人種差別を知らない

私の実家は長崎の浦上地区という場所にあって、長崎大学の医学部と大学病院が近くにあった。

古くは江戸時代後半にオランダ医学が入って来たことから「医学は長崎で」という風潮が残っていたが、近代における医学の中心というわけではない。しかし、医学を志す以上は、と言って長崎大学の医学部には全国から学生が集まって来るのもまた事実だ。

だから医学部キャンパスの周辺にはアパートや賃貸マンションが密集している。ワンルームマンションであるにも関わらず駐車場には高級なスポーツカーが停まっていたりするのは、開業医の子弟が住んでいるからなのかも知れない。

そうした土地だから、海外からの留学生も少なくない。白人が日本で医学を学ぶことは滅多にないが、中国人と黒人とアラブ人が多い。東南アジアの人もいる。私が中学生だった頃から急激に増えた。だからなのか土地の人はあまり外国人にアレルギーがない。近くの商店街などには、一目でわかるような黒人の家族が買い物をしていたりする。黒人の子供は男女の別なく非常に可愛い。

アラブや東南アジアの女性はヒジャブを被っているからこれもすぐにわかるし、中国人は声が大きいのでこれもまたすぐに見分けがつく。

ただ、医学を志して来るほどだから、かなり意識レベルが高くて、観光客のように行儀が悪い人はまずいない。

だからなのだろうけれど、観光地である長崎の中でも浦上地区の人はほとんど外国人を差別したり嫌ったりしない。

スーパーの野菜売り場で黒人が近づいて来たり、食堂で後ろに座られたりしても嫌がることはない。(ただアラブの人は相対的に体臭がきつい場合があるが)

フランス語圏のアフリカの国から来ている黒人さんも、日本ではフランス語が通じにくいことを知っているから、日本語か英語で話しかけて来る。誰ひとり避ける人はいない。

ところが、ところがだ。韓国のソウルに仕事で行った時に感じたのは、ソウルに住む黒人さんは険しい目つきをしていたのだ。韓国には在韓米軍が駐留していて、特に前線基地であるソウル近郊には戦死の危険性が高い分黒人兵が多く配置されていた。今ではどうか知らないがたぶん沖縄と似たり寄ったりではないだろうか。有事の際には緊急出動が命じられるのだから、黒人兵が多いのかも知れない。

しかし何でまた韓国の黒人は険しい目つきをするのかというと、韓国人は黒人を見ただけで、下等動物のような対応をするのだそうだ。買い物に行っても、おつりを足元に投げてよこしたりするそうだ。韓国人は世界で二番目に優れた民族だという自意識があるらしい。一番がどこかは言うまでもない。

我々日本人でも黒人さんの顔は見分けがつかなかったりすることがある。それと同じように黒人さんにとっても東アジアの中国人・韓国人・日本人というのは見分けがつかないそうだ。

だから語学留学などで日本人がアメリカに行ったりすると、韓国人と思われて黒人から悪意のこもった対応をされたりするらしい。

黒人さんから「好きな俳優は?」と聞かれたら「エディ・マーフィー」と答えれば良い。白人なら「ジョン・ウェイン」だ。これは長崎で教えられた。

なぜ日本人の多くが黒人さんに拒否感がないのかというと、日本の歴史に奴隷というものがなかったためだ。エタ・非人といった差別階級はあったが売買されるような奴隷はいなかった。歴史上奴隷制度がなかった先進国は日本くらいのものなんだという。

満州で現地招集を受けた乙種合格の父が日本へ引き揚げて来た時に、麻袋に写真を詰めて持ち帰った。そこには現地の満州人と仲良さそうに笑顔で写った父がいた。

私が好きな番組に『Youは何しにニッポンへ?』というものがあるが、あの番組のナレーターをしているのがボビー・オロゴンだ。適役だろうといつも思って観ている。






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