疑惑

北朝鮮による拉致被害者である蓮池薫氏の実兄、蓮池透氏が『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』という著書を講談社から出版したのは2015年のことだった。

「何が起きたんだ?」という疑問で多くの人が首をひねったのだったが、この背景には岩波書店が出している月刊総合雑誌の『世界』2008年7月号において透氏がこのように発言し掲載されたことが上げられる。

以下は Mikipedia からの引用である。

■日本政府は少なくとも4度、北朝鮮を騙した。
■地村(保志)さんは「国交がないことが拉致の背景にある」という。
■国交正常化には拉致解決が先だとは思わない。それは一方的な主張。
■圧力だけでは拉致問題の解決は不可能であり、対話を併用すべき。
■拉致問題により、狭いナショナリズムが醸成された。
■日本は植民地時代のことなど、歴史教育がよくされていない。
■過去の清算を怠ってきた日本政府の責任で弟(蓮池薫)は拉致されたという論理も、成り立つかもしれない。
■弟は「歴史の闇に葬り去られたことはいっぱいある」と言っている。
■過去の清算をきちんとして朝鮮のほうが納得するようにやったらどうかと言いたい。
■以前、横田(滋)さんの訪朝を止めたことについて謝罪したい。ウンギョンちゃんに会いに行っていただきたい。

(引用ここまで)

これらの発言に対して、「家族会」の総会で「退会させるべきである」との決議に至ったのは2010年3月のことだった。つまり小泉内閣において一時帰国が叶った弟夫婦に対して安倍内閣の拉致問題への取り組みに反感を覚えていたのであって、安倍内閣と共同歩調を取る「家族会」と意見の齟齬があったわけだ。そこへ来て退会させられた恨みつらみが爆発した格好になっている。

透という人物は新潟県出身で、拉致事件が頻発していた柏崎の県立高校に通った。そののち、東京理科大学工学部電気工学科に進み1977年に東京電力へ入社。日本原燃へ出向し核廃棄物再処理(MOX燃料)プロジェクトを担当、東京電力へ戻ると原子燃料サイクル部の部長にまで上り詰め、爆発事故まえの福島原発に関わっている。

そうした高収入の技術職でありながら2009年に東電を退社。拉致被害者家族としての活動に没頭する中で妻と離婚する。

再び Wikipedia から引用してみたい。

北朝鮮による日本人拉致問題について、「拉致は国家テロ。北朝鮮への経済制裁を行え」「これは戦争ですよ。アメリカならそうするでしょう」といった発言を繰り返し、また制裁要請の為に横田滋・早紀江夫妻同様渡米するなど強硬派と目されていたが、2003年暮頃から、以前に比べて柔軟な発言が目立つようになる。翌年の第二次訪朝を機に、家族会や北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)の主流派との間で考えの違いが顕著となり、翌年4月には、事務局長から外れる。2008年以降は、北朝鮮への「圧力」に重きを置く路線の効果に疑問を呈し、政府間の直接交渉による帰国実現を主張し、北朝鮮との「対話」に重きを置く路線にも理解を示している。
2009年頃から、家族会・救う会と一線を画する発言をおこなう一方、左派系とも見られる集会にも参加し、同年8月には現代企画室編集長の太田昌国と共著『拉致対論』を出版している。

(引用ここまで)

つまり前記した月刊『世界』における発言の前後の頃(2008年)から、透氏に微妙な変化が表れている。

これは福田内閣から麻生内閣へ移行しようとする時期であり、民主党が「消えた年金問題」で自民党政権を追い詰めていた時期と重なり、「消えた年金問題は一年で解決します」と大見得を切った第一次安倍内閣が参議院選挙で大幅に議席数を失ったその翌年にあたる。

「味噌クソいっしょにするな」というヤジが聞こえて来そうだが、事実関係はそのように重なっている。

『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』が出版されたのが2015年であり、翌2016年1月の衆議院予算委員会において民主党の緒方議員が「(首相は)拉致を使ってのし上がったのか」と質疑して安倍首相を激怒させた原因を作っている。



ここで少し目線を変えてみたいのだが、「全国電力関連産業労働組合総連合」略して「電力総連」という組織をご存知だろうか。「日本労働組合総連合会」いわゆる「連合」だが、労働4団体を構成する一つが電力総連とされ、「東京都電力総連」は「連合東京」を名乗っている。

早い話が東京電力の釜の飯を食っていた蓮池氏は、連合系にどっぷり浸かっていた人物であって、民主党から政権を奪還した安倍内閣を攻撃したくてウズウズしている構図が見えて来る。つまり半島系が多い民進党に加勢をしたいのであって、こうした流れが2016年10月の新潟県知事選挙へとつながって行く。東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問われた選挙だったが、無所属にして共産・社民・自由の推薦を受けた「再稼働慎重派」の米山氏が当選した。選挙戦終盤には民進党の蓮舫代表が応援演説に駆けつけている。

新潟県柏崎、東京電力、民進党、どれを取っても蓮池氏とつながるのではあるまいか。

そして今年に入ってからの朝鮮半島に吹き出した強風が、蓮池氏自身の心中穏やかざるものを産んでいるのではあるまいか。



12分の動画、興味がある向きはご覧になってください。



皆さん、ご機嫌よう。




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