有っても無くても『良い国』

安倍晋三首相が明らかにした、朝鮮半島有事の際に予想される日本への難民流入の対処策の検討についてである。

4月23日付けの産経ニュースを引用してみたい。

『安倍首相は17日の衆院決算行政監視委員会で、「避難民の保護に続いて、上陸手続き、収容施設の設置および運営、(日本政府が)庇護(ひご)すべき者にあたるかのスクリーニング(ふるい分け)といった一連の対応を想定している」と述べた。また、在韓邦人の保護について「さまざまな状況を想定し、必要な準備、検討を行っている」と語った。安倍首相の発言について、韓国の聯合ニュースは同日、「隣国である韓国民の不安を高めかねず、実際に対策を進めていても言うべきではない」と批判を込めて報じた。翌18日、韓国外務省の定例会見で報道官は安倍首相の発言に対し、「最近の朝鮮半島情勢に関し、仮想の状況を前提とし、誤解を招いたり、朝鮮半島の平和と安定に否定的な影響を及ぼし得る言及は自制すべきだ」と述べた。韓国人記者の質問に答えたものだが、韓国メディアからは「外交的に相当な問題発言だと思う」と韓国政府に「憂慮や遺憾の意」の表明を促したいかのような質問も続いた。同日付の韓国紙も「度を超した日本にブレーキをかけるべきだとの世論が強い」(韓国日報)と安倍首相の発言を批判している。』
「日本による危機あおり論」の最たるものは、朝鮮日報(18日付)の社説だ。要旨を紹介したい。
①「緊張をあおるような低水準の稚拙な言動といわざるを得ない」
②「日本の一部メディアは、まるで朝鮮半島ですぐに何かが起こるかのように軽はずみに振る舞っている」
③「安倍(首相)の言葉は少女像(在韓日本公館の前に違法に設置された慰安婦像)に対する感情的な腹いせにしか聞こえない。韓国国会で『日本で大地震が発生し韓国に難民が流入した場合』の対策を聞く質問に、韓国の公職者が『スクリーニングする』と答弁する光景を想像してみればいい」
④「まるで隣国の不幸を願い、楽しむような言動」
⑤「戦争勃発を前提に韓国人が難民となって押し寄せる状況を想像した。隣国の国民の自尊心に触れる軽はずみな発言と言わざるを得ない」

(引用ここまで)

韓国はまだわかっていない。自分たちが自分たちを中心にして物事を考えるのは当然だが、日本は韓国を中心にして物事を考えはしない。安倍首相の発言はあくまでも主語を「日本国民」に据えていて当然過ぎるほどに当然なのだ。

民進党の愚かな議員が、組織犯罪処罰法が「成立すると国外亡命を考えなければならなくなる」とツイッターに投稿した問題で「国民の生命・財産を守るのが国会議員だろう。お前が先に逃げ出してどうするんだ」といった批判が集中した。

主体が何で、みずから手を挙げて立候補したのだから当然自分の使命はわかっているはずだ。だから日本の首相がどう言ったこう言ったといちいち騒ぎ立てる以前の問題として、自国は「休戦協定に調印していない戦闘維持国家であるとする自覚」を先に持つべきである。

自分の足元がどこにあり、どこを向いているのかがわかっていない者が多すぎる。

上記の①だが、緊張を煽っているのは日本ではなく北朝鮮だという事実が理解できていない。②の指摘が本当ならば、なぜソウルでは空襲訓練がおこなわれているのか。③に至っては笑止千万なのであって、日本から避難民が朝鮮半島に渡ったことは有史以来一度たりともない。済州島4・3事件を受けて逆に朝鮮人が日本へ密航して来たことはあったけれど。

④の「隣国の不幸を楽しむ」というのは、東日本大震災の際に「日本列島沈没」と大喜びしたのが朝鮮人だったではないか。⑤の「自尊心」を持ち出せば、在日朝鮮・韓国人の人々の立場がなくなるのだが。

韓国中央日報はまた、東京特派員のコラムとして、「日本で朝鮮半島危機説をあおる発言をするのは(朝鮮半島情勢を重く受け止めることとは)別問題だ」としながら安倍首相が12日に、「さまざまな事態が起きた際には、拉致被害者の救出について米国の協力を要請している」と語ったことなどを、コラムは「政治的発言」「攻撃的防衛戦略と防衛力整備に活用しようとする意図がうかがえる」とまで批判した。

