待ったなし

1962年に米国が北太平洋上空400kmで行った高高度核実験(スターフィッシュ・プライム)では、実験場から1300km以上離れたハワイ・オアフ島で停電が発生した。これは電磁パルスの発生によるもので、爆風や熱戦は地上に届くことはなかったが、核分裂の際に生じたガンマ線が大気中の窒素や酸素などの分子に衝突し電子をはじき出す現象を指す。

勢いよく飛び出した電子は雷の約100万倍の電流を発生させ、送電線を通じてあらゆる電気設備を破壊し、落雷を受けたように走行中の自動車の電子部品を破壊し、飛行中の航空機に障害を与える。
送電線はアンテナの役目を果たすので、変電所でブレーカーを切れば済むといった単純なことでは済まない。
住宅街の電柱に雷が落ちれば、周辺一帯が停電するのと同じだ。

衛星写真でいかに日本の夜が明るいかがわかるのだが、それだけ送電網が列島を走り回っていることを意味している。北朝鮮の夜なんかは真っ暗だ。砂漠同然の国にEMPが怖いわけがない。

1962年当時はまだ真空管が主流だったことから電極間が大きかったので、停電以外の大規模被害は起こらなかったが、現代は半導体の集積回路が使われているために電極間が微細になっていて瞬間的な過電流によって焼き切れてしまう。つまり物理的に破壊されるので通電が戻れば復旧するというものではなく「焼き切れたらそれっきり」ということになる。

電気が停まるのだから、交通はストップし各種の生産ラインは止まり水道も出なくなり、そして原子力発電プラントの冷却も制御システムも停止する。制御棒を動かすこともできないし冷却することもできなくなる。つまりどんなに最新型の原発であったとしても必ず暴走を始める。

2017年9月3日の北朝鮮の核実験は約70キロトンと想定されているが、高度100kmの場合の電磁パルスは日本全土をほぼ覆う半径約1100kmに達するとされていて、1962年の上記「スターフィッシュプライム」は高度400kmだった。

つまり大気圏外なので「宇宙平和利用協定」の国際条約によって攻撃はできないことになっているから、北朝鮮が核攻撃をして来るとすれば、大気圏への再突入の必要がないこの電磁パルス攻撃を選ぶ可能性が高い。

もともと社会インフラ整備が遅れている北朝鮮は受ける被害があまり多くないし手作業による部分が多い。それに対して韓国にせよ日本にせよ電子機器が動かなくなれば命取りになるのであって手も足も出なくなる。米軍にしてもGPSが使えなくなれば精密誘導爆弾や巡航ミサイルは使えない。北朝鮮にとって願ったり叶ったりの状況が生まれることになる。

事態がここまで発展した以上、北朝鮮が早いかアメリカが早いかという先手必勝の状態になっている。韓国のムンが「我が国の同意がなければ戦闘状態には入れない」と言ったとされているが、米軍側は「同意は不必要だ」と突っぱねた。当然だろう。戦時作戦統制権はアメリカが握っているのだから。



EMP攻撃に関しては、産経ニュースがすでに3月4日の記事で取り上げており「EMP攻撃で「文明」は崩壊…日本は何千万人も餓死に追い込まれる」と載せている。

読売オンラインでも5月24日の記事で「高度上空の核爆発で起きる「電気がない世界」の恐怖」と題する永田和男・調査研究本部主任研究員の意見を掲載した。

今に始まった話ではないのだ。

今回の核実験で気を良くした北朝鮮はこのEMP攻撃とともに中性子爆弾にも言及した。中性子爆弾は熱核爆発による衝撃波や熱戦よりも中性子線の放射によって物理的破壊ではなく生物への殺傷能力に重点を置いた兵器だ。

だからビルや鉄道などのインフラを破壊することなく生物だけを集中的に殺傷するので、北朝鮮のような貧しい国家には渡りに舟と言える兵器であり、これを使用するとしたら真っ先にソウルだろうと予想される。米軍関係者が多く居住している地域だ。ビルやクルマはそのままにして、人間だけがバタバタと死んでゆく。ムンが何を言ったか知らないが相手にしているヒマはない。

中性子線の発生にあたっては、核分裂よりも核融合の方が効率が良いため、水素爆弾が用いられるとされていてまさに北朝鮮の発表と合致している。

北朝鮮の発表に信ぴょう性があればあるほど、アメリカ軍の攻撃は近いと思った方が良く、それはすでに金正恩一人の命がどうだこうだという時点は過ぎているということを意味している。すなわち「焦土作戦」しか残されていない。それも絶対に失敗できない作戦であり焼き払うしか道はない。現在のアメリカ軍の能力から言えば不可能ではないだろうけれど、それは「北対アメリカ」ととらえた場合のことであって、中国やロシアが黙って見ている場合に限った話だ。



EMPにせよ中性子にせよ、解体した旧ソビエトの技術が北へ渡ったと考えるのが妥当だろう。

今週中にもXデーが始まる。国会がソバ屋で遊んでいる間に「対話と圧力」などといった時期はとっくに過ぎてしまった。

稼働中の原発の近くに住む人は「臨時ニュース」に敏感になるべきだろう。EMPでメルトダウンする(かも)よ。

2017年6月6日以降、日本で稼動している(商業用)原子力発電所は川内原発1号機2号機と伊方原発3号機、高浜原発3、4号機の5基ですから念のため。




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