臭い街

むかし、同僚たちが小さなグループを作って韓国の釜山に旅行したことがあった。私は法事か何かの予定が入っていて参加しなかった。

そのグループは男ばかりで予約を入れたホテルとか航空チケットとかの細々したマネージャー的な面倒を見てくれるために旅行費を全員で負担して一人の女性社員を同行させた。

けっこう気が利く女性で、酒の相手もするような社交性がある人だった。

欠席した私に、お菓子か何かの土産をくれたが、その際に『どうだった? プサンは』と聞いたところ『臭い街でした』という返事が返って来た。

てっきりキムチのことだと勝手に受け取って、変な納得をした私だったが、数年前に女房どのの友達がプサンに遊びに行ったとかで、帰国後の話を聞かされた。

『あっちでは、トイレに紙を流しちゃいけないらしくて、使用済みのペーパーはゴミ箱に捨てるんだと。だから街中がトイレ臭くてかなわない』んだとか。

なるほど、むかし女性社員が言っていたのはそういうことだったのかと遅まきながら納得した。

あっちの屋台はビニールの風よけを張っているんだが、トイレはどうなっているかと言うと、歩道の街路樹の下にバケツが置いてあって、そこに立ち小便をするんだとか。営業終了後に店主が近くの公園のトイレに運ぶんたとさ。呆れた国だまったく。

街中が糞尿臭いのだから、汚い像が一つや二つあったところでどうと言うこともないのだろう。

少女像の横にゴミの山ができていて、市はそれも『民間人がやったことに行政は対処できない』として撤去できないらしい。冗談のような本当の話。

観光船の中国人旅行客が下船しないのだとか。中国人から汚がられてはどうしようもない。ノロやコレラはまだ続いているのだろうか。

インドネシアに嫁いだ姪が、トイレ事情が悪いことから腸チフスに罹ったと聞いた。清潔度調査で仁川国際空港が何位だとか騒いでいたが、あそこのトイレは流せるのだろうか。下水管の太さは変らないだろうからな。

日本人が当たり前のように普通に暮らしている毎日が、外国ではとんでもない桁違いのことだという実感はなかなか持てない。

停電はほとんどなく、水道水はそのまま飲めて、自動販売機はそこらじゅうにあり、食堂では無料のお茶が出る。チップを渡す必要はなく、電車やバスで騒ぐのはおばさんだけ。落とし物は戻って来て、吸いがらはほとんど落ちてない。

こうした環境が当たり前だと思い込むから、思い違いの日本人が外国で犯罪に遭ったりもする。ミニスカートで夜道を歩けるのは日本だけだと、外国人タレントの誰かが言っていた。

厚切りの何とかいうやかましい男と、どっちが本当なのだろう。Why Japanese people!? と狂人めいた怒鳴り声は日本には向かないのだが。




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