カントンの犬

これまでずいぶんと数多くの栄養補助食品、いわゆるサプリメントというものが作られて来ました。
もうどんどん新製品が出て来るんです。
何故か。
売れるからです。
日常の食生活では飽き足らず、補助栄養剤まで飲んで気分的に満足しようとしたわけです。
普通、年を取ってくるとひざや腰などの下半身から痛み始めるものであって、付けこむといった表現は不適切かも知れませんが、ひざならひざにポイントを絞ってサプリメントを作り、それを有名タレントなどのCMを流せば巨額の売り上げが得られるのです。
いかにも医薬品であるかのような、違反すれすれの宣伝をするからです。

ところが、そうしたマーケットを奪還しようとした製薬メーカーは「こちらは医薬品ですよ」という売り方を始めた。
「どうだ」とでも言いたげに。
体に不調があるとしたら、栄養補助食品よりも医薬品が良いですよ、と主張し始めたんですね。
この主張って、一見なるほどと思わされるようで、実は(どこか変だぞ)と思わされる部分があるんです。

たとえば高血圧、高血糖、皮下脂肪、内臓脂肪、ひざの痛み、肩こり、視力低下。
いろんな症状に栄養補助食品と医薬品の両面がありますが、果たして医薬品の方が優れていると言えるのかどうかです。
と言うよりもむしろ、我々現代人は栄養補助食品にせよ医薬品にせよ過剰な期待を持ち過ぎてはいないか、ということを考えました。

ここに「カントンの犬」という話があります。
1897年。フランスの科学者、ルネ・カントンは、飼っていた犬が病気になったことからその犬の血液を3分の2ほど抜き取り、血液と同程度に調整した塩分濃度の海水を注入したとされます。
犬は瀕死の状態でしたが、次第に減少していた赤血球が増え、四日後には実験前よりも元気になり、その後五年間も生存したという記録です。
このことから生理食塩水が輸液されるようになったのだとか。
つまり生命の自己回復力を働かせたということであって、下手な医薬品などを使う必要は現代医学で考えられているよりもずっと低いのだという証拠のような話です。

しかしこの「カントンの犬」は残念ながらあまり知られていません。
なぜかと言うと、タダ同然のような「海水」で治療ができるのであれば医者や製薬メーカーは収入を確保できなくなるからです。
高血圧治療薬バルサルタンが脳卒中や狭心症にも効果が認められたとする臨床データのねつ造を疑われているのはノバルティスファーマ社ですが、京都府立医科大学などに巨額の寄付金が収められていた事実が確認されています。
それだけ医薬品業界と医師会は金銭という接着剤でつながっているのであって、「カントンの犬」はおとぎ話の世界に埋もれてくれた方がありがたいのです。

最近、インターネットの普及のせいか、これまで信じられていなかったような情報が少しずつ流れ出しました。
移植片対宿主病(GVHD)とは輸血や骨髄移植などによって拒否反応が生じる症状のことを指します。
自己と非自己を区別して非自己を排除しようとする免疫機能の仕事をするリンパ球があって、輸血や移植を受ける患者(宿主=しゅくしゅ)に免疫力低下や白血病などがあった場合、輸血した血液中のリンパ球が宿主そのものを「非自己」として攻撃してしまうんです。
わかりやすく言うと、家のあるじが病気していたとして、そこへ雇われた家政婦がとても健康だった場合、家ごと乗っ取られるかも知れない、という意味です。
このGVHD、骨髄移植などの現場では比較的常識あつかいされているんですが、交通事故などで救急搬送される一般外科などではまだそれほど深く認識されていませんので、血液型さえ合えば当たり前のように輸血が行われるのです。
そして彼ら外科医はGVHDよりももっと「カントンの犬」のことを習って来ていないのです。
大学の医学部で「カントンの犬」を教えるということは、現代医学会の既得権益を否定することにつながるからです。
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