地蔵菩薩

むかし、趣味で写真をやっていた。今のようにデジタルじゃないからフィルムを買って来て24カットとか36カットしか撮れない時代のことである。

知人がキャノンのF-1を持っていたが、戦車のように重たいカメラだった。(戦車を持ったことはないが)

私が使っていたのはミノルタとニコン。ロッコール・レンズとニッコール・レンズとで味がちがって来る。

どんな写真を撮っていたかというと、山道などにぽつんとある古い地蔵菩薩を好んで撮っていた。

古くなった石仏は地衣類というコケのような物が表面に付いて、それが石碑なんかに付くと彫られた文字が読めなくなったりする。

それはそれで味わいが出るんだが、お地蔵さんの背後には蕗などの雑草が茂って名前も知らないような小さい花が咲いていたりする。

木造の祠なんかがあれば良い方で、ほとんどが野ざらしになっている。キャラメルの箱とかが供えられていたりもするんだが雨に打たれてしわくちゃになっていた。

そうしたお地蔵さんを見つけると、山道にクルマを停めてカメラを構える。下校中の黄色い帽子が『こんにちはー』と言って行く。

山風が吹いて木々の葉っぱを揺らして通る。

地蔵菩薩というのは観音菩薩と同じ位で、如来に次ぐ高位だ。

その菩薩が道端で野ざらしにされて登下校の子供たちを見守っている。

ありがたいことだ。



ネガは残してあるのだが、もうどうしようもない持ち物になってしまった。

そのうち女房どのからネガ・アルバムを捨てられるだろう。





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