オリンピックという名の劇薬

なんかもう見飽きて来た感じがする。東京オリ・パラについて森と小池がにらみ合っているのだが、小池の方の歩が悪いようだ。

ロス・オリンピックからこっちサマランチ率いるIOCは利権で動く組織に変っていて清廉潔白さをかなぐり捨てて来た。密室と利権が得意な森にしてみれば得意中の得意な相手だ。、

こないだヒラリーとトランプの子供じみたののしり合いを見せられた直後だから、「好きにやってくれよ」といった嫌気がさしているのは私だけではあるまい。

森の腹の中に巨大な利権が詰め込まれているのはもはや誰もが知ることとなったが、一方の小池はというと来年の都議会議員選挙で自民党都連の主導権を刷新したいという政治的作戦からここまで発展してしまっている。水たまりをひっかきまわしてやろうとしたら、相手は意外と大きなため池だったという構図だ。

豊洲移転を延期したのも地下水の検査結果が出ていないというだけの理由だったが、共産党が地下空間を暴露したことから取り返しのつかないような大問題に発展した。

あちこちの再開発にともなう不動産利権に森や石原がからんでいたということは週刊誌が暴露したものだが、それとは別に小池は小池で「七人の侍」の存在を使って膨らんだ東京都の予算を絞るといった都民へのアピールを作り出して都議選を有利に運ぼうとそっちに意識が向いている。その予算削減の一つにオリンピック競技場建設費というものがあって必然的に森と敵対せざるを得なくなっている。

森は再開発利権を利用してあらゆる業界のフィクサーになろうとしているのであって、小池は自民党東京都連の利権をぶち壊そうとしている。

森はあの手この手で、IOCや自民党神奈川県連に影響力を行使しているが、だからと言って「当初の予定通りでやりなさい」とバッハが言ったら今後五輪の候補都市は出なくなる。何兆円も出せる都市はそうそうない。88年のソウル五輪では経済成長率が前年度の12%台から開催翌年に6%台に落ち込んだ。92年のバルセロナ大会では前年度2%台だったものがマイナス成長になった。00年のシドニー大会も4が2に減った。08年のペキンでも14%が9%台になっている。例外は96年のアトランタ大会だけで2%台から4%に成長した。

経済成長率


経済成長率が著しく高かった国は韓国と中国だ。いわゆる「発展途上国」であって道路建設や鉄道などのインフラ、ならびに競技場や宿泊施設の整備などといった経済活性化が期待できる国だ。ところが開催翌年の成長率が上がっているのはアトランタだけだ。アメリカのようにすでにインフラや競技施設を完備している都市だけが伸びている。

悲劇的だったのは32年前のサラエボ冬季オリンピックだった。大会後に勃発したボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で殺し合いに発展してメインスタジアムを含む多くの競技施設が破壊されて墓場になったりした。経済成長どころの騒ぎではないのである。戦争にこそならなかったもののギリシャのアテネ大会でも、その後の経済はガタガタになってEUから離脱するかどうかといった騒ぎにまで発展した。

だからオリンピックは劇薬であって、あるていど体力がある患者には効いても、成長過程にある子供や高齢者などの場合は命取りになりかねない危険性を伴う薬なのであり、そのことはIOC自身がいちばん良くわかっていることなのだ。

だとすれば、インフラが老朽化し始めてあちこちの水道管は破れ、橋は架け替えの必要が出て来て都市高速も危なくなっている東京は、新競技場の建設にそれぞれ何百億円も注ぎ込む余裕があるのかと都議会が議論しなければならない状態に来ている。新銀行東京の負債をごまかそうとして石原が言い出しただけのオリンピックでこのような争いに発展するとは石原自身も考えていなかっただろう。口が悪いだけで先が見えないただの高齢者でしかなかった。

そして「ボート競技はヨーロッパ人に人気があるが野球はどうでも良い」という意味のことをIOCが言い出せば、それはもはや「平和の祭典」ではなくなる。

なぜカメラがデジタル方式になったかと言うと、フィルム式では現像に時間がかかるがデジタルだったらオリンピック競技がリアルタイムにネット配信できるからだ。ニコンとキャノンの2社がプレスセンターの横に大きなサポート拠点を用意して世界中のカメラマンを支えている。デジタル一眼が登場したのは00年のシドニー大会の前年である99年にニコンが出した「D-1」。南半球で開かれた大会の写真が翌朝のニューヨークタイムスに載ったりした。

ということが何を意味するかと言うと、インターネットが世界の隅々まで普及した現代社会では、どこでオリンピックを開いても距離感がなくなっているということを示している。現に南アフリカでFIFAワールドカップが開かれたし、今年のオリンピックはブラジルのリオデジャネイロで開かれた。

だからヨーロッパ人が大好きなボート競技を東の果ての東京でやっても何も問題はないということになってくる。逆にそっちの方がスポンサーが付きやすくなる。「海の森」が東京のレガシーになろうがお荷物になろうが知ったことではないのである。ましてや日本がボスニアのようなことになっても、それは「お国の事情」ということでIOCは背中を向ければ良い。ギリシャもその手を使われた。

韓国で開かれた仁川アジア大会では、あらゆる競技施設を新設したことから仁川市は財政が極度に悪化して廃墟と化している。前もってわかっていればプレハブで十分だったのに。




もう一度言おう。オリンピックは副作用が強い劇薬で、今の日本がそれに耐えるだけの体力を持っているかどうかだ。保育園はどうだ、年金はどうだ、税収はどうなのだ。

その先に、森が企む再開発利権があちこちで計画されている。自衛隊が護衛艦ばかり造るからヘリが足りなくなっていると聞いた。日本の健康年齢はどれくらいなのだろう。




福島第一ともんじゅが廃炉になるらしい。それって誰の財布を当てにしてる? 今の中学生あたりかな?






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