日本人が習わなかった近代史

以前、グアムに触れた記事を書いた。なぜあそこがアメリカ領になっているのかと。

日本の歴史教育ではあまり掘り下げていないために、アメリカとスペインが戦った米西戦争(1898)のことを知る人は多くない。

スペインはカリブ海と太平洋に植民地を持っていた。大航海時代に航海術を利用して本国の繁栄を図ったからだ。

その植民地を奪いたい野望に駆られたアメリカは、いつもの手で自国の戦艦メインを爆沈させ、それをスペインの仕業だとニューヨーク・ジャーナル、ならびにニューヨーク・ワールドの2紙が書き立てた。「くたばれスペイン」といった論調でアメリカ国民を刺激した。

ハバナ湾に停泊していたこの戦艦は、白人士官が上陸した後で石炭ボイラーが爆発している。その爆発原因はいまだに解明されていない。

1898年の2月にカリブ海で発生した爆発事故を機に戦争へ発展するのだったが、スペインが植民地化していた太平洋にも戦火はおよんだ。それがアメリカの目的だったのだから。

同年5月にはマニラ湾海戦が勃発している。

この海戦に参加したアメリカ太平洋艦隊は香港から出発している。

マニラ湾海戦は約6時間で勝敗を決し、アメリカ軍の圧倒的勝利に終わった。

壊滅したスペイン海軍とは別に、マニラには1万人近くのスペイン陸軍が駐屯していたが、フィリピン独立運動家だったエミリオ・アギナルドがアメリカ太平洋艦隊のデューイ提督と会談して独立の確約を得て、アメリカ軍の支援下でスペイン軍への攻撃に出る。

1898年6月、独立軍はルソン島中部を制圧し暫定政府を建てて独立宣言をする。一方のアメリカ軍はマニラ市を占領するために大規模な軍隊を派遣しスペイン軍を降伏させた。

つまりフィリピン独立軍がルソン島中央部に終結している間にアメリカは首都マニラを抑えたのであって、騙されたことを悟った独立運動家が不満に思ったことから、戦う相手はスペイン軍からアメリカ軍に代り、のちの米比戦争へと発展して行く。

同年同月(6月)、同じくスペイン領だったグアムにもアメリカ艦隊が現れ、スペイン兵を捕虜にしてアメリカが占領した。



その後、日本が真珠湾攻撃に出て太平洋戦争に発展して行くことになり、グアムやフィリピンは日本領となる。グアムは一時的に日本の占領統治になり「大宮島(だいきゅうとう)」と呼ばれた時期もある。

フィリピンでも日本軍の占領を受けてアメリカ軍は全軍が降伏、ダグラス・マッカーサーはオーストラリアに逃亡する際に有名な「アイ・シャル・リターン」という言葉を残している。

その後、フィリピンの独立を目指すゲリラをアメリカが援助し抗日人民軍を組織してフィリピン内の日本軍を攻撃するのだが、米西戦争の際のエミリオ・アギナルドのコピーだ。どうやら中国や朝鮮における抗日活動の背後に誰がいたのかが見えて来る。

フィリピンの抗日ゲリラに対処するために、ジャングルを知り尽くした台湾の高尾族が日本兵として大活躍するものの、米兵が居なくなったフィリピンにアメリカ軍は大量の爆撃を加えおびただしいフィリピン市民を殺害した。

日本は1943年にホセ・ラウレルを大統領とするフィリピン第二共和国の独立を認める。大韓帝国を独立させたのと同じことで、アジアから白人国家を叩き出して諸国を独立させるための日本の戦いだったことが明らかになって来る。しかしレイテ島に上陸したアメリカ軍はレイテ沖海戦でも日本軍を制圧し、一挙にフィリピン全土を制圧し「マニラ大虐殺」が起きる。第二次世界大戦でのフィリピン人の犠牲者は110万人とされている。

日本が降伏すると、抗日運動を続けていたセルヒオ・オスメニャが大統領に復権してアメリカ自治領政府として親米政府が成立する。

つまりフィリピンの歴史とはスペイン領からアメリカ領に移り、搾取と略奪の目に遭い、日本によって独立を得るもののレイテ沖海戦でアメリカが勝利して親米政権が誕生するといった波乱に揉まれ続けた歴史なのだ。




10月25日に来日したフィリピンのドゥテルテ大統領が、アメリカのオバマ大統領に激しく毒づきながら中国の習近平国家主席の前でもガムを噛み手をポケットに突っ込んでいたが、日本ではかなりしおらしい姿勢を見せた。

それは前記のようなフィリピンの長い植民地時代の歴史を知った上でニュースを読み解く必要があって、写し鏡のように日本の立ち位置が見えて来る。

戦後、日本の教育は近代史を子供たちに教えて来なかった。それは私もそうであって、どうしてグアムがアメリカ領なのかといった漠然とした疑問があったわけだ。

受験に関係がないとして、アジアの近代史を教師たちは避けて通って来たが、こうした日本の外交が変化して来ると、近代史によって世界が動いていることを否応なく知らされる。なぜ東南アジア諸国を欧米が欲しがるかと言えば、資源が豊富なのであって、現在の中国による南シナ海進出の問題も、根っこでつながっている。

中国韓国の反日はどこから来ているのか。ロシアは日本をどう見ているのか。アメリカの正体は何なのか。マッカーサーとは何者だったのか。これらを学校は教えて来ていない。なるほど日本の外務省外交が下手なはずである。






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