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貿易戦争

ラウンドアップで有名なモンサント社が米サンフランシスコ裁判所に提訴されていた問題で2億9000万ドル(約320億円)の支払いを命じる評決を受け上訴するとした。

同社はこれまでにも何回も提訴の危機に瀕していたが、特許権侵害などの逆提訴でこれらを回避して来た。種は毎年モンサントから購入することが契約となっていて、収穫物から次回の種を作ればそれは契約違反になるということ。それは農業主が知ろうと知るまいと関係なく特許権の侵害として提訴されていた。今回の提訴はカリフォルニア在住のグラウンドキーパー(校庭管理人)の男性が末期がんと診断されたのはラウンドアップとその業務用製品であるレンジャープロが実質的な原因物質だったとする提訴が認められたことを意味している。今回の裁判はモンサント製品の公判としては初めてのケースとなった。

このことによって米国の弁護士界では、「今後同様のモンサントへの提訴が相次ぐのではないか」とされていて、数百件の提訴が起こされる可能性が指摘されている。

作付け面積で言うと、2007年段階での米国は大豆が90%、トウモロコシの50%が遺伝子組み換えであり、全世界では大豆作付け面積の75%、トウモロコシの32%、綿花の82%、菜種(キャノーラ)の26%が遺伝子組み換えとされている。

つまり米国トランプ政権が大豆の輸出を(中国に対して)制限したのも、知的財産権の保護に動いたのも、この遺伝子組み換え作物のことと深いつなががあった。対中貿易戦争の裏には、個別の大企業の利益を代弁する可能性があったことになる。

しかし、実はこのモンサント、最近ドイツのバイエルに買収されていた。つまりモンサントが有する知的財産権がドイツに移ったことを意味している。ここに米国初の提訴が起き、モンサントが賠償金を負う評決が出され、今後は数百に及ぶとされている背景があった。ドイツと中国は経済的に深い関わりを持っているからだ。

このブログで、ラウンドアップの危険性を指摘したりモンサントの反社会性を云々したりする意図はない。ただ、客観的に起きて来る事象を見ていれば見えて来るものがあるということ。バイエルに買収されたモンサントをトランプ大統領が庇う意味合いは消え失せたという風にとらえることはできないか、ということ。



日本の農水産物が輸出量を増やし続けていると言われているが、すでに世界は「危険な作物」「安全な作物」についての判断材料を蓄積していると見て良いだろう。

ところが最近、「ウイスキー・ハイボール」のCMが流れなくなっている。ジンビームのようなバーボン・ウイスキーのCMは流れても、山崎や竹鶴、あるいはローヤルや角などの宣伝は控え目になっている。それは焼酎ブームの頃にウイスキー・メーカーがモルトの仕込みを自粛していたからだ。それがハイボールブームが来て、さらに欧米各国でジャパニーズ・ウイスキーの人気が高まって来ると、仕込んだ樽が不足し始めた。つまり高値で売れる外国に輸出するために国内流通が不足してしまうのだ。

同じことは日本酒にも言えて、数倍・十数倍で売れる欧米に輸出されるために国内では合成酒しかない状態に陥った。紙パック入りの「呑」とか。

お酒の世界だけのことならば仕方がない部分もあるだろう。しかしそれがやがて、生鮮食品になり魚介類になり穀物になった時、我々日本人は何を食べれば良いのか。穢れた隣国の農産物が与えられるのか。工業製品の輸出と引き換えに。

世界の人々が「安全で美味しい」ということは、日本人にとっても「安全で美味しい」ことなのだ。



トランプ米国大統領が中国へ仕掛けた「貿易戦争」とは、単なる経済的な締め付けという単純な構造とは違うのかも知れない。

フランスの三ツ星レストランで日本酒がブームだからと言って、呑気に喜んでいる場合ではないだろう。

遺伝子組み換えの大豆と、カドミウム米を子供たちに食べさせる時代が目の前に迫っている。




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Author:old comber
硬派と軟派の二重人格がまき散らす猛毒 ショック死しても知らないよ

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