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ノビチョク

英国南部のソールズベリーという町はストーンヘンジで有名になっている人口4万5千人あまりの静かな町だ。

今年3月、この町で元ロシア人スパイが神経剤を使って何者かから自宅で殺害された。

容疑者は犯行時に使った注射器のような容器を公共の場に捨てて立ち去った。

6月29日。ソールズベリーを訪れていた40代の英国人の男女がその容器を拾ったものと思われ意識不明で救急搬送されていたが、女性のスタージェスさんが7月8日、入院先の病院で死亡した。男性のロウリーさんは重体状態が続いている。

毒物の名は「ノビチョク」。1971年、ソビエト連邦時代の化学兵器研究で開発されたものでその後ロシア政府に引き継がれていた。開発した科学者によればVXガスの5倍から8倍、ソマンの10倍以上の致死性があると主張している。

この毒物は戦争での使用ではなく諜報活動上での利用を想定したもののようだが、ロシア連邦当局は「研究も生産もしていない」と関与を否定している。つまり秘密兵器だということ。

「ノビチョク」は、化学物質の検出装置で検出することが困難なように設計されており、NATOの化学防護を突破すること、取り扱いが安全であることなどが開発命題だったという証言がある。使用直前に2剤を混合させて毒性を発生させる「バイナリー兵器」であり、オウムが地下鉄で使用したサリンと同じである。

ロシアの軍事化学コンビナートに勤務していた科学者が、外国のスパイが生産の痕跡を検出できないことを確認するため化学兵器施設の外から測定を行っていた。致死性物質が安全基準の80倍の量検出されたことで彼は恐れ、週刊モスコフスキーに暴露記事を載せた。これを受けてロシアの有力なバイナリー兵器科学者の一人であるウラジーミル ・ウグレフが、1994年初頭にノヴォイェ・ヴレーミャ誌のインタビューでA-232/ノビチョク5の存在を明かした。

アメリカの地政学顧問であるステファニー・フィッツパトリックは、ノビチョクはソ連のウズベキスタン、ヌクスにある化学研究所で生産されていると主張しており、ニューヨーク・タイムズは米国当局者の話として、この施設はノビチョクの主要な研究と実験場であると報じた。

(ここまで一部 Wikipedia より引用)

旧ソ連の兵器開発はウクライナを中心に進められていた。それは海外からの資材調達に便利だったからでもあったが、毒ガスの研究開発とかいうものに関しては極力外部からの接触機会が少ない方が良い。ここにウズベキスタンという地名が出て来る。

ウズベキスタン共和国という国は旧ソ連の連邦国家だったところで、中央アジアに位置する。カザフスタン、アフガニスタン。タジキスタンなどと国境を接しており、国境を最低でも2回超えないと海に出ることができない、いわゆる「二重内陸国」と呼ばれている。

第二次大戦集結後、シベリア抑留された日本兵の一部が中央アジアに連行され強制労働が課された。(これらの被害と加害が問われなさ過ぎている)ウズベキスタン各地でもダム建設やナヴォイ劇場などの建築に日本兵が労役させられたがこれらは現在でも活用されていて日本人の勤勉な労働技術が評価されている。

日本は1991年12月にウズベキスタンを国家として承認し、1992年1月に国交を樹立する。ウズベキスタン国内では旧ソビエト連邦時代に使用されていたインフラが使用され続けている分野が多く、鉄道の電化や機材整備、火力発電所の増設などインフラ整備の分野において日本による貢献は大きい。

スポーツ分野においては、リショド・ソビロフ選手が世界柔道選手権大会男子60kg級で2連覇、アブドゥロ・タングリエフ選手が2011年世界柔道選手権大会無差別級で金メダルを獲得するなど、ウズベキスタン国内では柔道や空手、合気道をはじめとする日本武道に対する関心が高く、2012年の日本・ウズベキスタン国交樹立20周年記念事業では、スポーツ交流支援事業として柔道や合気道の指導が行われた。いわゆる典型的な親日国というものである。

そのウズベキスタンのヌクスという都市に毒ガス研究所があるという。ヌクスとはウズベキスタンの西部にある自治共和国であるカラカルパクスタン共和国の首都になる。カラカルパクスタン共和国とはあくまでもウズベキスタン共和国の中の自治区であって主権国家ではない。しかし独自の憲法があり国旗も国歌もあるといった点が日本人にはなかなか理解できない面がある。アメリカ合衆国の中のひとつの州といったところだろうか。

カラカルパクスタン国民全体の国民投票によってウズベキスタン共和国から独立する権利を有すると憲法第1条に規定されているが、逆に言えばそれまではウズベキスタンの憲法の枠内にあって外交権もないことを意味している。

カラカルパクスタン共和国の経済は農産物の生産に支えられて来たが、旧ソ連時代の環境無視の農業政策によって淡水湖であるアラル海の水位が低下して環境が悪化したことから農業は絶望視されている。国民はウズベキスタンも含めた国外への移住が進んでいて人口は減少しつつある。そういった土地にロシアの化学兵器研究所はあった。

国民の大半はイスラム教のスンニ派である。



さぁ、ここから何を読み解くか。スンニと言えばイランと敵対しているサウジだし北アフリカ諸国のほとんどだ。待てよ、中央アジアと言えば、新疆ウイグル自治区とも無縁ではなさそうだぞ。

いろんな謎が徐々に明らかになっている。中国熊のプーさんよ、大丈夫か?



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Author:old comber
硬派と軟派の二重人格がまき散らす猛毒 ショック死しても知らないよ

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