「日本の行き過ぎた危機意識や対応は周辺国の疑いを招くだけだ。北朝鮮の核問題に対する関係国間の共助の雰囲気も害するかもしれない」と主張した。ここでの「周辺国」「関係国」とは明らかに韓国を指している。(産経ニュースより)

すなわち現在の朝鮮半島情勢の緊迫感は日本が騒ぐほど深刻なのではなく、日本政府は政治的目的で煽りかけているとする主張である。この場合の主語は韓国だということになる。

屋内にいる人と屋外にいる人が居て、屋内の人が玄関のカギをかけようとしたら「そんなことをするのは、我々に失礼だろう!」と怒鳴り込んで来たようなもので、どうしようもなく相手にならない。屋外の人の事情はともかくとして、自分の家族の安全を図るのが家長の役目であって、民進党の議員のような卑怯者が居ては困るのだ。

ましてや韓国の顔色を窺いながら防衛しなければならなくなったら、自衛隊はどれほどの犠牲者を出すかわからない。それでなくても戦後の憲法で手足を縛られているのに、韓国から腰縄まで付けられては身動きが取れなくなる。自衛隊は日本国民を守るけれど、日本国民も自衛隊を守る責任がある。韓国の都合に合わせて犠牲者が出るようなことは絶対にあってはならない。

産経ニュースは言う。『「度を超した発言」「軽はずみな振る舞い」「レベルの低い稚拙な言動」。これらの表現は、韓国メディアが日本を批判し、こき下ろす(こき下ろしたい?)際には必ずといっていいほど登場する』と。

ところが今の韓国は日本に向き直って口角泡を飛ばす段階ではない。非武装地の向こうから榴弾砲やロケット弾が安全装置を解かれている。中央日報や朝鮮日報は、日本政府がどうしたこうしたを取り上げているヒマはないはずだ。

こうした危機的状況の中においてもそうなのかと考えれば、韓国は現在リーダー不在なのであって、極左(従北)か中道かの争いになっている。日本はそれに対してどっちが良いとかは一言も言っていないのだが、韓国メディアは極左の肩を持とうとしている。だから何が何でも、不合理ないちゃもんを付けてでも日本攻撃に出たがるわけであり、日韓の政府に温度差ができればそれは北の利益であってプーチンからも「でかした」と言ってもらえる。

「主語」という言葉を使ったが、この場合の「主語」は韓国でも日本でもない。北朝鮮だ。

「大げさに騒いでいる」だの「過度の対応」だのというセリフが韓国のものではなく北朝鮮のものだと仮定すれば、すべてはスッキリするではないか。だからこうした中央日報や朝鮮日報などのコラムに振り回されてはならない。「日本が韓国を煽っている」という煽りを、北朝鮮の利益として流しているだけだ。

「戦犯国である日本が戦争をあおっている。緊張を悪用し、日本が『戦争ができる国』にすることを正当化する意図がある」との発言は日本の民進党の主張とそっくりなのだが、実は韓国大統領選挙に立候補した中道左派のアン・チョルス陣営のメッセージなのだ。

実は韓国(南朝鮮)には「戦争が始まってほしくない」という根深い願望がある。首都であるソウルがあまりにも軍事境界線に近すぎて、しかも人口の半数が集中している。戦火が始まれば数日で陥落する都市であることは過去の歴史(漢江人道橋爆破事件)が教えている。その「起きて欲しくない」がいつしか「起こるはずがない」に替わった。

かつてこう発言した韓国人がいた。「人のものであっても、自分のものだと百回思えば自分のものになる」と。竹島もその理屈の延長にあるのだろうが、ソウルが火の海になることはないと本気で信じているとしたら、こんな国とまともに取り引きをやる者は愚かだ。

だから韓国の大統領になろうとする人物は「戦争などは可能性がとても低いものであって日本が勝手に騒いでいる」と主張した方が説得力があることになる。バカを誘導しようとすればバカなことを言う必要があるわけだ。

産経新聞が韓国メディアに過敏に反論しているが、私に言わすれば「わざとあいつら言ってるんだから、放っときゃ良いのに」となる。

アメリカは朝鮮半島の有事を利用して中国を動かそうとしている。そのアメリカの動きにロシアも反応している。誰も朝鮮半島を中心にものごとを考えてはいない。(辺真一以外は)

表面的には北朝鮮が問題になっているが、韓国のことなどどこの政治家も口にしていない。




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