「ニュース女子」vs「BPO」

最近まで誰も触れることができなかった日本の陰の部分、すなわち「アンタッチャブル」にされていたものが少しずつ暴露されはじめた。

代表的な例が広告代理店の電通であり、ここは民放などと広告主の仲介を生業にしている企業であって、広告主に不都合な報道がなされそうになると放送局や新聞社に「報道に手心を加えるように」と依頼する一方で、広告主に対して恩を売り、「もっと宣伝を出してね」といった営業方式を取る。

さらにまた、政治家や警察などの実力者の無能な子弟を入社させて実業成績が上がらなくても、その採用によって各業界に企業としての存在感と発言力を構築して来た。

だから電通を話題にすることはこれまでタブーとされていて、広告主(スポンサー)も媒体(新聞・テレビなど)は腫れ物に触れるように扱って来た。

ところがNET社会に移行しつつある現在、広告方法に変化が出て、電通の神通力がこれまでのように発揮できなくなって来た。違法残業を強いるのも、理由のひとつは業績悪化なのかも知れない。

新聞の発行部数も急減していて、新聞広告や折り込みチラシも減っている。ニュースも番組表も天気予報もNETで見られる時代に入っている。新聞離れが進んでいるように、地上波テレビも視聴率を稼ぐことが難しくなっている。旧来のスタイルで売っていた司会者やキャスターなどが、馬脚を現す時代にどう対応したら良いのかわからないままオロオロとしている。

ひと昔前まで、テレビスタジオにおけるニュース番組ではよく、新聞各社の切り抜き記事を画面に映してアレコレ言っていた。芸能人のゴシップに関しても「この新聞が書いているのであって、当局は責任ありませんから」といった態度だった。あの頃から放送局の記者たちは無能になっていった。取材しなくても駅のキヨスクで新聞を何紙か買って来れば番組が成り立つのだからこんなに楽なことはない。3流大学卒の安いサラリーで無能な記者を雇うことができた時代だった。

地上波がデジタル化されると同時にBS放送が民放に開放されたが、BS11以外は既存の地上波放送局が独占した。(CS放送は別)(BS11は3Dテレビの普及を目指していたが、あえなく失敗した)

フジや朝日ができもしない番組制作に手を出したばかりに、テレビ離れの流れにさからうことができずに再放送や韓国ドラマなどでBS枠を埋めなければならなくなっていった。一つの局がチャンネルを増やすということは、アナウンサーを始めとする製作スタッフが倍増することを意味していて、BS電波をもらったは良いけれど、結局はテレビショッピングでBS枠を埋めている。あるいはいかがわしいサプリメントの宣伝番組を流したり。放送衛星ってそんなことのために打ち上げたのだろうか。



さぁ「電通」「新聞」「テレビ」と来たのだが、ここ数日で尻尾を出しつつある団体がある。BPOだ。

「ニュース女子」という番組がDHCシアターとBOY'S TV DIRECTION COMPANY との共同製作で毎週金曜日の21:00から東京MXテレビで放送されている。

番組のコンセプトは、「日本を代表する論客(オジサマ)たちが女性にも楽しく分かりやすくニュース解説し、次代を担う若い女性達に日本の未来を託すべく集まった社交界」と定義してるそうだ。

ところがこの番組の2017年1月6日放送で、沖縄高江のヘリパッド建設工事への反対運動を取り上げたことによって、「のりこえねっと」なる市民(?)団体が「虚偽」「捏造」「ヘイト」があるとしてBPOに提訴した。

ここで普通なら「のりこえねっと」が注目されるべきところだが、「BPO」の本質が暴露され始めた。と言うのは、反論を受けた当番組(DHCシアター)が、再度の現地取材をおこない「虚偽」や「捏造」がなかったことを証明して見せようとしたところ、東京MX側が放送を拒否したという「事件」である。

当番組への非難の声がBPOにも届けられたことを受けて、東京MXテレビは検証番組の製作を表明していたが「放送までに数か月かかる」としたことからDHCシアター側と意見が合わず、DHCは独自製作をおこなって自社の公式ホームページで3月13日に公開した。

「ニュース女子・特別篇・マスコミが報道しない沖縄・続編」と題する1時間20分の番組はその後同月17日にCS放送のスカパー!でも放送する予定となっているしYouTubeにもUPされているのでいつでも誰でも観ることが可能になっている。

DHCシアターは化粧品会社、ディーエイチシーの子会社で、放送局の意向にとらわれず番組を制作できる独立系の制作会社。「ニュース女子」は同社が制作し、MXは持ち込まれた番組の内容を確認したうえで毎週月曜日に放送しているので、本来東京MXテレビは「流す」だけの存在なのだが、「のりこえねっと」がBPOに提訴したことから局側が必要以上に緊張した格好になっている。

BPOが「虚偽」「捏造」「ヘイト」を受理したことを受けて朝日新聞をはじめとする左派メディアがDHCシアターを一斉攻撃した。

それに対する検証番組だったのであり、3月13日に放送が予定されていた。ところが東京MXテレビの重役がオンエアをしないと決めDHCシアターへ出向いて正式に放送しない旨を告げた。理由はBPOを敵に回したくないから。

つまりこういう順番になる。

「ニュース女子が高江の取材番組を放送した」→「のりこえねっとがデマだと言ってBPOに告げた」→「新聞各社がデマ番組だと報じた」→「ニュース女子が続編番組を制作した」→「東京MXテレビの重役がオンエアしないと決めた」→「YouTubeに流された」

