『平和の少女像』

韓国では『平和の少女像』と呼ばれている像だが、これが在韓米軍の装甲車によって轢かれた女子中学生を悼む、すなわち反米運動の目的のために制作されたものであるという説をご紹介した。これは裏付けが取れていない話だが、十分に説得力を持っている。

反米団体がこの像を駐韓アメリカ大使館前に設置しようとしたところ韓国政府が強力に阻止したことからお蔵入りとなっていて、反日活動のために「慰安婦強制連行」なる作り話が出たことから、その少女像が慰安婦だったことにされて、日本大使館前に設置されたという。

アメリカのジャーナリスト、マイケル・ヨン氏が、直接韓国に出向いて像の製作者であるキム・ウンソン、ソギョン夫妻にインタビューをおこなった。キム夫妻は長年の反米活動家であり、北朝鮮を訪問した経歴を持つとされている。

インタビューではこの像が、日本軍による強制連行された慰安婦を象徴したものであると説明したそうだが、夫妻は反日の前に強い反米意識があったとされている。

朝鮮戦争の後に韓国にアメリカ軍を中心とする国連軍が駐留したのだったが、沖縄でも見られたように若い米兵が様々な事件を起こした。代表的なのが1992年に発生した尹今伊殺害事件(ユン・グミさつがいじけん)であり、韓国京畿道東豆川市の基地村でバーの従業員の尹今伊(当時26歳)が在韓米軍第2師団所属のケネス・マークル(Kenneth Lee MarkleIII)二等兵に殺害された事件である。

ここで基地村なるものが出て来るのだが、韓国は朝鮮戦争に続いてベトナム戦争にも参加していて米軍および国連軍の駐留部隊のための慰安所と慰安婦を韓国政府公認で設置したものである。

韓国は1947年に公娼制度を廃止したが、1950~1954年にかけて韓国軍慰安婦を設置、1962年には米軍基地近隣104か所を特定地域に指定して売春取り締まりの除外地区とした。これらがいわゆる基地村と呼ばれた場所であり、朴正煕大統領の命令書なども残っている。

日本統治時代を知らない世代にとって、反日よりも反米が肌身に触れていたわけであり、ユン・グミのような被害者が出ていたことから米韓地位協定への反感が韓国国民の中に蓄積していた。

米軍装甲車女子中学生轢死事件とは2002年6月に京畿道楊州郡(現在は楊州市)の公道で発生した交通事故であるが、被害者遺族への米軍側の説明に不誠実な点が散見されるとして韓国世論が沸騰し一気に反米感情が沸き上がった。しかし韓国政府にとって在韓米軍の存在は重く、貴重な外貨にもつながることなどから世論の反米化を力で抑えようとした。

推測に過ぎないが『平和の少女像』が作られた背景には、こうした米韓関係が横たわっていたものと思われる。もちろん製作者は北朝鮮との交流があったのだから、韓国国内における反米感情の高まりはそのまま北朝鮮の利益に直結する。

韓国政府から抑え込まれた反米感情は、その9年前に発表された『河野談話』に向けられた。「謝罪と賠償」を要求する材料として少女像が流用された可能性が高い。日米韓という同盟関係にひびを入れることは北朝鮮の利益であって、アメリカがダメなら日本を攻撃すれば良いということだ。

そして「慰安婦強制連行」と「虐殺」という彼らの主張は、そのまま「基地村」と「ベトナム戦争」での虐殺とそっくり重なりを見せているのであり、日本がやったことではなく、韓国が自分でやったことに他ならない。

韓国国内で米軍慰安婦の件が野党によって糾弾されたのは2013年のことだったが、韓国政府は真摯に対応せずマスコミも「彼女らは売春婦だった」として無視した。このことから韓国国内で122人の「元米軍慰安婦」だったと名乗りを挙げた女性らが政府を相手に国家賠償を求める訴訟を起こした。

この背景には、「お詫び」を表明した日本の村山内閣がアジア女性基金を元に、自称元慰安婦ひとり当たり200万円の「償い金」を支払ったことが挙げられる。「日本軍慰安婦は償い金が受け取れて、なぜ我々米軍慰安婦は償われないのか」という主張だった。

そうした流れを静観していたアメリカ政府は、「やがて火の粉がこっちへ飛んで来るぞ」という危機感を抱いたはずであり、カリフォルニアをはじめとするアメリカ国内に建設され続けている『平和の少女像』も元をたどれば反米の象徴だったとの認識を得たのかも知れない。それがバラク・オバマをうろたえさせ、2015年暮れの「日韓合意」を強く促した根拠だったと思える。

国連の人権委員会などで、「性奴隷」とか「女性の人権」などが声高に叫ばれれば叫ばれるほど、アメリカ自身を窮地に追いやっていたことになる。

日本は「濡れ衣だ」「でっち上げだ」と言っていれば、それが通るか通らないかは別としても今後の方針にはなる。しかしアメリカはそうは行かない。韓国に米軍慰安婦がいたことは事実なのだから。122人の賠償訴訟の矛先がいつアメリカに向けられても不思議ではないのだ。

アメリカ政府が3000万ドルという予算と約7年という歳月をかけて韓国の元慰安婦の主張を裏付ける証拠を調査したのも、日本への協力でもなければ韓国への協力でもない。アメリカ自身の防御のためだったことは明らかだ。その結果出て来た歴史的事実はゼロだった。

3000万ドルという数字が出て来たが、皮肉なことに3万ドルという値段があるものに付いている。マイケル・ヨン氏が韓国の『平和の少女像』の製作者夫妻を取材したことは前記した。この取材の際に、像が一体できるごとに製作者夫妻が手にする金額が3万ドル(約340万円)ほどだというのである。

この費用は韓国の市民団体や学生団体などが集めた寄付金で賄われているが、これまでに制作されたブロンズ像は50体ほどに至っており、おそらく北朝鮮に送金されていると見られている。

ソウルの日本大使館と釜山の日本領事館、そしてグレンデールなどに建設された『平和の少女像』が、韓国自身の首を絞めていることに気が付くのはいつになるのだろう。決して遠い話ではなさそうだが。

(転載自由)




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