜水艦が出す音は人間の指紋のように個性がある。
つまりこの船の音データは海上自衛隊とアメリカ海軍がしっかり把握したということになる。
国際法では領海内を航行する潜水艦は浮上しなければならない取り決めになっていて、潜航状態のままの航行は日本の海上警備行動の対象になる。
SH-60J哨戒ヘリやP-3Cおよび護衛艦などの追尾を受けた潜水艦は、蛇行運転やおとり機器の射出ならびにエンジン停止を繰り返したりして必死に追尾を振り切ろうとするもほぼ完璧にマークされていた。
この間、55時間にわたって潜航状態を維持したことから原子力潜水艦と断定された。
これが2004年の漢級原潜領海侵犯事件のあらましである。

ここから見えて来るのは、中国海軍がすでに原潜を運用しているという事実とともに、日本ならびにアメリカの対潜哨戒能力の高さである。
それが米ソの冷戦によってもたらされたものである点は言うまでもない。
さらにまた、こうした潜水艦がらみの侵犯事件が公けにされることがきわめて珍しいという点が上げられる。
持てる技術はできるだけ秘匿したいというのが軍事的な世界の常識だから、衛星や哨戒機やヘリや護衛艦や潜水艦まで動員して探索したなどという情報はよほどの事情がなければ公表したくなかったはずなのだ。
もし、この青島発の原潜が攻撃に出ていたとすれば、日本の海自も米軍も反撃に出ていただろうし、撃沈させていれば一切の情報は公表されなかったはずだ。
つまり核燃料を積んだ潜水艦が宮古島付近に沈んでしまった可能性が出て来るのだ。

2013年10月31日付けの「japanese.china.org.cn」によれば、中国軍の原潜は第4世代に発展し米国との差は20年に縮まったとしている。
長征1~2号は退役したものの、長征3~6号が改装後に再就役、長征7~11号が就役、長征12~13号が試運転中、長征14~15号が建造中とのこと。
09-Ⅴ型と呼ばれる船が第4世代に相当するとするものだが、これはまだ建造着手すらも行われていない計画段階だとされている。
香港の商社を介してウクライナから中古の空母を買わざるを得なかったほどの開発力しか持たない人民解放軍は、ステルス戦闘機すらもロシアから盗んだ技術だと非難されている。
つまり、中国が自前の技術で原子力潜水艦を建造するということがいかに世界の脅威になるのかは、その軍事能力ではなく放射性核物質が公海上に拡散されるためである。

これに対して気がかりなブログ記事が目に付いた。
『(新)日本の黒い霧』 と題するブログの2013年9月10日付けの記事だが、同月5日に宮崎県の日向灘で不明の煙が立ち昇っていたという情報。
ならびに、同日16時過ぎに博多の南方にある航空自衛隊春日基地上空を戦闘機編隊が低空で東の方角に通過して行くのが目撃されている。
この空域は福岡空港の着陸進入路に当たることから、何か突発的な緊急事態が起きている可能性があるとしている。
このブログの執筆に当たって情報を提供している国際軍事評論家によれば、大分県沖の豊後水道において中国の原潜が何カ月も前から滞在し、呉の海上自衛隊潜水艦隊の動きを見張っているとのこと。
この海域は第二次世界大戦中にも米英の潜水艦によって監視されていた場所であり、目的は呉の軍港を出入りする軍艦の動向だった有名な地域。
そこに現代の中国原潜もひそんでいるとのことらしい。
実は2011年にも中国原潜がこの海域に出没し、海上自衛隊が強制浮上させようと試みたけれどうまくゆかなかった事例すらあるという。
このことを裏返せば、日本の自衛隊は易々と領海侵犯を許しているのではなく、見張るべきところはしっかりと見張っているということになる。
ただし潜水艦相手に戦闘機が発進したというのは理解に無理があるため、この事案においては潜水艦だけのものではなかった可能性があるとされる。

さらに同じブログの2014年2月13日付け記事では、福岡県在住の女性から提供された情報として、同年1月中旬に福岡県内の鮮魚店で購入したヒラメの刺身用切り身(産地表示は大分県)をMr.Gammaという放射能測定器で図ったところ測定限界の9.999μS/hを示したとして写真を掲載しました。
このブログでは、福島第一の原発事故を扱っていたことから、原発事故由来の放射線ではないかとする投稿だったようだが、これまで測定したことがない異常な数値に驚き何度も測定し直したという。しかし結果は何度やっても同じ。
写真では対象物と30~40cmほど離した比較的近い距離での計測だが、このレベルの測定値が出る以上、許容レベルをはるかに超えた放射能汚染があったと考えられるとしている。
深刻な海洋汚染が考えられるが、福島第一原発にその原因を求めるには無理があるようで、筆者(ブログ管理人)は愛媛県の伊方原発もしくは劣化ウラン問題がささやかれる三井化学の岩国工場、またはアメリカ海兵隊の岩国基地に小型核兵器を始めとする何がしかの放射性物質があるのかも知れないと指摘する。
しかしもうおわかりのように、中国の原子力潜水艦がこの海域に滞在していることははっきりしていることなので、大分産のヒラメが高濃度汚染されていたとすれば、そっちの可能性も捨てきらないだろう。

暗号名ブロークンアローと呼ばれる水爆落下事故があるが、あれは米ソ冷戦時代に核抑止の目的でアメリカが戦略爆撃機であるB-52に水爆を搭載させてソ連の国境付近を飛行させていた作戦計画。作戦の名は「オペレーション・クロム・ドーム」。
1966年、宇宙開発で先行するソビエトがICBMで先制攻撃するかも知れないと恐れたアメリカはB-52を交替で24時間飛ばしてソビエトを威嚇する作戦に出る。
その祭、空中給油に失敗したB-52が墜落し、積んでいた水爆をスペインの田舎町であるパロマレスに落下させた事件。
この際、水爆は爆発こそしなかったものの内部のプルトニウムが広範囲に飛散し土地や農作物を汚染させた極秘扱いされたものの世界中に知れ渡った重大事件だった。

つまり放射能汚染とは、核兵器、原子力発電所、原子力エンジンによる大型兵器、などと様々な原因によることがわかる。
中でも南太平洋で強行されたフランスの水爆実験は人類史上類を見ない悪質さである。
またタクラマカン砂漠で行われた中国の核実験はウイグル自治区に暮らす人々への放射線障害を引き起こしている。
その中国人民解放軍の原子力潜水艦が日向灘や豊後水道に出没している。
もはや新聞やテレビだけをニュースを得る手段にしていると、非常に危険な状態になっていることがおわかり頂けるだろう。

知人の潜水艦乗りに聞いても笑って答えてはくれまいが、NHKや朝日新聞などよりはいくらか知っているつもりだ。

もう少し加筆するかも知れないので、何度か覗いてもらいたい。
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