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兵神装備株式会社

昨日に引き続き日本の企業力について書こうと思う。

となりのせがれが工作機械のメーカーにメカニックとして入社した話は以前にご紹介した。食品メーカーや製薬会社の製造ラインを作っているらしい。

そのせがれが遊びに来て猫の頭を撫でながら、「おじさん、ヘーシンソービって会社知ってる?」と言ってよこした。

(私)「おいおい、文字がわからなきゃムリだよ」

(倅)「兵庫の兵に神戸の神」

(私)「兵神装備? ああ、何か聞いたことあるよ、特殊ポンプのメーカーだろ?」

(倅)「あ、良く知ってた、誉めてつかわす。何か、クネクネしたピストンがシリンダーの中で回転することで脈動しない定量ポンプの働きをするんだそうだよ。うちの機械にも使ってるんだけどさ、日本の企業って凄いもの作ってるんだよね。驚いちゃった」

(私)「エジプト時代に、井戸水を汲み上げるのに螺旋を回した。あの発想の発展形かな?」

(倅)「へぇ、そっちは知らねーや」



せがれが帰った後で少し調べてみた。

なになに? ヘイシンモーノポンプという製品名の産業用ポンプを製造・販売している会社らしい。「一軸偏心ねじポンプ」と呼ぶらしく、一軸偏心(いちじくへんしん)では一般人には何のことやらさっぱりわからない。ただ、この特殊ポンプがもの凄いことになっている。

粘度の低い水のような液体から、ハチミツや接着剤、味噌などの高粘度の液体までを脈動なく送ることができるとある。対象となる産業も多岐に渡っていて、化粧品メーカーから食品メーカー、医薬品メーカーや建設業界、果ては下水処理まで何にでも応用するらしい。鉄鋼や発電に並ぶ基幹産業だと言って良い。

モーノディスペンサーというポンプをロボットアームの先に装着して3次元操作すれば、機械製品の接着剤やシール剤が正確に塗布できて、材料コストのムダを省くことが可能になるという。

顧客の要望に応えることができるカスタム製品が可能で、直径1ミリの偏心ローター(雄ネジ)まで作るらしい。また、ローターとステーター(雌ネジ)の素材開発も進められていて、アルミナセラミック製のローターはリチウム電池の製造に使われているという。次世代製品を生み出すためには、その製造機械の開発や素材開発から始めなければならないという点では、それこそ「国力=チームワーク」だと言えるだろう。

直径1ミリのローターでディスペンサー(液体定量吐出装置)でできることと言うと、スマホなどの精密機械へ接着剤やグリースを塗布する際に使用するもので、点塗布ならば直径0.5ミリから線塗布ならば幅0.1ミリまで対応できるのだという。それも塗布量を厳密に調整管理して。

こういった基礎技術が育っている国だから人口衛星を飛ばすことができて、小惑星まで「行って来い」もできるわけだ。凄すぎる。

また、果肉ソースとヨーグルトとか、味噌と調味料などをインラインで混合しながら定量吐出することもできるとされ、食品製造ラインには無くてはならない機械になっている。

別の言い方をすれば、ロスがより少なくなって人手も減らすことができるようになる。優秀な人材は適所に回すことができるようになるわけ。日本の鉄道会社では労組がストライキを計画したら組合員が脱会した。韓国ではストライキを政府が奨励している雰囲気もある。ギャラクシーを製造しているサムスンにも労組ができたのだとか。ストを打つ社員ならモーノポンプの方が余程マシだ。

資本金は9900万円で年商は約100億。従業員数は394名で、本社はもちろん神戸で東京・仙台・埼玉・横浜・名古屋・滋賀・大阪・福岡・台湾に事業所を置く中堅企業である。(中国・韓国に事業所を置いていない点がさすがである)

無借金経営だというこの会社、調べれば調べるほどおもしろい。






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Author:old comber
硬派と軟派の二重人格がまき散らす猛毒 ショック死しても知らないよ

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