SPEEDIネットワークシステム

昭和54年に発生した米国スリーマイルアイランド原発事故を受けて、日本原子力研究所は事故発生事業所および周辺環境の放射性物質の分布状況と被曝線量などの予測のためSPEEDIシステムの設計を開始した。
昭和59年に基本システムが完成し、翌年の昭和60年に福島および佐賀県などを対象とするSPEEDIネットワークシステムの維持・運用を開始。
平成2年に、中央情報処理計算機が原子力安全技術センターに設置され、平成14年には全国19都道府県となり、全国22か所に整備されたオフサイトセンターとも接続された。
平成17年には気象予測の方法をはじめとする予測精度の向上を図るためにモデルの改良が加えられた。
これまでに注ぎ込まれた予算総額は100億円を超えている。

2011年3月に起きた福島原発事故の際、ベント解放とともに原子炉建屋が爆発し大量の放射性物質が周辺に撒き散らされたが、当時の文科省(SPEEDIの監督省庁)の大臣だった民主党の高木義明ら政務三役と文科省幹部が協議し「一般にはとても公表できない内容と判断」と記した内部文書を2011年3月15日に作成し、より標準的な内容のデータを用意したと、2012年3月3日の中国新聞が報じた。
すなわち民主党政権、特に高木文科相は100億円を超えるネットワークシステムを無駄にさせただけではなく、周辺住民の生命と財産を犠牲にした張本人だったのである。

現在、政権は自民党に戻ったが、安倍政権は原発の再稼働に前のめりになっていて九州の川内原発が最有力候補になっている。
麻生副総理の地元である福岡で安倍総理は「川内原発の再稼働は期待してほしい」と語った。九州電力の本社は福岡にあり、九電と麻生副総理は選挙協力している間柄だからである。
現在の文科相は下村博文であり、自民党が野党だったころからすでにシャドウキャビネットである仮想内閣における文部科学大臣ならびに科学技術特命担当大臣になっていた人物である。
文部分野と科学分野を兼務する省庁だが、高木と違いこの下村博文氏はどちらかと言うと文部分野が得意のようであり、主に「教育再生」を得意としている。
すなわち、福島での原発事故と同様のことが鹿児島の川内で起こった場合、科学技術分野としてのSPEEDIデータが下村の名によって確実に公表されるといった保障は今のところ見当たらない。
なぜならば、そこには九電や麻生太郎などといった「しがらみ」が多すぎる土地だからだ。

薩摩川内が火山や豪雨災害、あるいは火山灰の土壌による地滑りなどの危険性を問う声は少なくない。
しかし自民党や原子力規制委員会などが念頭に置いているのはそうした科学的根拠なのではなく、あくまでも政治的利害でしかなさそうである。
福島原発の周辺住民は全国各地に流民となって散りぢりになっていて帰郷の目途は何も立っていない。

エネルギー政策や輸入燃料の価格高騰などを考慮すれば「再稼働も止む無し」なのかも知れないが、薩摩川内市の人々の将来と九電・麻生の利権とを天秤にかけているように見えて仕方がない。
まだ鹿児島県知事がまともな人物であったならば救いもあるのだが、どうもそうとは言えそうにない。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR