白頭山 大噴火

朝鮮の後三国(新羅・後百済・後高句麗)を統一した高麗が成立したのが西暦918年から1392年である。

現在の北朝鮮と中国との国境線上にそびえる火山が白頭山であり、これが大噴火を起こしたのが西暦946年とされている。標高2,744mのこの山が約1,000年前に噴火したのは人類史上最大級だったとされていて、その噴石や火山灰は日本列島にも達したとされている。

つまり高麗時代の災害だったということがはっきりする。

なぜ北朝鮮と中国にまたがる火山のことが、ここまで明らかになっているかと言うと、2002年から2005年にかけて群発地震が発生し山頂が隆起したことを受けて、北朝鮮政府が西欧諸国の研究家らと接触を始めたことから、そうした情報が出るようになった。

一般的な火山は構造プレートのぶつかり合う位置に集中するのであって、日本列島を形成した沈み込み帯から1000kmも離れた場所にある白頭山がどうして大規模噴火を起こしたのか大きな謎とされていて、世界中の火山学者の興味を引いていた。

(以下はナショナルジオグラフィックからの引用である)

調査チームに召集された英国ロンドン大学の地震学者ジェームズ・ハモンド氏は、「白頭山は、激しい噴火を起こした実績があり、近年活発な活動を見せています。しかし、その正体については、まだよくわかっていません」と語る。(中略)「白頭山が大規模な噴火を起こす危険性は、非常に現実的なものであると考えられます」と、米テキサス大学の地震学者スティーブン・グランド氏は言う。

(引用ここまで)

946年と言うと日本は皇紀1606年にあたり平安時代に相当する。

日本で火山灰の調査をやったところ、当時の地層で二度の降灰があったらしいということまでは分かっている。つまり偏西風で日本まで運ばれるほどの大規模な噴火が少なくとも二度あったということであり、それ以下の噴火まで含めるとかなりの自然災害が朝鮮半島で発生した可能性が高いというのだ。

平将門が死亡したのが940年、藤原純友が死亡したのが941年、そうした時代のことであり、日本海側で火山灰が降ったというような記録はわずかに残っているものの朝鮮の歴史にはいっさい出て来ない。

一方の中国は五代十国の戦乱時代であって、宋によって統一されたのは960年に入ってからのこと。宋が漢民族を統一する以前の出来事であり、周辺の異民族の動向に敏感になっていたとは言っても朝鮮族は組織的に軍事的行動がとれるほどの能力を持っていなかったのでほとんど気にしていなかったらしく、歴史的な文献にも残されていない。大規模噴火と言っても火山灰は偏西風に乗って東へ流れているので、陸の孤島と言えるほどの僻地で何が起ころうと関係なかったはずである。しかし、当の朝鮮人は文献に残すことができなかったとしても、せめて「言い伝え」という方法での伝承はしていたはずなのだが、まったくと言っても良いほどきれいさっぱり残っていない。

このことは多くの研究者の推理欲を刺激しているのだが、当の朝鮮・韓国では研究することさえ憚られているらしい。何故か。自国の歴史の残され方・伝え方に不備があったことを自ら公言するようなものだからだ。

モンゴル人が「蒼き狼の子孫である」と言っているように、朝鮮人は「熊の子孫だ」と教育しているらしいが、たかだか1000年前の火山の大規模噴火さえも「知らなかった」とはどういうことなのか。

ある考古学者が言っているように、朝鮮・韓国の埋蔵文化財には継続する歴史的出土品がない。「ある時期」がすっぽり抜けていると言う。考古学的に見ると「歴史の空白期」があるのだそうだ。

このことと白頭山の大噴火を重ね合わせて見たとき、朝鮮族の文化は一度中断したのではないかという推理が成り立つことになる。大量の降灰があれば農作物も何年か採れなくなっただろうし、そうなれば人々は移動せざるを得ない。歴史だの文献だのと悠長なことを言っている場合ではなかっただろうことが想像できるのだ。

歴史や文化といったものは積み重ねであり、レンガ造りの建築物や石垣に例えることができるだろう。しかし一度ふり出しに戻ったとすれば、それは何千年もの積み重ねが失われたということを意味していて、1000年前にまた最初からやり直した可能性があるということになる。

後三国を統一したのが高麗だと申し上げたが、統一前の高句麗(現在の北朝鮮一帯)は契丹という北方民族との関わりがあった土地であり、中国にとっては危険で迷惑な部族でもあった。白頭山の噴火によって現在の北朝鮮一帯が火山灰に埋もれたとして、半島の南東に位置していた新羅にとったら勿怪の幸いだったはずだし、それは五代十国の中国にとってもチャンスだった。

その後高麗は契丹の侵略を複数回受けることになるわけだが、それは噴火の数十年先の話。




朝鮮の歴史には重大な空白期があるという認識とともに、この白頭山が噴火の徴候を示しているという事実も知っておいて損はない。

そういえば、韓国南部で群発地震があったのは昨年のことだったな。震源の深さがほとんどわからなくて、日本の気象庁データで恥をかかされたのが韓国政府だったように記憶しているが。





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