FC2ブログ

アジアの電力事情

電力には品質があるってのをご存知だろうか。いわゆる安定供給とは少し違って、交流送電時の周波数の安定化のことだ。

たまたま日本は60ヘルツ帯と50ヘルツ帯にわかれているが、たとえば50ヘルツの地域で49になったり51になったりすると製造現場での精度が下がってしまう。鉄板やガラスの厚さがまちまちになり、塗料の色合いが一定化されなくなり、モーターのコイルが均一に巻けなくなってしまう。

だから工業立国を名乗る以上は、まず電力の発電精度が高くなければ優れた製品を造ることはできなくなるわけだ。

私はこのブログで原子力発電について「将来的には廃止の方向に向かわざるを得ない」と主張して来た。ただしそれは安全性がどうだ危険性がこうだといった話ではなく、使用済み燃料プールのキャパシティが物理的に限界を迎えつつあって、「もんじゅ」が停止するなど、核燃料サイクル計画がとん挫したままになっていることから導き出される結論なのだ。すでに福井県や鹿児島県や佐賀県などで再稼働を果たしている原発は存在する。しかしこれらが永久的に稼働するかといえば全く逆で、使用済み燃料プールのキャパがなくなれば一巻の終わりなのである。六ケ所村が引き受けを拒否する以上どこにも持って行きようがない。

核燃料サイクルとは当時の科学技術庁が先頭に立って大風呂敷を広げたが、今では文科省になって天下りや裏口入学で無様なことになっている。

つまりこれまでの日本の経済発展は、使用済み燃料プールや六ケ所村に余裕があった頃に全国各地の原発をフル稼働できたからこその結果なのだ。臨界に達した原発は優れた安定電力を生み出して工業地帯に供給していた。しかし、それは「もんじゅ」の失敗によって時限的な発展に終わってしまう危険性が出て来た。

ここまでは日本特有の事情。ところがお隣の韓国では違った事情で原発が制限されている。原発建設や稼働が汚職に利用されているからだ。韓国から汚職を取れば何も残らないと言われている。定期的な部品交換も、取り外した部品を磨いただけで新品のように装って納品したり、高レベル廃棄物が海に捨てられたり。それで文政権が原発依存度を減らしにかかった。不足分の電力は石炭火力で補った。ところが火力発電所の防塵技術がお粗末なままだったので、韓国製のPM2.5が発生している。韓国国民は「中国から飛んで来ている」と騒いでいるが、実際には国産の公害なのである。(石炭をどこから調達しているかと言うと中国なので、厳密には中国製なのかも知れないが)

それに輪をかけるようにしてGMなどの自動車工場でストライキが頻発しているために電力消費量が安定しない。1次下請け2次下請けもどんどん倒産して来ている。

つまり韓国の電力品質にも疑問符が付けられているということであって、そういった環境下では高品質な製品は造れない。

その韓国企業が手を出したのがラオスの水力発電用のダム建設だった。ラオスには豊かな水資源があって、ダムを建設して大量の電力を発電すれば近隣諸国に輸出することができる。高品質な電力が調達できればタイやカンボジアなどには先進国の製造メーカーが工場を建設してくれる運びになっていた。ところがラオスは初期投資としてのインフラ事業費に中国発のAIIBがあてにできなくなって、見積もりが安かった韓国との合弁事業に乗り出すしかなかったわけだ。

しかし韓国のダム建設技術はお粗末そのものであって、構造上、決壊することは十分に予測できていた。まだ発生したばかりのダム決壊なので、ラオス政府は今後どのような処置をするのかわからないが、ラオス一国だけのことではなく、東南アジア諸国の将来的な計画にも関わる話だけに日本も他人事のように眺めていられるとは思えない。

そして極め付きは中国の三峡ダムだ。世界最大を誇った水力発電のダムだったが、砂礫の流れ込みによって堆積物が溜り、ゴミの不法投棄などによってアオコなどの環境破壊が止まらない。四川で起きた大地震も、三峡ダムによって作られた膨大な水圧が地下断層を動かしたと考えられている。このダムが決壊するようなことになれば電力供給どころか下流の上海は都市機能を失うとされている。

つながっていますなー。これ、偶然とは思えないのだが・・・

アメリカはシェール・ガス、オイルで余裕をぶっこいているが、地下水汚染がすぐにでも問題化するはずだ。日本はメタン・ハイドレートと熱水鉱床の開発を加速させるべき時だろう。



スポンサーサイト
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR