数字に見る国状

池上さんあたりがテレビで説明するようになったからずいぶんと理解が進んだようだが、中央銀行(日本で言えば日本銀行)が一般の市中銀行に貸し付けている資金に一定の金利を付けている。この金利のことを一般には「政策金利」と呼ぶ。

これが上昇すると通貨が社会に流通しにくくなるので過剰な景気の高騰を抑えることができるし、逆に不景気になって通貨の流通が少なくなると、この政策金利を低く抑えて通貨の流通を促そうとする仕組みになっている。ものすごく簡単に省略して言えばそういうこと。

1994年に民間銀行の金利は完全自由化され、公定歩合による金利操作が事実上できなくなったことから公定歩合を0.5%に据え置いたままで、日銀は市中銀行から国債や手形などを買い取ることによる金利操作を続けた。「公定歩合」という名称は2006年に廃止され「基準貸付利率」という呼び名になった。

政権が民主党に移る直前のことであり、多分に日本財務省へのアメリカの働きかけがあったものと推測される。

1998年に0.25だった政策金利は2007年には0.5まで戻していたが、民主党への政権交代があった2009年9月の前後にはすでに0.1まで落ちていた。これはリーマンショックなども強く影響していたものと思われ、景気の動向は政権をも交代させるエネルギーを持っている。

その後は低金利政策が延々と続けれらていて、0.1のままで推移し黒田総裁になってからはマイナス金利になっている。現在(2016.12)は-0.10である。

これに対して大統領選挙を終えたアメリカは0.50から2016年12月には0.75という余裕の見せ方をしている。年が明けるとさらに利上げが予想されている。

このことは市場に出回っている通貨を引き締めにかかる作用を及ぼすのであって、好景気時に執られる措置なのだが、米ドルとは世界の共通通貨であって中国などに投資されていた莫大な資金がアメリカへ戻って来る流れを生み出す。すでに上海為替市場では人民元の対ドル相場が続落(1$=6.8956元)していて、中国経済の混乱が危惧されている。

中国経済崩壊の起爆スイッチを押すのは、やはりトランプなのかも知れない。「AIIBのバスに乗り遅れるな」と言っていた誰かがいたっけな。

まぁ中国の経済は地下銀行で運用されているので実態は誰にもわからない。すでに崩壊しつくしていると見る人さえもいるくらいだ。




日本の政策金利が-0.10だと申し上げた。では韓国はどうだろう。日本に追いつくだの追い越すだの、あるいは追い抜いただのと言って好景気を喜んでいた頃から見てみたい。

1999年に4.75だった金利が2008年には最高値の5.25を付けた。絞る必要があるほどの好景気だったわけだ。現在韓国国内の労働者らが給与増額を求めてストライキをしているのは、この頃に貯め込んだ内部留保があるだろうという意味だ。
この政策金利は翌年2009年には2まで急落する。ちょうど日本に民主党政権が誕生した年にあたる。そこで韓国政府は日本との経済協力を進めて、景気刺激策を実施し最後の野田政権の頃の2012年には3.25まで戻していた。

第一次安倍政権が発行した新規国債は27.5兆円だったが、鳩山政権は44.3兆円発行し子ども手当の財源にした。蓮舫が「2位じゃだめなんですか」と言ったのも鳩山内閣だったし、宮崎の口蹄疫への初動が遅れたために大災害になったのも鳩山内閣だった。菅内閣では2010年8月、日韓併合100年にあたり菅の談話として韓国に謝罪し、翌9月には中国漁船が海上保安庁の船に体当たりをやった。そして2011年の3月の津波災害と原発事故。その間、韓国の政策金利はどんどん上昇しているのである。この両者の流れを時系列で比較すると非常に興味深い。

民主党発足当時に韓国の政策金利は2だったが、東日本の大震災直前までに2.75まで持ち直し、日本の低迷と引き換えに3→3.25と上昇してゆく。記録的な円高が進んでいたから韓国の輸出産業が好調だったためだ。

しかし民主党政権が吹き飛び、自民党が政権を取り戻した時期と、韓国の政策金利の下り坂が一致する。アベノミクスが始まり円が安値に振れ出すと韓国の政策金利は一気に1.25まで落ち込んだ。




日本の会計年度は4~3月であり、学校の卒業も3月、入学が4月だ。

しかし韓国は1~12月が会計年度であり、学校の卒業が2月、学校や会社の入学・入社は3月となっている。

しかしこの冬の韓国は経済的にも政治的にも最悪の状況にあって、新年度も就職も福祉政策もほとんど希望が見当たらない。

いちいち日本の民主党政権を比較に出すと可哀想になって来るのだが、政権交代の前年(2008年)のリーマンショックの年に日本の失業率が3.98%だったのが翌年の政権交代後には5.08に上昇し、その後2010年が5.06、2011年が4.58、2012年のドジョウ政権下で4.33となっていた。それが第二次安倍政権になってから2016年には3.18まで持ち直している。

つまりリーマンショックでつまずいた麻生政権の後始末を、素人集団の民主党に任せたために日本人はとんでもない目に遭ったということであり、この貴重な経験はしっかり勉強されるべきだということ。

それに対してお隣韓国では、1997年に起きた通貨危機を受けて1998年の失業率は6.95まで上昇したが、その後回復したと言っても3%台を切ることはできなかった。2016年の失業率は3.62である。これが来年(2017年)には4%の大台に乗ると予想されている。

4%と言えば100人に4人という意味だが、15~29歳の若年層の失業率で見ると8.2という高率に至っている。来年は鍋のフタでラーメンを食べることができるだろうか。







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