さてそこでだ。「のりこえねっと」なる団体がいかなるものであるかは薄々皆さんもご承知だろうとは思うのだが、今回の出来事があるまで私自身も知らなかったことが浮かび上がって来た。BPOの正体だ。と同時にこの「放送倫理・番組向上機構」という組織がテレビ・ラジオを対象にしているためにNET社会には無力だという確認がここで出来たことになる。

以下は2015年11月13日の朝日新聞の記事である。

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放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会の川端和治(よしはる)委員長は12日、朝日新聞のインタビューに応じ、「放送法を根拠にした放送への政治介入は認められない」と改めて主張した。NHK「クローズアップ現代」の放送倫理違反を指摘した委員会の意見書で、政府や自民党を批判したことに対し、安倍晋三首相や高市早苗総務相らから反論が相次いでいた。

安倍首相や高市総務相は放送法の規定は行政処分の根拠になる「法規範」だとして、BPOの意見書を批判した。一方、BPOは、放送法は放送事業者が自らを律する「倫理規範」だとして対立している。

川端委員長は「放送法が倫理規範であるということは、ほとんどの法律学者が認めている」と説明。一方で、「元々(放送免許の許認可権を持つ)総務省、旧郵政省が行政指導をしてきたのは放送法に法規範性があるという考え方からだから、立場の違いがあることは十分承知していた」とした。

「倫理規範」と解釈する理由について、法が成立した経緯をあげる。「戦前の日本の言論統制に対する反省から、政治権力が直接規制を加えることがあれば、表現の自由を保障する日本の憲法のもとでは問題があるという意識は皆持っていた」。1950年に放送法が国会に上程された際の趣旨説明をあげ、「『放送番組に対する検閲、監督等は一切行わない』と述べていた」と説明する。(2015.11.13朝日新聞)

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これはNHK「クロ現」のやらせ番組の問題についてなのだが、ここで言われる「表現の自由」への「政治権力の介入」という問題ではない。「表現の自由」のためならやらせをやっても良いようなことをぬけぬけと言っていることになる。それが「放送倫理」なのかという極めてあやふやな基礎の上に建つ砂の城に見えて来る。

BPOの現在の評議員会のメンバーを見てみよう。

半田 正夫 議長 青山学院大学名誉教授、弁護士
宮原 賢次 議長代行 住友商事名誉顧問
辻井 重男 評議員 中央大学研究開発機構教授
坂東 眞理子 評議員 昭和女子大学理事長
藤原 作弥 評議員 ジャーナリスト、元日本銀行副総裁
堀田 力 評議員 さわやか福祉財団会長、弁護士
山田 太一 評議員 脚本家

となっている。バリバリに左翼の匂いに満ちている。山田太一ってのがダメ押しだろう。

BPOはテレビ・ラジオの放送法を根拠としてみずからの権威を保っているのだが、今回のように東京MXがBPOの顔色をうかがってオンエアを中止したところで、DHCシアター側は「NETという手段でいくらでも配信することができるんだぞ」という事実を見せつけた。つまりBPOの権威はテレビが主体だったころの遺物になり下がってしまっていたことを明らかにした大事件だったのだ。

BPOの公式ホームページにはこう出ている。「放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関です。主に、視聴者などから問題があると指摘された番組・放送を検証して、放送界全体、あるいは特定の局に意見や見解を伝え、一般にも公表し、放送界の自律と放送の質の向上を促します。」

つまり(放送)業界団体によって設置された機関であって、業界が不都合になるようなことを避ける目的があるのだが、実際には日本の(放送)業界は「反日」「反政府」の傾向が強い。

東日本大震災の頃に、民放各局がCM放送を自粛して、来る日も来る日も「番組向上機構」の道徳動画が流されたことがあった。普通に考えれば、広告宣伝費を支払っているスポンサー各社が良く黙っているなと思うところだが、CMが流れなくても広告料金は支払うのだからBPOがいかに力を持っているかがわかろうというものだし、その権力を支えているのが電通かも知れないと想定した場合には、なんとなく納得したくなって来る。

ただ、テレビからNETに移りつつある社会において、電通の権力に陰りが見えて来ると同時にBPOの権力も弱って来ている。そうした現象の象徴になったのが、この「ニュース女子」だったような気がする。

少なくとも東京MXテレビの重役さんは判断を大きく誤ったことになる。

テレビからNETへとシフトしている方向性を見誤ったのは、ホリエモンからの買収に激しく抵抗したフジテレビでもあった。フジの凋落はあそこから始まっている。韓流ドラマがどうだこうだと言うのは枝葉に過ぎない。フジ・サンケイグループがライブドアを拒絶したことが発端だった。

「社会正義の番人」を自負していた新聞・テレビの化けの皮がはがれて来ている。



本ブログの3月12日記事『事実誤認』において「珍しく産経がピントのボケた記事を載せている」と指摘した。そう、産経だからと言って安心してはいけない。各地方紙にニュースを配信しているのは共同通信だが、ここはかつての「電通」だから。戦後日本が左に流れる原因のひとつを担っている。

3年後にオリンピックを控えた我が国にはまだ「共謀罪」に対する防止法がない。だから国際的なテロリストの手配名簿が日本には入って来ない。逆に言えばこの法案に反対している団体は、テロリストを間接的に支援することになる。あったよなー、北京オリンピックの聖火ランナーが長野の善光寺の前に来たら、全国の中国人留学生が中国大使館の号令で大挙して集まり「フリーチベット」の団体と騒乱状態になった。

二度と見たくない腹立たしい光景だった。





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