本当にあった怖い話 ②

むかし知人が新車を買った。シャ○ードという小型車だった。

ピカピカで納車されたが3日目に信号待ちをしていて後ろから追突された。

スリードアハッチバックだったそのクルマは、後ろのハッチが閉まらなくなって後輪車軸もゆがんでしまった。

追突したのは立派な紳士のセダンで、警察にも保険屋にも連絡して平身低頭に詫びていた。

「変な相手でなくて良かったよ」と最初のうちは知人も言っていた。

新車の3日目だから、さっそくディーラーの営業マンが駆けつけた。一目見て「あ、こりゃ修理は難しいと思いますよ」。

素人目にもそう映ったのだが、プロがそう言うのだから間違いないだろうと思わされた。

「新車に入れ替えですね、相手の保険屋と談判しますよ」

短期間で2台売れるのだから営業マンもほくほく顔だった。



ところが話は激変する。事故の相手が何とデパートの外商部の課長さんだったのだ。小型車をまとめて何台もリース契約してくれる相手だとわかった途端に営業マンの態度が変わった。

「工場長に見せたら、ちゃんと元通りに修理できると言ってます。修理費は相手の保険が出るし全損は認められないとか」

ちょっと待て、新車に入れ替えだと言っていたのはお前じゃなかったのか。



試乗車用の車両を代車として持って来て、そのディーラーは事故車を何か月もかけて修理した。

しかし何度修理のし直しをやっても、最後まで後ろのハッチがぴったり閉まることはなかった。

「モノコックの箱がゆがんだ状態だね」クルマ好きの友人が言ったそうだ。「モノコックって甲殻類の動物みたいなものでいわゆるカニだ。骨に肉を巻き付けている動物とは違うのさ」

「時速70kmを超えるとツイストを踊り始めやがる。恐ろしくて乗れやしない」と知人は言っていた。

そのディーラーの担当営業マンはそのうちどこかへ転勤して行った。退社したのかも知れない。

知人はとうとう車両を買い替えることにして事故車を下取りに出した。するとそのディーラーは「事故車ですからね、ほとんど査定は付きませんよ」と言ったらしい。

それがあってから私は周囲の人間に「絶対あのメーカーのクルマはやめておけ。事故に遭っても味方してくれないぞ」と言って回った。もちろん私自身が助手席にさえ乗ることを拒んでいる。

世界的メーカーの子会社になったというが、詐欺のような販売方法では機械の性能以前の話だ。今になって思えば、修理工場では放置されてロクな修理もされていなかったのではないだろうか。







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