九州電力の計画ミス

九州電力が株式を30.5%保有する実質的な子会社が(株)九電工です。

九州電力は宮崎県の串間市に原子力発電所の建設を計画していましたが、市長が賛成派と反対派に二分して選挙を繰り返し、両派の交代劇が演じられ、結果的に賛成派の市長候補が「住民投票」を選挙公約に掲げて当選。市長職に返り咲いた人物は公約通り住民投票の準備に入ったのでしたがその直後に起きたのが福島第一原発の爆発事故。これでは住民投票の結果は目に見えているとして実施を見送ったわけです。
つまり九州電力は原発建設計画を凍結せざるを得なかったわけでした。

その串間市に、原発ではなく風力発電の施設が造られました。
九電と九電工が共同出資して、27基60MWクラスの発電所計画です。
串間風力発電所の設備計画では、九州最大の風力発電所にするというものでした。
しかし考えてみれば、再生可能エネルギーは各電力事業者が買い取る決まりになっていて、その買い取り価格は通常の電力よりも高額に設定されています。
ということは、九電と子会社が出資して建設した発電所で生み出される電力が、高額で九電自身が買い取ることになって、その差額分は風力発電の生産者である九電と九電工が「ヤマ分け」する形になります。串間風力発電所という企業の営業利益でありまた株主への配当に充当されるんです。
さらに、九電が高額で買い取ることによって生じる損失は、発電コストの負担増として、消費者に対して電気料金の値上げ対象にできるんです。総括原価方式だからです。
絶対に九電は損をしない仕組みが出来上がっている。どこか変だと思いませんか?

しかしここへ来て状況に変化が出て来たようです。
以下は九州電力のホームページからの引用です。

「九州本土の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答保留について
 平素は、弊社の事業運営に格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、弊社では、平成26年9月24日(水曜日)に公表させていただきましたとおり、再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みにつきまして、平成26年9月25日(木曜日)から、しばらくの間、お申込みの回答を保留させていただくこととなりました。
 関係者の皆さまには大変ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんが、ご理解とご協力をお願いします。
 なお、ご家庭用の太陽光(10kW未満)などのお申込みにつきましては、当面回答保留の対象外といたします。」

すなわち個人住宅の屋根に設置したようなソーラーパネルは対象外として、休耕田や採石場などに設置したりするいわゆる「メガソーラー」と呼ばれる会社形態の発電事業者を対象にして、買い取り契約を中断しているということです。
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度による認定容量が、九州の場合最大電力需要を上回っているとされ、要するに供給が需要を上回っているわけです。
そこへ持って来て安倍政権が鹿児島の川内原発を再稼働させようとしていることから「供給過剰になっている現状で、原発を動かす意味がない」といった批判が出る可能性が出て来たんですね。
買い取り認定容量と電力需要が近づいている電力会社は北海道電力と東北電力ですが、逆転しているのは今のところ九州電力だけ。
つまりこの問題を早期解決しなければ、原発の再稼働を申請していても、需給のバランスから言って再稼働の許可が降りにくい事態が予想されるわけです。
それが北海道電力と東北電力と九州電力だというわけです。
東京電力や中部・関西の両電力などはまだ需要の方が圧倒的に多いのであって、原発再稼働の必要性は高いと言えますが、九州の場合はどうでしょうか。
風力やソーラーなどの電力が余剰になっているんですから、鹿児島川内の名前が出て来ること自体がおかしなことになってしまいます。

2014年9月27日の共同通信記事を引用してみましょう。

政府は26日、送電網の容量限界から電力会社が再生可能エネルギーの買い取りを中断する動きが広がり始めた事態を受け、固定価格買い取り制度の抜本改定に着手した。
再生エネルギー特別措置法はエネルギー基本計画に合わせ約3年ごとの見直しを定めている。
政府は早急な対策が必要と判断、2017年ごろと見込まれていた改定時期を前倒しする。
 この問題では九州電力が25日から九州全域で買い取り契約の受け付けを中断。
東北電力も同日、中断検討を発表した。さらに東京電力が一部地域で受け付け制限を始めているほか、四国電力も対応策の検討に入った。
 大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業者などに動揺が広がっており、各地で再生エネルギーの普及にブレーキがかかる可能性がある。
 小渕優子経済産業相は26日の閣議後記者会見で「再生エネルギーの最大限の導入に向け、あらゆる角度から検証する」と述べ、有識者会議の中に専門部会を立ち上げることを明らかにした。
改定では①買い取り量の上限設定②買い取り価格の水準や算定方法―などが焦点になる見通し。
 電力各社は最大電力需要を想定して必要な容量の送電網を整備している。
容量を超えれば大規模停電を招くリスクがある。
買い取り認定を受けたメガソーラーなどをすべて接続した場合、夏場の最大電力需要と比較すると、九電はすでに容量をオーバーし、東北電も9割に接近。
火力などの発電分を加えると他電力も余裕はない。送電網の増強には数兆円かかるとの試算もあり、改定議論ではコスト負担のあり方も検討課題になりそうだ。
 再生エネルギーは天候の影響を受けやすく発電量が安定しないのが弱点。
原発が停止している中、火力を減らし再生エネルギーを一方的に拡大すれば安定供給に支障が生じる恐れがあるほか、買い取り量が増える分、国民負担が重くなるとの指摘もある。
 買い取り制度は東電福島第1原発事故を受け、原発依存の脱却を目指してつくられた。高い価格で原則全量を買い取ってもらえるため、政府・電力会社の想定を超える事業者が参入した。

(引用ここまで)

「電力会社の想定を超える事業者が参入した」と言っても九電の場合はみずからが「参入」したわけでしょ。今になって新規契約はご遠慮くださいなんて言おうものなら「ふざけんな!」と責められるのがオチですよ。
麻生さん、あなたの後援会の中心が九州電力だということはわかっていますが、だからと言って川内原発を最初に再稼働させる必要がどこを見ても出て来ないんですが、そこんとこどうなんでしょう。

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